二十四時間 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101425443

感想・レビュー・書評

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  • とても読みやすく面白い作品だった。乃美アサという人のことをもっと知りたくなる作品だった。

  • 短編集のようなエッセイのような、、、さすがに丸ごと事実ではないようだから私小説というのが一番かな。

    乃南さん自身の経歴に沿った小話の数々から彼女のこれまでの歩みが浮かび上がってきます。
    相当な数の作品を発表している彼女、その原動力には愛猫そっくすの病弱な性質も一役買っているのね。
    愛犬くまにまつわるエピソードが重なっていて、彼女の彼らに向けた愛情の深さが伝わってきました。

    乃南作品では「しゃぼん玉」が最高傑作という感想は不変だけど、細切れの記憶をそれぞれ時間ごとに書き分けるというのは案外難しいことなんじゃないだろうか。

  • 初めての作家、というのに連続して挑戦してるんだけど、
    最近、それは正解続き。



    乃南アサ。
    ミステリ作家、っていうイメージが強いけど、
    これはエッセイのような、小説のような、そんな物語。

    1日の中にあるそれぞれの時間にまつわる思い出とか、
    小さなエピソードとか、そこから発展する話とかを
    少しずつ、少しずつ、ていねいに書いていってる。


    話ひとつを1回しか読まないなんてもったいない、と思って
    何度も何度も読み返してしまって、
    薄い本なのに読了までに1週間近くかかった。

    なんだか、泣きたくなるような、ノスタルジックな感じがして。

    門限とかつて出会った人たちについての話、「二十三時」
    知らない土地に足を踏み入れたときの感覚を描いた「十八時」
    雪の中で迷子になった幼い頃の風景が書かれた「十七時」
      ・
      ・
      ・
    とにかくすべてが愛しい感じ。



    ただ何気なく過ごしているように思える毎日の生活だけど、
    ていねいに見ていけば、きっと珠玉の時間があるんだよね、
    わたしにも。

  • 途中でやめた

  • 24時間の各時間にまつわる作者の体験を綴ったエッセイな感じ。子どもの頃の記憶や勤め人時代の思い出、作家になってからの体験など超短編が24編。

    ある人物の24時間の物語かと思っていたらエッセイ集だった。
    24時間ごとの短編というのは面白い発想だと思ったが、とくに記憶に残るエピソードもなく、読んでも読まなくてもどっちでも良かったなという感じ。そもそもエッセイが好きじゃないからかもしれないけど。

  • 私小説風

  • 二十四時間の時間帯それぞれに対する作者のエピソード。

    あまり面白くなかった。
    二十四時間をテーマにしたのは面白いけど。

  • (2013.7.15 再読)一時間ごと、その時間にまつわるエッセイというのか私小説というのか、そういうものが綴られた本です。

    興味深いものもあれば、退屈な話もあったり。

  • この人の、いつもの日常の中の非日常な感じが好きなのと同時にゾッとする。自分の周りで起きても不思議じゃないから。

  • 私小説ってあんまり好きじゃないですねえ・・・

    0時から23時までうまく話を作ってるのには感心しました。

  • 乃南アサさんのエッセイ。
    今まで読んだ作品からイメージしていたのとは違って、心もとなく頼りなく、でも好奇心旺盛ですとーんと自分の世界にはまりこんでしまい、そしてまたふわふわと漂うような。まるで江國香織さんのエッセイを読んでいるような気分になった。
    おふたりの作品は全然ちがうのに、根っこにある「不安だけれどおっかなびっくり動いてみてしまう」というパーソナりティがとても似ているように感じられて不思議。

  • 乃南さんの体験を物語にした私小説。
    全て時間の題名がつけられていておもしろい。
    また、中には乃南さんの色々な作品の基になっていると伺わせるものもあり、楽しめた。

    2012.11.29

  • 前からこの人の小説を読みたいと思っていて、とりあえず短編から入ろうかなと思って買ったもの。
    主人公はそれぞれ違うのかと思ってたけど、読み進めていくうちに同じ人と気付いた。
    小説というよりエッセイを読んでる感じだった。

    割とこの人の書く事に共感できた。
    さらりと読める感じ。
    この人の他の短編や長編も読みたいと思った。

  • 短編集かと思っていたら、エッセイだった。。
    う~ん。。そう思った時点で読む気がしなくなって途中放棄。。

  •  懲りずに短編集。私小説っぽい短編が時間になぞらえて24話入っている。

     しょうもないと思いながらも、中にはハッとするような部分がある。ずる休みの思い出から人生のずる休みへ、そしてその間に時間が消えてしまうという認識、予備校生活を楽しみながらも大学の校歌をうたう夢追い若者を憐れむ気持ち、車窓から見える洗濯物に別の人生を感じる瞬間(これって平行宇宙の感じだなぁ)、同僚の風呂の入り方で感じる見えない人格等・・・。

     本当につまらないんだけれど、再読するために持っておこうかなって思うような作品。しかし、特別ではない。もう2,3読んでみようかな。

     ちなみに、おふろの話では、同僚が石鹸をそのまま地肌にこすりつけるとある。湯でぬらさずにというのは大げさだが、私も石鹸を直接地肌につけるタイプである。タオルで泡立てることはあまりしない。

     これってそんなにおかしいのかな。手だって顔だってそうすると思うけれど。ふろは一人で入る。だから、その日常性の部分は他人の目には触れない。でも正しいと思っていたことが崩壊するときって楽しいだろうな。

     ふろの話に限らず、予備校生の歌う姿で自分はこいつらとは違うと認識するあたりも含め、ちょっとしたことで気づく自分の内面を語っている短編が多く、それはとっても面白いと感じた。意味もなく旅先でスーパーに入って疑似地元民を楽しむという話もあるが、それって私と似ているなと感じた。こういう意味では面白い短編だったかな。

  • さらっと読めました。
    乃南 アサさんの本はわりと読んでるけど、私小説?は初めてでしょ。
    ヒトトナリがわかったよーな気がしました。

  • あれー。乃南さんにしては・・。平凡な中にもドキっとさせられる本が多いんだけど、これは、徹頭徹尾「平凡な日常」を語られてしまった。「行きつ戻りつ」もそういえばこうだったな。

  • 作者の体験を、時間に絡ませて綴った24からなる短編集。
    乃南さんの小説はどれも心情に迫るものがあり大好きだけど、私小説となると別なようでイマイチだった。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    幼なじみの“よっちゃん”は、会う度に違った。私立の詰め襟中学生、暴走族の高校生、恋する浪人生。でもその内面はいつも温かで…(「二十四時」)。子供の頃、雪の積もった帰り道を歩いた。方向感覚を失って、“遠く”という“悲しく寂しい場所”に迷い込んでしまった(「十七時」)。人生のそれぞれの風景を鮮やかに切り取った、私小説の味わいを残す、切なく懐かしい二十四の記憶。

  • 13時,17時,21時,10時の話では子供の頃の気持ちが甦り、
    8時のオオカミ犬の話は「あのオオカミ犬だ!」と嬉しくなり、
    2時のアパートの隣人の話では1人暮らしをした時の思い出が甦り、
    1時,0時の話にはドキッとさせられ、
    15時のネコの話には微笑ましいものがありました。
    1話が短いので、少しずつ読むのにはちょうど良かったです。
    私の人生もこんなふうに時間で描けたら面白いな~と思ったり。
    でも面白い話なんてないんですけどね(苦笑)

  • 一人の人生のなかで、
    ランダムな24時間を、年齢が違った時間での出来事が
    短編になっている
    かわった小説。

    年齢を超えた1時間っていうのは、
    そのとき、そのときで、過ごし方や感じ方が、まるで違うことは
    当たり前なんだけど、そういう見方で読むとおもしろい。

    ただ、あまり深さはないので
    軽く読むのに良いかも。

  • 図書館。
    エッセイかな?どちらかというと私小説な感じ。
    割と面白かったです。

  • あんまり面白くなかったです・・

  • 0時から24時までをアトランダムにその時間その時間を乃南アサの観点で綴っている作品。

    たとえば最初の『23時』
    足を踏み込んだおかまバーがたまたま20年前に訪れたことがある同じバーであったことから、当時の思い出がよみがえる。
    門限が23時ととても厳しい家で、門限に遅れ何度も言い訳を考えこと、たまたま乗ったタクシーの運転手が門限ギリギリを救ってくれたことなどなど・・・

    その時間の思い出が子どもの頃のことだったり、高校生の頃のことだったり、OL時代のことだったりと、短い章立てですぐに読んでしまえた。

  • ◆あらすじ◆
    幼なじみの"よっちゃん"は、会う度に違った。
    私立の詰め襟中学生、暴走族の高校生、恋する浪人生。
    でもその内面はいつも温かで……(「二十二時」)。
    子供の頃、雪の積もった帰り道を歩いた、
    方向感覚を失って、"遠く"という"悲しく寂しい場所"に迷い込んでしまった(「十七時」)
    人生のそれぞれの風景を鮮やかに切り取った、私小説の味わいを残す、切なく懐かしい二十四の記憶。

  • 短編小説かと思いきや、私小説風味の日記です。
    ちぇ。

  • まあまあ。
    面白かった。

  • 一日の24時間 それぞれの時間にもつ思い出を描いている
    ふっと心が軽くなるような 懐かしいようなそんな作品

  • なんだ、エッセイか。24時間をバラバラにして、印象的な時刻に対するエピソードを連ねてるのが新鮮。年齢と思い出が交錯して存在するのは、リアルに人の脳の中を旅している様。

  • 幼なじみの”よっちゃん”は、会う度に違った。私立の詰め襟中学生、暴走族の高校生、恋する浪人生。でもその内面はいつも温かで……(「二十二時」)。子供の頃、雪の積もった帰り道を歩いた。方向感覚を失って、”遠く”という”悲しく寂しい場所”に迷い込んでしまった(「十七時」)。人生のそれぞれの風景を鮮やかに切り取った、私小説の味わいを残す、切なく懐かしい二十四の記憶。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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