親不孝長屋: 人情時代小説傑作選 (新潮文庫)

  • 新潮社
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感想 : 39
  • Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101397245

感想・レビュー・書評

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  • 池波正太郎、平岩弓枝、松本清張、山本周五郎、宮部みゆき。
    古本屋で見かけ、「え、この作家5名?すごい!」と名前に魅かれて買ったんだけど、当たりでした。私が批評するのはおこがましいの極みですが、このアンソロジーはかなりの粒ぞろい♪
    義理の親子、兄弟姉妹、夫婦、父娘。さまざまな形で、江戸を生きる庶民の家族のつながりを描いた作品が収録されている。

    〇おっ母、すまねえ(池波正太郎)
    岡場所から足を洗い、堅気の男と所帯を持ち、なさぬ仲の息子を実の子として育ててきたおぬい。亭主が死んで再婚することになった途端、息子はぐれて手がつけられなくなる。おぬいはかつての朋輩のお米に相談、仕掛人を使うことをすすめられる…

    実は今まで読んだことがなかった池波さん。文章の流れは阿刀田さんのに近い感じを受けた。
    舞台は江戸なのに、現代でもありそう…なんて思ってしまい。想いがすれ違った挙句の皮肉な結末。

    〇邪魔っけ(平岩弓枝)
    幼い弟妹のために身を粉にして朝夕働き、嫁ぎ遅れたおこう。しかしその弟妹たちからは邪魔者扱いされる、

    身近にいすぎると見えなくなるけれど、いなくなって初めてわかるありがたみ。気づくのが遅すぎなくてよかった。

    〇左の腕(松本清張)
    飴細工を売って貧しく暮らしていた卯助とおあきの父娘は、料理屋で奉公をするようになる。しかし卯助には隠している秘密があり、そこに性悪の目明しにつけいれられ・・・

    松本さんが、こういう時代物も残していたとは知らなかったー。
    このお話が収録されていた「無宿人別帳」を読んでみたくなった。

    〇釣忍(山本周五郎)
    しがない棒手振りの定次郎は、実は越前屋の次男坊だった。
    もと芸妓のおはんと、つつましく暮らしていたところに、越前屋の長兄から戻って店を継ぐように言われる。

    山本周五郎といえば、私の中では古典の部類です。
    定次郎を思って送り出すおはんも、そんなおはんの気持ちを慮って一旦は越前屋に戻る定次郎も、それぞれにじんとした。この話が一番よかった。

    〇神無月(宮部みゆき)
    年に一度、病弱の娘のために、神様のいない神無月に盗みを働く男。
    盗みのつながりに気づきその盗人を追う岡っ引き。

    これはどこかで読んだことがあったなと思ったら、「幻色江戸ごよみ」の一編でした。最後の一文が好き。

  • 市井もの。池波正太郎、平岩弓枝、松本清張、山本周五郎、宮部みゆきによるアンソロジー5編。感涙必至と裏表紙にあるが、それは煽りすぎ。文章に傍点多すぎ、煩わしい。★は厳密には3.5。

  • 時代小説の名手の短編が5本入ったアンソロジー。どれも短くて読みやすく、おまけにほろりとくる作品揃い。暇つぶしに読むにはもってこいの本。

  • 目次
    ・おっ母、すまねえ 池波正太郎
    ・邪魔っけ 平岩弓枝
    ・左の腕 松本清張
    ・釣忍 山本周五郎
    ・神無月 宮部みゆき

    体調不良につき、休み休み読める時代小説の短編集を読んだ。
    親不孝という括りながら、親を好きだからこそ反発してしまう息子や、親代わりを頑張りすぎて弟や妹に冷たい仕打ちを受ける長女や、妻を守るために親と決別する息子などいろいろ。
    子どものために罪を重ねてしまう親は、それをさせてしまう子供が親不孝ってことなのかしら。

    運命がすれ違い、思いが掛け違ってしまったゆえの哀しい出来事もあるけれど、基本的には互いを思いやる気持ちを下敷きにしているので、読後感はとても良い。
    ただ、「神無月」については、犯罪が成功したほうがいいのか、罪を重ねることなくお縄になった方がいいのか、未だ判断がつかない。

  • 人情時代劇の傑作を厳選。この5編は短編傑作の宝です。

  • 「たそがれ長屋」関連本。桜庭一樹さんのエッセイで見かけた時代小説アンソロジー。
    どれもジワジワとよいが、いちばん好きなのは「釣忍」かな。

  • 市井もの。アンソロジーです。
    ひとつひとつの話がとても温かい。人情あふれる短編集です。著者は池波正太郎、平岩弓枝、松本清張、山本周五郎、宮部みゆき。
    いい本でした!

  • ふと時代小説が読みたくなったので、こんなときはアンソロジーだよなと思って、新潮文庫から何冊か出ている縄田一男 選のものから「世話物」のアンソロジー。秀眉は松本清張『左の腕』で、清張は長編は今一好きではないのだが、こういう短編には鋭さを見せる。宮部みゆき『神無月』は稀代のストーリー・テラーっぷりを発揮していて文句の付けようもないが、逆に小さくまとまり過ぎた分、次点。ほかは、わざわざ編み入れるほどの出来でもないような… 。

  • (2018-11-13L)

  • 親子・家族の情をテーマにした市井ものアンソロジー。

    時代小説ってほとんど読んだことがないんですけど、内容もボリュームも取っつきやすそうだったのでお借りして来ました。5編全部面白かったです。

    「おっ母、すまねえ」(池波正太郎)
    岡場所上がりの継母と継子のすれ違い。
    親子って、血のつながりって何だろう?と考えさせられました。

    「邪魔っけ」(平岩弓枝)
    妹弟から冷たい仕打ちを受ける行き遅れの長女の行く末。
    私自身が長女なだけに、読んでいて辛くなる事もしばしば。救いのあるお話で良かった……!

    「左の腕」(松本清張)
    料理屋に奉公した十七の娘とワケありの老父とに降りかかる難儀。
    最高!!!めっちゃかっこいい!!!普段はしょぼくれてるのに本気出したら超強いじいちゃん大好き!!!出典『無宿人別帳』も是非読みたいです!!!

    「釣忍」(山本周五郎)
    元芸妓の女房を持つ棒手振り魚屋の定次郎は、実は大店の次男坊。
    私てっきり為吉がらみの三角関係か何かになるんじゃないかと邪推してたんですけど、全然違ったし何ならクライマックスでおはんと一緒に「おまえさん!!」ってなってしまいました。

    「神無月」(宮部みゆき)
    病弱な八つの娘のいる畳職人は高額な薬代を稼ぐために……。
    これだけ再読。とにかく切ない。岡っ引きと居酒屋の親父の雰囲気がすごく好き。読み終わってから気付いたんですけど、この本の表紙が「神無月」の父娘なんだなあ……。

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著者プロフィール

大正十二年(1923年)東京・浅草に生まれる。昭和二十年鳥取の美保航空基地で終戦を迎える。二十五歳の時、作家長谷川伸に師事し、脚本家になることを決意。三十七歳、「錯乱」で第四十三回直木賞を受賞する。池波正太郎の時代小説には、武将もの、剣豪もの、忍者もの、仇討ちもの、世話ものなど多種多様ある。池波人気を決定づけたシリーズである『鬼平犯科帳』『剣客商売』など江戸の市井人が描き出す人間模様を巧みにとらえることは池波作品の独壇場である。

「2022年 『仇討ち物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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