電車道 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2017年10月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784101390321

作品紹介・あらすじ

ある男は家族を捨て洞窟に棲み着き、やがて小さな塾を始める。またある男は選挙に落選し、雑木林を飛ぶムササビの幻影と恋の傷を抱えたまま、電鉄会社を興す。ふたつの破格の人生が交錯する高台の町を、大震災、敗戦、高度成長と、電車は何代もの人生を乗せて絶え間なく通い、町と世界を変容させる。東京近郊の私鉄沿線の百年の変転に、この国と私たちの人生の姿が立ち現れる魅惑の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 日本近代100年を鉄道とそれに関わった人々の営みの姿を通して描いた物語。名すら明かされない匿名の人々の人生は魅惑的だが、街や世界の変容が人の愚昧さとその反復に対する「怒り」によって生み出されたところに救いのなさを感じた。

  • 文庫本が発売されたのを機に、再読。
    本書を読むことで生じる快楽とは何なのか。それを少しでも言葉にするために読んでいる。本作は謎めいているだけで、いわゆる「謎」の追求はない。なのにどうしてこうも読み「やめられないのか」。それはひとえに、作者がもはや、本作の奴隷に成り下がっているから。そうなることで、本作は、読者の共有財産になっている。作者が本作を責任を持って書ききると同様に、読者は本作を責任を持って読みきらねばならないのだ。そんな小説、見たことがない。

  • 段落少ない、一文長い、固有名詞出さない、かなりクセのある文体でハマるまではちょっとかかったけど、ハマったら思いの外スルスル読めるし、失礼ながらそこまで思ってたよりオモロい。

  • 虚実皮膜

  • 小田急線?をめぐる年代記。細切れのエピソードのパッチワークを楽しめた。

  • ガルシアマルケスまがいの文体は、よっぽどセンスのよい著者でない限り、避けるのが無難だろう。この人はセンスがそこまでよくないので、やめておいた方がよい。結構しんどかった。
    100年くらいに渡る年代記みたいな体裁のお話はすごく好きなので、楽しく読めた。特に、ニュータウンが出来ていくあたりが好き。自分はロードサイトとかで一時期社会学界隈で話題になったようなド郊外の生まれ育ちなので、ニュータウン的な街の寒々しさには親近感を覚えるのだ。
    女優の息子が電車で恋に落ちる話も好きだった。ああいう風に始まる恋って実際あるからねー。ないような気がするけど、ごく稀にあるんだよ。

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著者プロフィール

1965年生まれ。商社勤務の傍ら40歳を前に小説を書き始め、2007年に「肝心の子供」で第44回文藝賞受賞。2008年の「眼と太陽」(第139回芥川賞候補)、「世紀の発見」などを経て、2009年、「終の住処」で第141回芥川賞受賞。その他の著書に『赤の他人の瓜二つ』(講談社)がある。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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