家裁調査官・庵原かのん (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101425627

作品紹介・あらすじ

少年少女たちは、なぜ罪を犯してしまったのか? その真の原因を探るのが「家裁調査官」である。福岡家裁北九州支部の調査官・庵原かのんは、自転車窃盗JKビジネス、バイク暴走、女性暴行など数多くの事件に直面していた。当事者である子どもたちの声に耳を傾けるうちに、彼女はそれぞれの事件の〝深い根〟に気が付き、そして……。心理描写の名手が満を持して放つ、待望の新シリーズ。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに乃南さんの作品を読みました。
    会社帰りに立ち寄った書店で新刊を。
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    少年たちの
    声を聴く
    それが
    私の仕事

    自転車窃盗、暴行、
    JKビジネス……。
    事件を調べるため
    かのんは今日も走る!

    乃南ミステリー
    新シリーズ開幕!
    ----------------------------------
    福岡県で家庭調査官をしている、庵原かのん。
    「ケーキを切れない非行少年たち」を思い出しました。

    家庭や貧困、
    誰かの理解や支援があれば、
    違う未来があったかもしれない。

    ルーツや核心的な部分に迫ろうとすることは、
    ミステリー要素もありますが、
    こんなに若くて幼い少年少女たちが…という思いが。

    そして、完全に解決するわけでもなく、
    家裁調査官としてできる範囲があるため、
    物語の結末には限界があり、
    この先はどうなるんだろうという気持ちになるし、
    やるせない気持ちにもなります。
    でもそれがリアルです。物語なのに。

    年齢的に私はかのん寄りで、
    保護者のような目線で読み進めてましたが、
    もし自分が若い時に読んでたら
    どんな感想をもっていてかな、と思った一冊でした。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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