イラハイ (新潮文庫 さ 34-1)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101403212

感想・レビュー・書評

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  • 第5回日本ファンタジーノベル大賞。
    イラハイという架空の国を舞台にした「分別と愚かしさ」の物語。序盤では、この国の不思議な風習、不思議な国王、不思議な職業が描かれるが、どれもファンタジックにナンセンス。
    後半からいよいよ物語の主人公・ウーサンの冒険がスタート。暴漢や兵士、殺人カエルや殺人イルカの荒波を越え、無事に花嫁を助け出せるか…。
    文体のところどころに「論理的な屁理屈」がちりばめられ、クスクス笑える面白さ。

  • 話の筋はシンプルだけど、ディティールがやたらと細かい。ファンタジー小説であるだけでなく、著者自身がファンタジーの登場人物じゃないかってくらい現実的でない発想力があり、シンプルな本筋に、対極的なシュールな味付け。誰に嫁を転がしたり、イルカに貝を耳に詰め込まれる世界観が思いつけるか。必要の無さそうなディティールの細かさが、ある意味史実を読んだような錯覚に囚われるような面白さがある。また問答で論破していくシーンも面白い。ただ冷静に考えたら意味不明すぎて引いてしまうので、好みはかなり分かれそうと思いました。

  • 皮肉に笑った。
    最後の双子の兄弟の比喩は何だったか分からなかった。
    カストルとポルックス?

  • なんだか子供の頃頭に思い描いていたような情景が小説の中で繰り広げられている。
    もとい、ファンタジーなどではなく、残虐さや醜さをすべて併せ持ったような想像の世界。
    でも、必死になって読み進めてしまう…

  • 伊坂幸太郎がものすごく好きな小説だそうなので読んでみた。
    なんというか・・・
    何度か読むのを止めそうになったけど、結局止められないどころか、途中からはどうなるんだ!と夢中になってしまった。
    読んでいてものすごく森見登美彦と同じにおいがしたら、森見登美彦のあとがきを書いていて、妙に納得。

  • 第五回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

    くどい(-.- とにかく文章がくどい(-.-;
    いや、もちろんこれはわざとなのですが(^ ^;

    一応のストーリー運びとしては、
    架空の国「イラハイ」に住む青年の
    愛と冒険の物語...ということになるのでしょうが...

    設定は荒唐無稽だし、話の筋は不自然だし、
    登場人物は皆「魅力的でない」人ばかりだし、
    聖書っぽい口ぶり...と言うか、
    「外国語直訳文体」パロディみたいで、
    決して読みやすくない。
    いや、むしろ「積極的に読みにくい」(^ ^;

    でも面白い、という不思議な作品(^ ^;

    発表当時...というか審査員の間でも
    ものすごく賛否両論が分かれたのもうなずける。
    実は1993年に初版を手に入れて、
    その時は途中で読むのを諦めたという過去が(^ ^;
    Book Offで百円で売ってたので、再挑戦(^ ^

    短気な人には絶対読了できない逸品(^ ^;

  • 子供の頃、北杜夫のさびしい王様やドクトルジバゴ、または井上ひさしの吉里吉里人などが好きだった私からすれば
    何とも懐かしい、でも緻密に構成された感のある小説。最近、こういうものを書く人がいなくなったというか、
    ライトノベルに流れたような感じもしないでもないので、嬉しかった。ただ決して、指輪物語みたいなものを想像してはいけない。
    読むのがすごく大変なのは同じだが。。
    ファンタジーノベル大賞受賞作ではあるが、むかしはこういうのユーモア小説って言ってたんじゃん。

  •  イラハイという国に住む屋根穴職人ウーサンの物語。独特な文章、登場人物たちが魅力的に描かれており、歴史書のような感じでもある。風俗や風習、行為などが現実離れしていることもあって、不思議な話だというのが最初から感じる。「物語が始まったので、ウーサンは走った」という一文は秀逸。繰り返し繰り返しの連続だが、それがまた面白い。

  • 2007年03月14日

  • 婚礼の日にさらわれた花嫁を追って、波瀾をのりこえて駆ける青年の冒険の物語…。「贅沢な遊び、これこそがファンタジー」と絶賛された新古典。第五回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

著者プロフィール

宮城教育大学教職教育総合学域発達教育部門 教授
主著『子ども観のグローバル・ヒストリー』(編著)原書房 2018年
  『子どもの心によりそう保育・教育課程論〔改訂版〕』(編者)福村出版 2018年
  『世界子ども学大事典』(共訳)原書房 2016年

「2021年 『「10の姿」をこえる保育実践のために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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