- 新潮社 (2004年5月28日発売)
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感想 : 30件
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784101425368
AIがまとめたこの本の要点
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みんなの感想まとめ
職人の世界を舞台にした短編ミステリーが織り成す独特の魅力が詰まっています。六つの物語は、線香や着物の染め、日本酒造り、金細工、能面、提灯といった伝統工芸に携わる職人たちを主人公にし、さらりとした語り口...
感想・レビュー・書評
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6つの短編。線香、着物の染め、日本酒造り、金細工、能面、提灯、そんな和の職人が主人公。伝統工芸の場で、さらっとおこる殺人事件。事件について、くどくどした話は無く、後で気付くような。
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白抜きみたいな小説。
そのものは描かれない。
輪郭だけ見えて、目鼻立ちは分からない。
こんな表現の仕方があるのか…!と新鮮で面白かった。
目鼻立ちの部分を想像して、語り合えたら楽しそうだな。 -
長編に疲れたので、暑気払いのつもりで短編を読んだ。
話が終わるたびに、クーラーの風にゆっくり当たれるので猛暑向きかも。
きっと知る人ぞ知る名編なのだろう、すぐに読み終わってしまった。
「氷雨心中」平成16年(2004年刊)
日本工芸を材にした完成度の高い面白い短編が6つ。
特に「青い手」は事件は表に現れないまま終わるが、読後にあ~~と思い当たる、
そんな風に生活の裏から(物語の裏から)
滲み出す暗い部分が、ミステリアスな香りを漂わせる。
お線香はこうして作るのか、お香も。
でも話はじっとり恐ろしい。
「泥眼」日本舞踊の名手に泥眼の面を頼まれた能面作家のはなし。
女の一途な想いが、面を作ることが二人の執念のようになって迫ってくる。
「夜離れ」平成17年(2005年刊)
6編、みな女心の、これも妄執というか、こんな女にとりつかれたら男は恐ろしいだろうし、
女は苦しいだろうというようなストーリー。
ありそうな話かもしれない。
短くて、それぞれ250ベージから300くらいですぐに読める。
肩のこる長い話よりも、読後は充実しいている。 -
職人である男と、その顧客や妻である女たちの物語。物わかりがよく呑気なはずの妻が浮気相手に復讐する「おし津提灯」が最も怖くて面白かった。「泥眼」は他のアンソロジーで既読だったが、この短編集の中にあってはまた別の輝きがあるような気がした。
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手作業で物を作る職人を主人公にする短編集。
取材が大変そう。 -
職人や伝統工芸をテーマにした、これはブラックショートというんでしょうね。短編が6つありました。線香職人、染工芸、酒造、歯科技工(ジュエリーも)、能面職人、提灯職人、外側からしか知らないその職人さんの仕事ぶりも興味深く読める。そしてそれぞれに、ぞっとするオチが!わかってしまうオチもあったけどそれはそれとして。個人的には能面職人がある踊り手の注文のために何度も何度も何度もうち直しした「泥眼」(嫉妬や怒りの情念が正に正気を失わせようとしている瞬間の女の顔。女が執念の鬼、怨霊の化身となる寸前の、最後の人間の表情。)に引き込まれました。一番アサさんらしいと思いました。
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乃南アサお得意の人間の情念が絡んだちょっぴり怖い短編集。どの話にも伝統工芸の職人達が登場するのがユニークで興味深かったけれど、途中まで読むとオチがわかってしまう話が多かったのが残念。
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乃南作品の評価が一般的にどうかは知らないが、
感覚的には恩田陸や辻村深月などよりも低いように思う。
めちゃめちゃ個人感覚でいうとその理由は、
あまりに半径3メートルの設定にあることだからではないかと思っている。
常にその辺にいそうな女性の物語。
あるいは家族内のストーリー。
ダイナミズムにかける、というのかもうひとつ広がらないというのか。
今回のテーマは、様々な珍しい職業の人にスポットをあて、
ならではのしっとりした死をテーマとしている。
その意味では、設定を3メートル以上に広げたとも言えるのだが、
ただし物語ごとに、展開はやはり、主人公を中心としたいわば二親等内の話。
設定が面白いんだけど、背伸びの分に深みがあるというよりやはりノーマル。
単に自分にとっては、知らない世界をのぞき見たのみ。
そこからのもうひとつの伸びまでは感じられず。
というわけでこの本は、残さないことに決定。 -
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高校の時に読んで、再読。
「青い手」「氷雨心中」「おし津提灯」は覚えていたのだがあとは読むうちに思い出すという感じだった。
話は全て好きだが最後の「おし津提灯」で全てかっさらわれてしまうため、他の作品がうろ覚えになってしまう。自分だけかな? -
短編集。
気軽に読んでると、意外とオチはホラーだったりするので面白かった。
最近読んだ短編集の中では一番面白かったな。 -
良かったです。
この本を友人に勧めたことがあるのですが
「暗っ」と言われてしまいました…が
これって暗いのか…
暗いと言うより情念のような
強さと恐ろしさを感じないかな…。
短編ですが一つ一つ確かな仕上がりの本だと思います。 -
言葉使いと心情がするすると流れ込んできて、あぁすごく相性のいい作家さんに出会えたんだなぁ。とぼんやりと思っているうちにあっという間に読み終わってしまった。もったいなくて少しずつ読みたいと思った本だったのに…。 何度も何度も読み返した。 少し不気味な感情や描写なのに、心地よくすべらかに書かれていて、これって誰にでも起こり得る感情なのだなと思った。静かな怒りとか、内なる妬みの様な自分しかしらない感情。たぶん、誰にでもあるような起伏。それが時と場合によって抑えきれなかったというケース。不思議と平生な気持ちでいられる。
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全部黒いからか、ちょっと飽きてしまった。
表題作が一番好きだ。タイトルの意味ががらっと変わる。
読んでて、良い意味でつらいなしんどいなと思って残る感じがしたのは「鈍色の春」。 -
しっとり、湿った重さ。
男と女の情念の重さか。
鬱になるほどの重さではないです。
(私はね。) -
7/5/09図書館
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いずれも「職人」が主人公のミステリー短編集。
かなり綿密に取材をされたんだろうな〜と想像させる職人の世界に引き込まれたかと思いきや、最後はどれも背筋がひやっとする結末。
ちょっと先が読めるところもあったけど、安定した面白さでした。
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日本古来の伝統文化を感じさせるミステリー短編集。
なんとなく先が読めてしまうものもあったけど、どれも漂う雰囲気がどこかもの哀しくてゾクゾクする。
どの話も様々な職人の技術や工程が垣間見れて、面白かった。線香がなかなか興味深い。
「青い手」と予想通りな展開だった「おし津提灯」が私好み。 -
ブクオフ100円で購入。いよいよ読むものがなくなったーと思って、中学のときにちょっと読んでたこと思い出して手を出してみる。伝統文芸が文章なのにまるで目の前にあるかのように浮かび上がってくるのはさすがだなと思うけど、文章がちょっと説明的すぎてしまうのが、自分には全くあわない・・・。[08/04/30]
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