野獣降臨 (新潮文庫 の 6-1)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101415017

感想・レビュー・書評

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  • 若い頃に読んだ戯曲を再読。野獣降臨は芝居も観たので、その疾走感とスペクタクル感を想い出した。なんかね、読んでると脈が速くなるんだよね。

  • 私が中高生の頃いわゆる「小劇場ブーム」があって、京都の片田舎の演劇部員にとって、野田秀樹は憧れの人でした。大阪の近鉄劇場だったかで初めて見た夢の遊民社の公演がこれ。今も野田さんが女装してかぐや姫に扮した表紙のパンフレットを大切に持ってます。

  • 岸田戯曲受賞。
    「大脱走」と2本立て。

    最も分かりにくかった時期の、野田秀樹の作品で、
    とにかく分かりにくい。
    しかも、舞台でしか分からない仕掛けが多く、文章だけで読んでも
    なんだか分からない(バラバラになった鏡が集まるとか。綱渡りなども
    実際、どうやっていたのか不明)

    話は、舞台が、地球と、月に分かれていて、
    お互いが鏡のような存在。
    地球には、月から来た、半分獣のやつが、疫病をばらまき、
    月には、地球から来た、半分人間のやつが、疫病をばらまく
    みたいな話。
    アダムの肋骨を1本抜いて、イブを作った話にたとえて、
    肋骨を一本盗まれた男が、その骨を探す話や
    月から地球を見上げる、清少納言と、紫式部。
    15少年漂流記や、アポロの月面着陸、
    古事記に現れる、骨なしの怪物「ヒルコ」なども
    からめて、話は進むが、とにかくまとまりが無く、意味が分からない。

    しりとりとか、伝説(でんせつ)、節電(せつでん)、漏電(ろうでん)、また
    伝染(でんせん)、電線(でんせん)など
    ダジャレというか、言葉遊びで、強引に話が進んでいくので
    いま、誰が、何をしたくて、何をやっているのかが、
    さっぱりわからない、という感じになる。

    人偏と何かを足すと、とか、しりとりや、言葉遊びなど、現在の野田秀樹にもつながっているモチーフはあり、そこら辺は興味深いのだが
    とにかく分かりにくい。作者自身も、まとめきれていないのではないか。
    芝居で見れば、もう少し分かりやすいかもしれない。

    また、馬鹿は、「タブー」に再登場するし
    ヴォネガットの引用、愛は負けても親切は勝つ、も登場
    後に松尾スズキが、このフレーズをもとに親切伝3部作を作る。

    「大脱走」の方は、「キル」で再登場するチンギス・ハーンが
    出てくる。甲子園の話を絡めたコメディで、こちらの方が分かりやすい。

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著者プロフィール

2018年10月現在
東京芸術劇場芸術監督、多摩美術大学教授。
劇作家・演出家・役者。

「2018年 『野田秀樹×鎌田浩毅 劇空間を生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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