女王の百年密室 GOD SAVE THE QUEEN (新潮文庫)

  • 新潮社 (2004年1月28日発売)
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本 ・本 (592ページ) / ISBN・EAN: 9784101394329

感想・レビュー・書評

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  • 百年シリーズ
    面白かったし2週間読むのに掛かってしまった
    久しぶりの⭐︎5の傑作でした

    サエバ・ミチル
    ロイディ
    の物語。ルナティックシティ。
    これはwシリーズ読む前に読んでおいた方が良かった

    はい。ナクチュの遺跡がそのまんま。

    なかなかの情報量のため整理しながら。

    ルナティックシティは塀に囲まれた数百人の街。
    外界とはとざれている。そして、来訪者もいない。
    ルナティックシティの女王はデボウ・スホ
    街の外にいる日本から来た人マノ・キョウヤ。

    サエバ・ミチルは日本でマノ・キョウヤに殺された(所謂殺人鬼ですね)
    とはいえ、読んでいくと何か違和感が。
    最後にこれらが繋がるのだが。

    サエバ・ミチルは男性
    恋人のクジ・アキラは女性
    マノ・キョウヤに殺されたサエバ・ミチルだが、脳は生きてる。アキラの体も生きてる。

    新サエバ・ミチルの誕生。
    (体はクジ・アキラ、旧ミチルの脳はロイディへ。※通信で行き来できるので問題ない。これが凄くいいし、なるほどと思った。なので撃たれても最後死ななかったのはそういうことですね、修復可能と。)ここはwシリーズを7話ぐらいまで読んでしまっていたので、そうなるよなと。

    wシリーズ行く前読んでる方が楽しめそう。。反省です。。

    女王の密室で起こった殺人事件
    目にすれば失い、口にすれば果てる
    の言い伝えを守り、誰も真相を話してくれない状況
    ここはS&MやVシリーズ要素もありつつ
    メインはやはり
    「生きているとはどういうことか?」
    「死んでいるとはどういうことか?」
    この1行、2行に尽きるんですよね

    ミチルにとっての死は偶然と運命によって再生(再現)された命への通過点であること

    女王らにとっての死はまた訪れる生への通過点でしかないと信じられ(そこまでの理解)ている

    マノにとっての死は生命の終わりであること

    この思想が絡み合いながらの事件となるので
    複雑になりますよね、そして各主張が凄く良い。。


    なぜかテンション上がって
    wwシリーズも8つ購入で、wシリーズに戻るか次何にするか考え中

    森博嗣作品でS&MもVもXもGも面白いが
    Wシリーズが1番私の相性はいいのかもしれない
    (読み続ける度に好みがかわる。。。)

  • 森博嗣百年シリーズ第1作

    以前に読んだときは、これがシリーズものだとは知らなかったが、最近GシリーズやXシリーズを読んでいて、また過去の作品が読みたくなり再読して登録してみた。
    物語の舞台が現代ではないので、なんというかミステリーとSFファンタジーが混在した、独特の魅力的な作品になっている。
    最初はSF小説風で、あまりミステリーとは感じなかったが、それでもミステリーに良くある「密室殺人」みたいな形式は踏襲しているような...。この作品では、トリックではなくてそういうやり方になるのかと納得。

    最初に読んだ頃は、S&MシリーズやVシリーズとはまた別の作品だと思っていたが、森作品の世界がこんな壮大なものになってくるとは...。そういえば、主人公サエバミチルの名前にも、最初は気にもとめなかったな。

  • 他の森作品とも絡む登場人物が出てくる物語。
    その名前は出ないけれど「真賀田四季」に関係した人物の作品を全部読みたいと思いこちらを読んだ。
    S&M シリーズは全作既読。

    ウォーカロンの名称も出てきたのには驚いた。
    WシリーズとWWシリーズも全作既読で、とても好きなシリーズなので。

    サエバミチルとクジアキラ

    ふたりの幸せだった日々の物語もどこかで読めるのかな?
    今作も好きでしたが、少しネガティヴな方向性だったので。

    とりあえずシリーズ読み進めます。

  • 森博嗣読み返し中。この話、結構好きで、割とちゃんと覚えていた。でも続きは全く覚えていないので、読み返しが楽しみ。目にすれば失い、口にすれば果てる。

  • ある未来のお話。SFとミステリが上手く融合して、今までの森ミステリの味もありつつ、新鮮味も感じられた。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/


  • 百年シリーズ第1弾。2113年の世界。サエバミチルとウォーカロンのロイディが道に迷ってたどりついたルナティックシティでの話。数百人の集落、女王デボウスホ、不死と永い眠り・冷凍技術。ジュラ王子の殺害。クジアキラの脳とミチルの体を奪った殺人鬼マノキョーヤとの遭遇。外で暮らす老人マイカジュクはジュラ王子の父親でマノに殺させた。ミチルが来たのも彼の差し金。マノの恋人フォトラに襲われるミチルだが何とか助かる。冷凍技術やAI、ウォーカロンなどが発展した未来の話、デボウの話など面白い。自由意志などを突き詰めていくと差がなくなっていき、機械と人間の差は自身の主観なのかもしれない。

    冷凍技術で死なないようになると、死刑への抑止力がより高まる。現代でもクライオニシスト冷凍保存主義者なる人々がいるらしい。その1つにアリゾナにあるアルコ―延命協会に解説者の森山和道が95年に訪問。液体窒素タンクに、体や頭部を保存。頭部だけなのは費用の問題。頭部が最も大事。遺体を保存しているのではなく患者という認識らしい。いつかは優れた技術によって修復可能になるという考え。検索すると2020年現在でもあるらしく全身1体あたり20万ドル。

  • 再読。百年シリーズ一作目。今思えばこの時にもウォーカロンという名称は出ていたんだなぁと再認識。Wシリーズを読んでいる今ならだいぶ繋がりを感じられて面白い。確かに復讐は復讐を呼ぶけれど私はミチルのした行為が間違っていたとは思えないんだよなぁ。

  • 西暦2113年、取材旅行中に道に迷ったミチルとロイディが、周囲を高い塀で隔離された未知の都市ルナティック・シティにたどり着き、そこでの体験が語られる話。
    女王デボウ・スホが支配し、争いや妬みがなく、平和で、犯罪も罰もなく、人が死なない楽園ルナティック・シティ。
    ミチルにとっての因縁の敵マノ・キョーヤがここに居ることがわかり、やがて、王子の密室殺人事件が起こる。人が殺されることがないはずの楽園で起きた殺人。誰が、なぜ、どうやって王子を殺したのか。ミチルは謎を解明しようとするが、女王をはじめとする楽園の人々はなぜか、関心を示さない。他にも、女王が年齢よりもはるかに若く見える謎、マノやミチルがやってくることが神によって予告されていたという女王の言葉の謎など、ミチルは不思議な体験をする。さらに、この楽園を誰が、どういう目的で作ったのかという大きな謎が立ちはだかる。西暦2113年ということで、現在ではまだ実現されていない技術がいくつか使われており、それが謎の解明にも活かされている。
    楽園の住民とミチルとの間での死生観や罪に関する意識の違いが印象的であり、とりわけ、復讐に関する女王とミチルの間の議論が興味深い。
    楽園の誕生に関する謎の真相は、よく考えられていると感じた。
    王子の殺人事件では、犯人がどこから侵入したのかという謎の真相はたいしたことはないが、なぜそんなことをしたのかという動機、その背景にある新技術がもたらした悲劇が実に痛烈である。
    また、最後に明らかとなる主人公に関する二重三重の秘密も面白い。

  • あぁ、なんて上手いんだ。騙された。綿密に織り上げられた世界に。物語の中心にい続け、その存在に何の疑問も持たされていない主人公が最後に化ける。そしてその設定に何の違和感も感じないほど完璧なリアリティが出来上がっている。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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