- 本 ・本 (592ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101419084
感想・レビュー・書評
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新書文庫
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一椀に白魚の泣き声を聞く(小泉八雲)、牛鍋は不良のはじまり(坪内逍遥)、快男児、酒を飲めず(二葉亭四迷)、牛乳屋茶人(伊藤左千夫)、山奥の怪人はなにを食うか(南方熊楠)、筆は一本、箸は二本(斎藤緑雨)、一膳の赤飯(徳富蘆花)、牛肉か馬鈴薯か(国木田独歩)、獄中で刺身(幸徳秋水)、うどんと蒲団(田山花袋)、ココロザシ俳諧にありおでん食う(高浜虚子)、うまいもの嫌い(柳田国男)、酒を飲んで荒れる『赤い鳥』(鈴木三重吉)、咳の味(尾崎放哉)、公家トルストイ(武者小路実篤)、酒仙歌人の実像(若山牧水)、元始、女性は実に偏食であった(平塚らいてう)、天ぷら屋になりたかった歌人(折口信夫)、監獄料理(荒畑寒村)、あたまのなかに苦(里見弴)、復讐的食卓(室生犀星)、せつない湯豆腐(久保田万太郎)、なぜ薔薇を食べたか(宇野浩二)、さんま苦いか塩っぱいか(佐藤春夫)、死ぬまで食い気(獅子文六)、食人鬼の果て(金子光晴)、男もまた日常の餌(宇野千代)、空の弁当箱をかかえて(横光利一)、月光を飲む暴れん坊(吉田一穂)、ちゃぶ台文学(壺井栄)、酒乱・酒魔・毒舌・極貧(稲垣足穂)、居酒屋詩人(草野心平)、女賊のにんじん(平林たい子)、トンカツ好きの一家(武田泰淳)、飢餓恐怖症文学(織田作之助)、ライスカレー裏おもて(向田邦子)、砂糖入りカレー(寺山修司)の三十七文人の食癖にせまる。
『文人悪食』の続編。『文人悪妻』もあるらしく気になる。 -
読み終わって 題名が“暴食”なのに気がついた…なるほど。 文人は 一般人よりも遥かにエネルギーを持ってて、そのエネルギーに食われそうに(食われてるかも)なりながら 生きているのだなぁ〜
と 少し呆れながらかんじる方もいた…恐ろしく 面白い。 -
読まなくてはならない作家がまだまだたくさんいると教えてくれる。作家の幅を広げたいときにおすすめ。
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『作家にとって、食とは何か?食と作品どのようなかかわりがあるのか?』その疑問に鋭く迫った異色の作家、文学論です。読むもここまで調べたなぁという作者のの執念に思わず脱帽してしまいました。
この本は『文人悪食』の続編になります。37人の文士・作家の食癖がこの本には取り上げられているんですけれど、「文人悪食」に取り上げられている作家たちにも負けず劣らず、一様に皆、個性的過ぎる食生活を送ってらっしゃったのですね。それにしても、古今東西の文献を調べ尽くして、それを一冊の本に纏め上げる。作者の執念めいた仕事に今回改めて読み直して、ただただ、脱帽するばかりでございました。
自分が気に入っているところは出世一途の人生を送りながらも酒癖が悪かったために寺男になってしまい、孤独と寂寥の中で破調の俳句を読み続けた尾崎放哉と、20代からアルコール中毒で、酒と旅に人生をささげた歌人、若山牧水に関するところや、伊藤左千夫の本業が牛乳を搾る農家だったので、丼飯に牛乳をかけて何倍もかきこんでいたところには『野菊の墓』とはまた違ったイメージの作者像が浮かび上がってきて、少し驚きました。
ハイライトは荒幡寒村の言うところの『監獄料理』でこの本を読む限りではどう考えてもまずそうな豚とジャガイモの煮つけを奥様に『お前も監獄に行って食べてくるとわかる』といって大目玉を食らった場面なんかは大笑いしつつも、作家という人種は業が深いものなんだなぁと思った次第でございました。 -
高校時代、文学史の参考書がわりに
読みたかった! -
いちいち面白すぎた。悪食とセットでおススメしたいです。
皆偏食そして変人すぎる。 -
やはり 物書きは 食欲旺盛の 体力勝負だ
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悪食、という言葉を生みだした古の賢人は何を思ってこの言葉を作りだしたのだろう。
世に名だたる文豪たちの好物や食生活を取り上げただけの本・・・であるのに、こんなにも興味深いのはなぜだろう。
食は人の生活を支える基本。自然作風とは切っても切れない関係であることが浮き彫りになってくる。
途中、こらえきれずに何度か吹き出した。さて、今の文人たちはどれほどの「悪食」っぷりであるのだろうか。 -
相変わらず食の世界の深さを思い知らされて、自分は至ってノーマル=小物だとも思い知らされて。はあ。
著者プロフィール
嵐山光三郎の作品





