家族趣味 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101425139

感想・レビュー・書評

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  • ダメでも、すごくおもしろい、でもない。
    普通に楽しめた。

    短編集になっていて、
    どの話も、「ボーダーラインを超えすぎた人」の話。

    収集癖のある女
    筋力トレーニングにハマる男
    恋愛で精神を病んだ人
    感情がない少年
    結婚も恋も仕事も楽しみたい女

    なんでもほどほどに…

  • なんでもない日常が、ラスト数ページであっという間に色を変えていく様子が見事。短編ならではのテンポの良さで、あっという間に読み進められる。

  • 短篇集。

    これもすべてが、シャープでスマートで面白かった。乃南さんの書く短編は、最後の落とし方が鋭くて、ユニークで。あっけなくて、面白い。
    「彫刻する人」なんかは特に、そう感じた。

    乃南さんの話に出てくる、女の人も男の人も女子も男子も、老女も老翁も、みんなすべてが「本物」みたい。気持ち、というか視点がそれに近い。

    表題作の「家族趣味」は、怖かった。そして悲しかった。哀しかった。
    「家族」――理想の家族像――をつくることが、趣味。そこには人の温もりがまったくない、ということに、まったく考えを及ばせなかったことで、なにもかも失ってしまう。これも展開が隙なく、意外で最初から最後まで楽しめる本です。

  • 日常によくありそうな話で
    ドンマイ!って言いたくなる結末。

  • うっ、そうくるか?! な短編集。
    結構好きだ。

  • デジ・ボウイの結末に一番驚いた。さわやかだろうか?この生き方を間違っていると言ってしまうことはできないが、何かが違うと思う。

    直樹はこれからどうやって生きていくんだろう。
    妹も。

    家族趣味は趣味が悪すぎる。

    でも、どの話ものめりこんで読めた。濃い~短編ばかりで満足。

  • 「忘れ物」という短編はほんとうにゾッとした。読んだ後も少し読み返してしまうくらいに最後はどんでん返しが待っている。これは小説でしか表現できないのではないかと思う。
    普通の人たちの狂気や恐ろしさというものがこの短編集のテーマにあって、久しぶりに夢中になって読んだ。
    「デジ・ボウイ」の読後感がいい。救いようがないけれど。

  • 2015/5/13 読了

  • 暗い話は苦手だけどこれは嫌いじゃなかった。
    なんだか、世にも奇妙な物語にありそうな話。

  • 気持ち悪い。但し最近はこういった後味の悪いサスペンスやミステリーを読む率が多くなっている。
    ドロドロとした暗い人間関係。いやまあ根がそういうものだって知らしめるには良い作品のようだ。
    女性作家の作品はこういうところが恐ろしい。
    ミステリーとサスペンスの違いってなんだろうな。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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