晴天の迷いクジラ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 124
  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101391427

感想・レビュー・書評

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  • デザイン会社に勤めるデザイナー、その会社の女社長、そして潔癖な家庭で過ごす女子中学生。三者それぞれが心に痛みを抱え日々を過ごしている。やがて限界に達した三者は導かれるように動き出す。ただ生きることを痛いほど深く考えさせられる。

  • 女性の作家さんの作品てあんまし肌に合うものがないから普段何となく避けているんだけど、この作家さんは前作の「ふがいない僕は〜」がズドンと響いたので手に取ってみた。私の中では湊かなえと桜庭一樹の中間的な立ち位置で、描かれている世界観はやっぱりもの凄く好みでした。

    最初の3章で登場人物それぞれのキャラクターをじっとり(って形容詞がすごい的確な気がする)描いて、最終章では3人それぞれが欠けてる部分を不格好に補い合いながら、自分をほんのちょっとだけ取り戻していく。絶望的な世界の中のふんわりとした幸せが、何とも言えない余韻を残してくれます。

  • 2016.2.4読了

  • 由人は母親から愛されていた実感のない子供、野乃花は子供を捨てた母親、正子は母親の過干渉を受けている子供、三者三様の過去があり、悩みがあって、人生の迷宮に入り込んだようで、特に自分と同じ性別である野乃花と正子に関しては息苦しさを感じた。
    死にたくなった3人が浅瀬に迷い込んだクジラを見に行き、それぞれ心の整理をつけ、最後には明るい兆しが見えて読み終わった後は心底ほっとした。
    3人を家に泊めてくれたおばあちゃんが実にいい味を出していた。

  • □ソラナックスルボックス

    ちょうど、私も仕事で思い悩み働きすぎて壊れてしまっていた時に読んでいたので、感情移入しすぎてしまった作品。苦悩の描写がとてもリアルだった。

    由人、野乃花、正子、3人がそろった最終章は、ロードムービー風。
    打ち上げられた瀕死のマッコウクジラを見に南の町で過しているうちに
    絶望から前向きに又生きようとするところで終わった。

    由人の「僕は死なない。たぶん。」というフレーズ
    おそらくまた死にたくなるけど、生きたいけど、死にたくなる。
    どうしようもない気持にさせられた。

  • 死ぬな。
    生きているって素晴らしいから。

  • 胸のあたりを大砲で吹き飛ばされたような喪失感
    彼の絵に決定的に足りないもの。それは、貧しさや、病や、孤独のなかに深く埋もれながら、それでも自分の描く絵のなかに微かな光をつかみとろうとしたひたむきさ、のようなもの、なのかもしれなかった。
    死ぬなよ。絶対に死ぬな。生きてるだけでいいんだ。ただそれだけ、言えばよかったんだ。
    真実の絶望を描くことなしに真実の希望を見出すことができないのは自明

  • 心震える物語だった。
    おばあちゃんの言葉が身にしみた。
    明日への一歩を踏み出していく勇気を与えてくれるお話。

  • クジラを見に行こう。

  • 由人、野及花、正美、死へと向かっていた3人が湾に迷い込んだクジラを観に行くという話を窪さんがどう描くのか、読む前から期待大。 一人一人の背景が丁寧に描かれていてそれぞれの辛さや苦しみがひしひしと伝わる。そして3人が交わりクジラを観る最後の章では、3人共が少しずつ生へと向かっていくその変化がとても自然で 無理に頑張って立ち上がることなんてない、と気付かされる。ラスト、由人がフラれた彼女に貰ったキーホルダーを叫びながら投げる場面で一気に力が抜けて未来は明るいだろうと想像。

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著者プロフィール

窪美澄(くぼ・みすみ)
1965年東京都稲城市生まれ。カリタス女子高等学校卒業。短大中退後、広告制作会社勤務を経て、出産後フリーランスの編集ライターとして働く。2009年「ミクマリ」で第8回R-18文学賞大賞を受賞し小説家デビュー。2011年、受賞作収録の『ふがいない僕は空を見た』(新潮社)で第24回山本周五郎賞受賞、第8回本屋大賞第2位。同作はタナダユキ監督により映画化され、第37回トロント国際映画祭に出品。2012年、『晴天の迷いクジラ』で第3回山田風太郎賞受賞。2018年『じっと手を見る』で直木賞初のノミネート。2019年『トリニティ』で第161回直木賞、二度目のノミネート。

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