脇役―慶次郎覚書 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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感想 : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101414201

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  • 各登場人物の過去

  • 「慶次郎縁側日記」シリーズは、随分と数多くありそうなのだが、なぜか、この本が「出会い」となった。

    主人公の森口慶次郎は元定町周り同心。仏と名前がつくほど人格も優れた同心だった。その森口に惹かれる主人公の周りの人間たちを濃く深く描いたのがこの「脇役」

    一つ間違えば、悪の道をさまよい、落ちぶれてボロ屑のような人生を歩くはずだった者。
    心深く思いを持ち続けた相手の女房が、悪人に殺されるように亡くなり、思いを伏せて、嫁ぐ娘。
    上役でもないのに、なぜかいつもきになる慶次郎の眼差しに、いつもヤサグレた心に一つ、真白きものを養う男。

    短編のような小節を組み合わせて紡がれるこのシリーズは、急流を流されるように読むシリーズではなく、一つ一つ時に外の景色を見るように、読む本なのかもしれない。

  • シリーズに登場する主な脇役が主役として登場。過去の生い立ち、現在の生活、そして心情。彼らを含めて、市井の人々も様々に悩み、自分を洞察し、どう生きようかと考える。読者が共感できた時、同じく自らを省みるだろう。2016.9.25

  • 再読了。

    普段は一枚看板の主役に立てぬ、慶次郎の脇を固める名脇役たちが、一人一編の看板に・・、そんな短篇集です。

    小説の登場人物だって、その作品の中だけの細切れ人生しかない、なんてことは断じてなく、二十年なり三十年なり生きてきた筈。

    北原さんは作品の登場人物を、こうして立体感のようなものを持たせて、読者の目の前に出してくれるのです。

    こんな優しい作家さんの作品を読まぬ訳にはいきませぬ。

  • 慶次郎シリーズ。脇役達辰吉、吉次、佐七、皐月、太兵衛、弥五、賢吾にスポットを当てた短編集。特に皐月編の微妙な立場を皐月の心の葛藤、夫の望んだ結婚でないこと、実の親でない慶次郎との血の繋がらない他人行儀さの辛さに明るい兆しが見えたことが印象的。

  • 慶次郎縁側日記の脇役に光を当てた番外編。きれいにまとまってます。

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著者プロフィール

作家

「2017年 『化土記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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