二十歳のころ 1 1937-1958: 立花ゼミ調べて書く共同製作 (新潮文庫 た 59-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (633ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101387222

感想・レビュー・書評

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  • 戦前を生きた人の20歳はやはりみな激動だとおもった。
    個人的にもっとも斬新な驚きがあったのは、曾野綾子さん。冷静で全体の事は目もくれずにひたすら自分と自分の身の回りに目を向けて、自分の能力とそれが実現できる仕事を見抜き、速い段階で小説家になることにしたのがとても印象的だった。貴賤なんていうものがほんとうにあるのかどうかはともかく彼女の見た世間には含まれていたのだということに驚き、いまの小説家の地位が高すぎるのではないかと疑問に思った。
    大江健三郎さんは大筋はなにをいっているかわからないけれど、障害児を育てることになるくだりはどういう責任を負ってその道を選んだのか、理由はかいてあるけれど何の事をいっているかわからない。これはインタビュアーが立花隆であるからこねくりまわって意味がわからなくなっているのではないかと思った。
    1巻はおおよそ戦争にまきこまれ、熱狂して喪失したひとと、それを外側からみて平静を装っている人の二種類に別れるかなと思った。どんなひとにも語るべき物語があって、それを見つけ出せている東大生とそうでない東大生がいたのかなぁとなんとなくわかった。
    2巻のほうがたのしみ。

  • 人の人生をどう聞いていくかということのヒントになる本。

    迷った時に読みたい。

  • 非常に面白い一冊。著名人から一般の人まで、幅広い方々の20歳の頃をインタビュー形式で綴った本。あの人物が20歳の時に何を感じ、また何を経験していたのか。体験談を通じて日本の歴史を垣間見れるだけではなく、人生についてのアドバイスも豊富に載っていた。若者だけではなく、幅広い人々に読んでもらいたい一冊。

  • 第一線で活躍する著名人も、20歳のころは悩み、そして将来に希望を抱いていたことを知ることができた。今も、ときどき、読み返しています。

  • 学生時代、インタビューや雑誌づくりについての授業を履修したことがある。この本はその時の参考図書。
    東大立花ゼミ生が著名人から学生自身の両親に至るまで、さまざまな人へ「二十歳のころ」のインタビューをまとめたものだが、インタビュー対象の層の厚さにまず驚く。
    読んでいて、いい意味でインタビューであることを感じさせない(その人自身の語りを聞いているような)自然さを感じる章もあれば、いかにも一問一答形式であまり話が弾んでいない章もあり、やはり普段私たちが目にしているプロによるインタビューが、いかに質の高いものなのかを思い知らされる。

    事前準備は相当にしているはずだから、ラポールの形成、話を広げる(あるいは深める)、という力は一朝一夕で身につくものではないのかもしれない、とも感じる。

    とはいえ全体としては、一人一人の軌跡、思いが伝わる、読み応えのある一冊で、学生時代には何度も繰り返し読んでいた。
    個人的に印象に残ったのは脚本家・山田太一さんの
    「ある価値観にもとづく効率からはみ出る時間を生きることが大切」という一文。一見無駄に見える時間も力になるのだから、今の価値基準だけで判断してはいけないよ、という警告が心に刻まれた。

  • 色んな著名人の若い時の事や,今の20歳の人たちへ向けてのメッセージ,色んな人の色んな思いが詰まった本だった.色々考えさせられた

  • めちゃおもろい。

  • 281 ta 13

  • 原爆被爆者へのインタビューほか。
    戦争を知らない私は、今は想像するしかない。

    一番心に残った、森毅へのインタビューから

    「朝(あした)に道を聞かば夕べに死すとも可なり」
    「カルチャーいうのは、五年、十年たたないと変わんない。だったら、今の制度変えるよりは、どうやったら自分が気持ち良く暮らせるかを考える方が先ちゃう?気持ち良く暮らすというのは、自分の問題やからね。」

    「決定論的因果律というものに支配されすぎじゃないかと思うな。(中略)それよりむしろ偶然論的因果律みたいなのがあって、一つ一つは偶然だけど、全体では一つの流れがあるというのがあるでしょう。(中略)実際は、決定論的因果律よりも統計力学的な因果律の方が多いのね。(中略)いろいろあるのが自然なんやから。(中略)確率論を履修した方がええと思うのね、世の中認識するために。それともう一つ、世の中のベースに状況論的因果論みたいなものがあってね。「こういう時代ではこういう流れになっているから、こういうことが起こりやすくなっている」ということを認識してほしい。」

    「自由っていうのはいろいろすることや。色々すると付き合いも増え、ややこしさが増えるのや。そのややこしさを確保して付き合うのがほんまの自由なんや」

    一番衝撃だった茨木のりこへのインタビューから

    「私が一番きれいだったとき」
     だから決めた できれば長生きすることに
    「汲む」-Y・Yに-
     初々しさが大切なの
     人に対しても世の中に対しても
     人を人と思わなくなったとき
     堕落が始まるのね 墜ちゆくのを 
     隠そうとしても 隠せなかった人を何人も見ました
    「自分の感受性くらい」
     自分で守れ
     ばかものよ
    「小さな娘が思ったこと」
     小さな娘がおとなになって
     妻になって母になって
     ある日不意に気づいてしまう
     ひとの奥さんの肩にふりつもる
     あのやさしいものは
     日々
     人を愛していくための
     ただの疲労であったと

  • 配置場所:摂枚フマニオ
    請求記号:080||S
    資料ID:92031753

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著者プロフィール

評論家、ジャーナリスト、立教大学21世紀社会デザイン研究科特任教授

「2012年 『「こころ」とのつきあい方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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