川からの眺め (新潮文庫 の 7-8)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101410081

作品紹介・あらすじ

川を下る、魚を釣る、川で泳ぐ、川に潜る、川原でキャンプをする、要するに川を「旅」するのだ。所帯道具を積み込んで、川面にカヌーを浮かべたら、ひたすら水の流れに身を任せ、どこまでもどこまでも流れていこう。きっと今までとは違った風景が見えてくるはずだ…川から世間を眺め続けてきた、さすらいの人・野田知佑が今、声を大にして言う「これ以上、川を壊すな」。

感想・レビュー・書評

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  • 椎名さんの『活字のサーカス』で、紹介されていて興味を持ち、メモ帳にタイトルを控えておいた。そしたら、その月の本交換会で20円で売られていた。さっそく購入し、10月30日から読み始める。冒頭から面白い。

    だけどそれ以上に悲しく、情けない気持ちになった。わたしは昔の川や自然を知っている。川遊びは出来なくなったし、山遊びだってつまらないものになってしまった。人が介入することによって森林や川、海が貧しくなっていく様がわかるだけに、最後はむなしい気持ちになってしまった。

    日本にいると呼吸をしないことが当たり前になってしまう。日本河川の話は息苦しさを感じた。外国の川下りの話が楽しみでページをめくっていたように思う。ニュージーランド旅行をして、短期滞在しながら各地を回りたい。肌で呼吸したい。日本から飛び出して海外を旅してまわるというのが素敵だなぁ…と夢見てしまった。

    ☞『活字のサーカス 面白本大追跡』

  • 【追悼再読】2022年3月27日に逝去した野田さん。ツーリングカヌーをライフワークとし、気の向くままの遊びカヌーを実践した。私も含め、彼に影響された人は多いだろう。本書はちょうど30年前の1992年に出版されたものだ。風のように自由に生き、波のように力強く官権と闘った人。本書は89年から92年にかけて各紙誌に寄稿したエッセイをまとめたもので、ガク目線で書いたものもあって楽しい。しかし、コンクリートで固められていく日本の川の姿を描く著者の目線に、悲しみと憤りを感じた。

  • 正直どれを読んでもあまり変わらないのだけれど、逆にいうとどれを手に取ってどこから読んでも癒されるんですよ。

  • 1990年代前半の野田さんのカヌーエッセイ。
    四万十、ユーコンといったフィールドで自然を楽しむエッセイは読んでていつも心をなごませてくれます。
    文庫の背表紙に書いてありましたが、「川から世界を見る男」、まさに野田さんそのものだなー。

    2019年、川と森は壊されつくされ、多くの自然の恵みを失った。。。
    そんな中、パックラフトや魚採りが大好きな今の自分に何ができるのか、今も考え中だがそろそろアクションを起こしていかなければ。。。

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著者プロフィール

熊本県生まれ。早稲田大学文学部英文学科卒業。在学中、ボート部で活躍。卒業後ヨーロッパを放浪。帰国後、高校の英語教師、旅行雑誌の記者を経て、エッセイストに。傍ら、カヌーによる川旅に打ち込む。これまでに日本の一、二級河川約200を漕破。さらに北米、ニュージーランド、ヨーロッパにまで活動範囲を広げている。長良川河口堰問題や川辺川ダム建設反対運動、吉野川可動堰問題などにかかわり、講演などを行う。

「2008年 『イギリスを泳ぎまくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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