プライド (新潮文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101390512

作品紹介・あらすじ

確信犯的に期限切れ食材を使った菓子職人の胸中に迫る表題作、変人官僚が事業仕分け人と対決する「一俵の重み」。逆境を支えるのがプライドなら、人を狂わせるのもまたプライド。現代を生き抜くために、絶対に譲れないものは何か。社会問題の深層に潜む、現場の人々の一筋縄ではいかない思いに光を当て、深層心理まで描きこんだ極上フィクション六編と掌編「歴史的瞬間」を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    真山仁の短編集。
    読みやすかったけども、やはり短編集なので少し内容が薄かった気がする・・・
    初っ端の米野は特にキャラが立っていて、物語も非常に面白かったので、もう少し長くても良かったかなーと思った。

    でもやはり、真山仁は長編モノでこそ生きるねぇ


    【あらすじ】
    確信犯的に期限切れ食材を使った菓子職人の胸中に迫る表題作、変人官僚が事業仕分け人と対決する「一俵の重み」。
    逆境を支えるのがプライドなら、人を狂わせるのもまたプライド。
    現代を生き抜くために、絶対に譲れないものは何か。
    社会問題の深層に潜む、現場の人々の一筋縄ではいかない思いに光を当て、深層心理まで描きこんだ極上フィクション六編と掌編「歴史的瞬間」を収録。



    【引用】
    p33
    政治って何なんでしょうか?
    権力者が、己が力をひけらかす場だ。


    p41
    恫喝することこそ、威厳の証だと大臣は思っているようだ。
    だが不思議なもので、声高に喚き散らす者ほど、組織での存在は軽くなる。
    むしろ米野のように柳のようにしなやかに相手の怒りや非難をかわす知恵者に尊敬が集まるのだ。


    p63
    官僚とは、土だ。
    土はすべての実りの礎だが、土が痩せてたり腐ってしまえば、まともな作物などできはしない。
    どれだけ素晴らしいたねでも、土がダメなら実りの季節はこない。


    p301
    スポーツ観戦でいつも感じるのだが、どれだけ技量や力があっても、勝敗を決するのはメンタル部分にある。
    どれほど追い詰められても、絶対にピンチを切り抜けるという一念が、本人の能力以上のパフォーマンスを引き出すことがある。
    反対に、自身の能力を過信すると、必ず手痛いしっぺ返しを食らう。
    その境界線は非常に曖昧で、時々刻々と変化する。

  • 「ハゲタカ」シリーズが代表の真山仁の、主に農業と食をテーマにした短編集。現代日本が抱える問題(解説者はタブーという)に迫り、読後あなたはどうなんだと問いかけられる。『暴言大臣』で大臣に語らせている。「誤解を招くのは承知で言うがね。この国を滅ぼす最大の元凶は、団塊の世代だよ。奴らは、ずっと勘違いしている。自分たちだけが、日本の高度経済成長を支えてきた、日本で唯一市民運動に立ち上がった世代、そして、元気な年寄りとして日本社会を支えていると思い上がっている。私に言わせれば、厚顔無恥もいいところだ」団塊世代の尻尾に属する身としては、耳に痛い。真山氏の本音も少し入っているか。最近の新聞の論調にも、世代論がしばしば掲載され、年金持ち逃げ世代だとか、平成不況は団塊世代が招いた、などなどかまびすしい。しかし、世代論ですべてが語られるほど現在の状況は、簡単ではないと思うが。

  • 事業仕分け問題、医療ミス事件、食品偽装事件など、
    ここ最近の間に紙面をにぎわせた、日本の社会問題を背景に、
    真山仁の独特の視点で切り込んでいった短編集です。

    各短編(全6話)の最後には、
    予想もしていなかった落ちがあり、それがまた面白い。


    「正義」とは何か、そして「プライド」とは何か、
    私は、あらためて考えさせられました。

  • 社会のことを考えさせられるが、全体的にオチが弱い

  • 「一俵の重み」のような、いい意味での「プライド」を主題にした短編集ばかりかと思ったらそういう訳でもなかった。とはいえ、タイトルにもなっている「プライド」を始め、全体的に面白かった。
    「暴言大臣」やショートショート的な「歴史的瞬間」など、ブラックな話もなかなか秀逸。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/743368

  • 考えさせられました。
    面白かったです。

  • プライド、矜持をテーマにした短編集。
    特に暴言大臣の結末に驚かされた。
    短編だが、1話1話考えさせられる内容で読み応えがあった。

  • まあ、ちょっと難しい作品であった。

  • 起承転結ではなく、日常をただ切り取ったのでもなく、人間のプライドの部分をさらりと描き出してる印象。初めて読むタイプの小説で、これをおもしろいと感じたことに大人になったなと思った

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著者プロフィール

1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収の壮絶な舞台裏を描いた『ハゲタカ』でデビュー。映像化された「ハゲタカ」シリーズをはじめ、 『売国』『雨に泣いてる』『コラプティオ』「当確師」シリーズ『標的』『シンドローム』『トリガー』『神域』『ロッキード』『墜落』『タングル』など話題作を発表し続けている。

「2023年 『それでも、陽は昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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