そして二人だけになった (新潮文庫)

  • 新潮社 (2002年11月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (560ページ) / ISBN・EAN: 9784101394312

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

閉じ込められた巨大シェルターで繰り広げられる連続殺人事件を描いたこの作品は、緊張感に満ちたミステリでありながら、深い精神的なテーマも内包しています。登場人物たちが一人ずつ命を落としていく中で、疑心暗鬼...

感想・レビュー・書評

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  • ノンシリーズものは久しぶり。
    地下に埋まってる巨大シェルターに閉じ込められた6人。そこで起きる連続殺人。

    スケールデカい濃密な超大作
    密室と暗闇の緊張感が伝わってくる
    そして予想は何度も裏切られる
    もう一度読まないと理解しきれないやつ_φ(・_・

    タイトルも秀逸

  • アガサクリスティの誰もいなくなったをベースにしていると思い読み始めたが、全く違う結末にしまったと思いました。
    作者の森さんが一枚上手でしたね。殺害方法などのトリックもそうかと納得しました。
    久しぶりの森作品を堪能しました。
    ラストはちょっとでしたが。


    とてつもなく大きな橋を支える巨大コンクリートの塊の中に、国家機密とされるシェルタがあった。現代の最高技術で造られたこの密室に滞在することになった六人が、一人ずつ、殺される。痺れるような緊張感の中、最後に残った二人。そして世界が反転する――。謎、恐怖、驚愕。すべてが圧倒的な傑作長編ミステリィ。

  • 再々々読くらいです。
    でも、読むたびに驚きがある。
    (私が長期記憶を保持していないからかもだけど)

    森博嗣作品の中でも、かなり好きな一作。

    A海峡大橋に秘密裡に作られたバブル。
    そこに集まった6人の人々。

    しかし二人は偽物。
    本人の振りをしているだけ。

    そこで起こる殺人事件。
    一人・・・また一人・・・殺されていく。

    疑心暗鬼。
    渦巻く謎。

    これは・・・そんなミステリでありながら、
    なんだかとても美しさも感じる話なんです。

    森博嗣作品は多くがそうなんですが。

    張りつめられた精神の、
    社会に併合するため、深く深く沈み隠された「核」の精神の美しさ。
    そういうものを感じさせられます。

    再読してみて、
    ああ、この部分、こういう精神が、
    「彼は実は〇〇であった」
    という部分に通ずるものがあると感じました。

    そんな僅かな諦めのせいで、僕はとても気楽になった。立派な仕事をする自分、社会との関わりに生き甲斐を見つける自分。そんな幻想から、逃れることができたのだから。僕は、以前よりもずっと陽気に振舞えるようになっていた。毎日が、わりと楽しかった。ただ、もちろんそれは、外面的なことに限られる。僕の本質が変化したわけではない。おそらく、深海魚みたいに、光の届かないところまで潜ってしまっただけのことで、どこかで、ひっそりと、僕の幻想はまだ生きていたかもしれない。

    そう、きっとその精神は生きていた。
    光の届かないところで、夢を見ていた。
    それが、発現した。

    そんな一作。

  • 森博嗣作品にしては異質?になるのか、アガサ・クリスティ作品をオマージュして描かれたそうですが、個人的には後味の悪い印象の作品でした。登場人物に感情移入出来ないというか、共感出来ない。面白いんですけどね。

  • 両人、そっくりの兄妹って設定だったから入れ替わり系かなとか、視点がよく変わるから何かあるのかなと思っていたら全部妄想って。
    アシスタントはいなかったってことかな?
    ロンドン橋の歌詞初めて知ったかも。
    森氏がよく使ってくる多重人格パターンでした。

  • はっきり言って、☆は何個でも妥当とは言えない。
    本当は評価しない、が正答だろうけど、一応3個くらいの感覚の方が近いので。


    以下壮絶なネタバレ。笑





    最後にどんでん返しがあり、実はシェルタのようになっているアンカレイジは二つあり、同じシェルタ内にいたように思えた二人は別々の所にいた。
    という説明がある。
    しかし、さらにどんでん返しがあり、実は本物の勅使河原も、影武者である勅使河原の弟も、偽物の森島有佳も、その姉も一人の人間つまり同一人物で、多重人格者だったということがわかる。
    つまり、事件は二つのアンカレイジで同時進行的に行われたのではなく、単に一つのアンカレイジ内で起こった連続殺人で、すべては勅使河原の妄言だったということになる。

    しかし、最後のエピローグでは偽物の勅使河原が、兄の勅使河原と森島有佳を(つまり本物の二人を)射殺する描写がある。

    これはどういうことだろう。
    解釈的には、これも勅使河原の精神世界と捉えるのが妥当だが、どうなのだろう。

    僕的にはこの構造はとても好きだ。
    森作品で一番。かもしれない。でも、ひっかかる。


    この作品は第三者の手記という形になっている。
    勅使河原の驚異的な記憶力によって復元された現実のようなものである。
    つまり、そこにおこったことが事実だとするとおかしなことがある。
    勅使河原と森島有佳は同一人物なのだから、実際アンカレイジに入ったのは六人ではなく五人。当然森島有佳を認識出来るのは勅使河原のみで、あとの四人は認識出来ないはずである。
    にも関わらず、作中四人は当たり前のように認識出来ていた。
    これも勅使河原の都合の良いように歪められた現実なのだろうか。

    だとしたら、すこしアンフェアというか、惜しくはないか。

    もし、再読時に四人が森島有佳を認識出来ていないようなことが分かるようなものだったとしたら、
    このミステリィは最高の叙述トリックミステリィに成り得たのではないだろうか。
    そういう気がしてならない。いや、あくまで気がするだけだが。

    でも、この話も勅使河原が本当に多重人格者だった場合だけである。


    プロローグとエピローグは第三者の手記ではない、という考えだと、いろいろな考え方が出てくる。
    すなわち、本当は多重人格者ではなく、二つのアンカレイジで事件が起こっていたということだ。

    どこかの書評でこれは、リドルストーリィ的見方を出来ないのが残念だ。
    と書かれていたが、どう読んでもこれはリドルストーリィではないだろうか?


    僕にはこれは、単なる(叙述トリックの時点で単なるはおかしいのだが……)叙述トリックに
    出来たのにしなかったのではないか、とこれを書いているうちに思った。
    つまり、作者の狙いは何が現実で、何が虚構か、幻想かそういったものを曖昧にさせる。曖昧に思わせ、謎を読者に残す。
    つまり今の僕はまんまとトリックに引っかかっているわけである。

    そしてもう一つの可能性を思いついた。

    ただ単に壊したかった。
    壊すために造った。勅使河原のように。


    真相はどちらなのだろう。
    もしくはどちらでもないのか。


    久々に長文を打った。笑
    読んで分かると思いますがこのような、推敲もしていない勢いでバーーっと書いた文なので、
    読みにくいかもしれませんがあしからず。

  • 森博嗣初読。
    物語は、天才科学者とソックリな弟が入れ替わり、また、科学者のアシスタントとそのソックリな妹が入れ替わり、偽物同士とその他4人、合計6人で外部からは完全に密閉されたバルブに閉じこもり、その密室の中で次々と殺人が起こる。果たして誰が殺したのか。
    本書は事件のトリックよりも、さらにそれを覆すくらいのトリックがあり、読み終わった後も、正直自分の見解が正しいのか、それとも全く別の顔を持った物語だったのか、イマイチ自信が持てずにいる。
    それにしても、読んでる間は夢中になり、次が気になって仕方がなかった。このモヤのかかったような読後でなければ、☆5になったのは間違いない。

  • トリック?と呼んで良いものか、物語の鍵となる部分だけはかろうじて覚えていたものの、細部にいたってはほとんど忘れていたのが現状、という2度目の読書。

    ここにいたるまでにすでに15冊の本を書いていたということと、まだデビューから3年ほどしか経っていないということ、そしてこれが90年代に書かれたにもかかわらずその内容がとても前衛的(というか未来を予見したものというべきか)だったことに、軽い目眩を覚えました。

    最近の森博嗣作品を読んでいると、やけにスケールがでかいというか、妙に派手なロケーションではありますが、なるほど、そういうことのためかと最後は納得いかせるあたりがさすがです。

    ネタバレをせずにどうやってレビューを書けば良いのか悩みますが、衝撃のどんでん返しがやってきます。そこから読み進めていくと、頭の中は必ず、これまで読んできた箇所に意識が飛んでいくはずです。

    あれ?え、じゃああそこは、どういうこと?
    え?じゃあ、あれは、読んだままじゃなかったっていうこと?
    え?え?どういうこと?じゃあ、あれは?どうなってたの?え?もしかして、あれも?

    それを確かめるためには、たぶん、読み終えたすぐ後にまた初めから読まないといけないのだとは思うのですが、なにせラストが秀逸すぎて魂の抜けた殻のような状態になってしまうため、しばらく無気力状態に。
    読んだ後にどれだけ残り香を残せるかが、名作の分かれ道だと思うのですが、これは名作ルートをまっしぐらです。

    そして蛇足ではありますが、森博嗣初心者の方々は、これを読んだ後に水柿助教授シリーズをお読みになられると、森博嗣という方の振り幅の広さを体感なさると楽しいかと思います。
    そういえば、昔、森氏のブログか新書のどちらかで「森先生は二重人格なのですか?」との質問に対し、森氏は「失礼な。そんなに森は単純ではありません」とお答えされていて、しびれました。

  • 物語自体の好き嫌いというよりも、私にとって非常に印象的な言葉が書かれていたがために手放すことができない1冊

  • 頭のリソースが多すぎて、1人じゃ寂しかったのかしら。4人を住まわせるために辻褄合わせで周囲の情報を構築し直したものを頭の中に展開しているのかも。

  • 密室と暗闇と正体不明の第三者からの襲撃。
    緊張感が半端ない。
    バルブを出てからが本番。

  • 結末が衝撃的すぎて、頭がこんがらがっています。結局勅使河原兄弟と森島姉妹は1人だったという解釈で合ってるんでしょうか…?

  • 森博嗣『そして二人だけになったそして二人だけになった ― Until Death Do Us Part』読了。

    海峡大橋を支える巨大なコンクリート塊内部に造られた「バルブ」と呼ばれる閉鎖空間に6名の男女が閉じ込められる。密室と化した「バルブ」内で次々と起こる殺人の結末は・・・・・・。という王道の本格ミステリの体で物語は進行していくが、段々と状況は奇妙に歪んでいく。読ませる展開とミステリとしての完成度は見事、しかし魅力的なのはこの物語の真相についてだろう。客観的な事実とはなんなのか、相対性理論が引用されるこの物語はそれ自体がそういった見方を試されている。

    舞台や設定の面白さは素晴らしい。トリックについても絶妙。違和感を感じさせる展開や会話は謎を呼び、常に先が気になるようになっている。だが問題は賛否両論ある結末についてか。深く語ることはできないが、解釈が何通りもある物語は多々あるが、解釈が片っ端から瓦解する物語はそうそうない。それが成立する筆力はおそらく無二のものだろう。

  • 大橋に極秘裏に造られたシェルターの運用試験として集まった6人が、次々と殺されていく。

    ページを半分くらい残して、二人だけになってしまい、一体誰が犯人なのか!?とモヤモヤ…

    結果、斜め上か下の、単なる頭おかしい奴オチ。トリック解こうと頑張ってしまったじゃないか…

    けど、なんだか面白かった。

  • 久しぶりに再読。こんな内容だったっけ?となりながらも読完。オチはやっぱり森ワールド炸裂。森博嗣だな…と思える展開です。いわゆるミステリーとかサスペンスではあり得なくて、時々海外の映画ではあるかな?てオチですね。
    森博嗣読みすぎて、あぁなるほどこのパターンねと思うけど、全体通して考えると私はあんまり意味わからないまま読み続けてるなて改めて思った。

  • 難解で、もやもやしたまま読了。
    そして藤田さんの解説で全てを理解出来なくてもいいのかと結論に至った。

    完成な密室での殺人事件。
    最終的に生き残りは二人だけ。
    中盤でその状態になり後半はどのように展開するのかとおもったら、
    今までの思い込みを二転三転するような話が次々とでてきて、手が止まらなかった。

  • まずは構成にびっくり。いきなり日記風ですか?

    密かに作られたシェルターに閉じ込められてしまった、
    そのシェルター製作に関わった数名の人たち。

    ワケもわからず一人二人と死者が増えていく様が
    日記風に語られていくのも、最後まで読んで納得。
    (途中にも、それとなく伏線アリ)

    自分が想像していた犯人あるいは結末とは違い、
    いい意味で裏切られるでしょう。

  • ミステリーなのですが、舞台となる密室の設定はとても面白いと思うのですが、どうもその設定を作者自身が生かしきれずに結局適当に終わらせたような感じのとっても投げやりな終わり方です。残念。

  • 海峡大橋を支える構造物の内部に秘密裏に構築された生活空間<バルブ>、密室となったその内部で起こる連続殺人事件……。<バルブ>建造の主導者のひとりである盲目の天才科学者の影武者をつとめる弟と、その秘書にすりかわった双子の妹っていう設定が巧妙。このふたりが交互に一人称で語るという形式なんだけど……。
    緊迫感のある展開。何しろ登場人物はこの密室に閉じ込められたごく少数なのであるから、ひとり死ぬごとに犯人の可能性もしぼられてくるわけですよね。でもって題名が『そして二人だけになった』。まったくもって巧妙。
    この物語の感想?そうですね。この世には真実など存在しない。あるのはただ事実の羅列のみである。何を選び取るかでその人間にとっての真実は変化する。したがって、真実とやらが重要であるとことさらに声を高めるのは愚かな行為に他ならない、かな?
    ここからは蛇足だけれど、だいたい、だれにとっても正しいこと、なんてものはありえないんだから、世の中は単純にはいかない。でも裏返して言えばそれは自分の信じるところを信じてもよいといことだとも思うのだけれど。他の人とちがっているから間違っているかもしれない、なんていうのはほとんど愚の骨頂ですよね。他の人はどうだか知らないけど自分は正しい、ってぼくがいつも言うのはそういう意味なのですよ。

  • 第97回ビブリオバトルinいこま テーマ「はし」で紹介した本です。
    チャンプ本。
    2022.11.13

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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