ツナグ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.92
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本棚登録 : 12008
レビュー : 1453
  • Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101388816

感想・レビュー・書評

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  • 生きてる人と死んでしまった人を結ぶ。
    全てがこれからの力に変わってくれる明るいものでもない。でも、やっぱり道標になる。
    色んなことを考えさせられる素敵なお話やった。

  • ツナグの正体が読み進めるうちに徐々に分かっていくのが面白い。依頼人ごとに話は変わるが、繋がりもある。ほろりと泣ける一冊。

  • OLとアイドル、息子と母親、女子高生の親友、婚約者…
    さまざまな人の関わりの中で、死者と生者が出会える唯一の機会を提供する使者。
    最後には使者自身の思いで葛藤を描いている。
    誰に会いたくなるか考えさせられる一冊。

  • 生きている者にとって死者はどのような存在なのか。それぞれのストーリーが心に染み入る。

  • 業のようなものだろうか。各短編にはそっと伏線をしのばせ、解決編で真相を明らかにする。根っからのミステリ作家なのだと思いました。
    手法はミステリでも、物語はむしろ人間を書こうとしている。
    辻村深月は特殊な作家なのだなと、色んなクラスタの読者に愛される作家なのだなと強く感じた作品でした。

  • 一生のうちで一度だけ死者と再会することができるという。その再会を叶える役目をもつ使者 -ツナグ-。
    ツナグが仲介した生者と死者との再会をめぐる連作長編小説。
    最終章になって、ツナグである男子高校生・歩美がメインとなり彼の生い立ち、ツナグとなる経緯、謎が明らかになっていく。
    既出の人物たちの再会のエピソードがツナグ目線で語られることによってまた違った見方ができる。
    最後まで読むと面白かったけど、前半に出てくる人の中にはちょっと嫌なやつがいたりして、共感できない。歩美の章は良かった。
    死生観はまだ身近なところでは実感を伴わず、自分だったら誰に会いたいだろうと考えてしまったけど、今はまだとっておきたいかな。

  • 辻村深月の代表作ですが、今まで読んだことがありませんでした。『スロウハイツの神様』もそうでしたが、何人かの登場人物それぞれのエピソードを多角的に捉えて描く作品です。

    少しミステリの要素があったり、暗い読後感のエピソードがあったりと、いい意味で期待を裏切ってくれる部分もありましたが、「感動連作小説」といわれると、そこまででもないような気もしてしまいます。
    個別のエピソードとして「長男の心得」は好きでしたが、他の話については想定の範囲内だったり、違和感を覚えたりと、作品全体を通しての印象としては、ちょっと醒めてしまった部分もありました。

    ただ、作中で使者(ツナグ)が気付いた、
    「(死者に会いたいという生者の希望と、実際に死者と会って生者が感じた「人生の意義」のようなものとは)誰かの死を消費することと同義な、生者の自己欺瞞かもしれない。だけど、死者の目線に晒されることは、誰にだって本当は必要とされているのかもしれない。どこにいても何をしてもお天道様が見てると感じ、それが時として人の行動を決めるのと同じ。見たことのない神様を信じるよりも切実に、具体的な誰かの姿を身近に置く。あの人ならどうしただろうと、彼らから叱られることさえ望みながら、日々を続ける」
    ことができるように、つとめる「使者(ツナグ)」の存在意義、という部分については、残された人々にはとても大切なことだと感じました。

  • 2019.08.01読了

     死者と生きている者を1回だけ会わせることができる、その仲介役が「使者」。死者も生きている者も、1回だけ、しかも一人だけしか会えない。

     1つめは、死んでしまったアイドルに、ファンである平瀬愛美が会う話。2つめは、少し気むずかしい男性、畠田が死んだ母親と会う話。3つめ、演劇部の嵐が、同じ演劇部で死んでしまった御園と再会する話。4つめは、突然7年前に消息を絶った婚約者キラリと会う男性の話。

     もしも死者と会う権利が1回あると言われたら、いったい誰を選ぶだろう、と自分を重ね合わせながらよんでしまう。
    一番印象に残ったのはエピソード3。嵐は御園の親友であるが、嫉妬していた。主役を御園に取られた嵐は、冬の寒い朝、御園が自転車通学をする道に水をまいて帰った(水が出ていれば、朝になると凍る)。予想通り、次の朝御園は車にひかれて死んだ。
     しかし、呼び出された御園はあくまで明るい。また、道は実際には凍って居なかったことを死者である歩美に伝言していなくなる。このエピソードにはどんでん返しがあって、驚いた。

     他に、エピソード4も。婚約者キラリは、実は別の名前。人生に希望が見いだせず、上京したところを依頼者の男性に救われた。婚約者が突然失踪したら色々と考えてしまうと思うが、使者から会わせるという連絡が来て男性は戸惑い(死者としか会えない。キラリは死んでいたということだから)を覚える。キラリは本当に船の事故でなくなっていた。キラリは結婚を申し込まれたことを本当に喜んでいて、使者を通して会えた二人は本当の事を話すことができた。

     なお、エピソード5もある。これは使者である歩美自身のエピソード。使者の力をおばあちゃんから引き継ぐ約束をしたが、使者の力を持つ者自身は死者とは会えない。昔突然、父と母を同時になくした歩美は、どちらと会うかを考えていたが、どちらと会うまでもなく真実を知らされる。使者が死者を呼び出すために使う鏡は、手順を踏まずに他の人に見せてしまうと、見た者、使者の両方が死んでしまうのだ。母は、使者であった父の鏡を意図せずのぞいてしまったのだった。

     結構複雑な裏が隠されていたし、死という重要なテーマを扱った小説。色々と考えさせられた。

    • hiromakiさん
      10月末にツナグ2が出るらしいです
      10月末にツナグ2が出るらしいです
      2019/08/23
    • laza_quatsさん
      hiromakiさん。知らせていただいてありがとうございます。それは読みたいですね。主人公の少年の話か、はたまた、別のエピソードか、楽しみで...
      hiromakiさん。知らせていただいてありがとうございます。それは読みたいですね。主人公の少年の話か、はたまた、別のエピソードか、楽しみです。
      2019/08/24
  • 死んだ親友に会う女子高生の話に泣いてしまいました。
    せっかくツナグを通して会えたのに、本音で話せる合うことが出来ず、そのことに後悔して泣くシーンが印象的でした。

  • 映画を先にみて、印象に強く残っていたので本で読みました。ミステリーというか物語の構成がうまく、余すところなくすべて物語がつながっている力量がすばらしいと思いました。
    死んでいる人を生きている人が心のうちに生かし、あの人がもし生きていたらどう言っただろうと問う、というメッセージが良かったです。

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著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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