イン・ザ・ヘブン (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101426051

作品紹介・あらすじ

「ねえ、史子ちゃん、天国って、あると思う?」八十過ぎ、余命数週間の今日子さんは、あたしより三十も年上のお友達。天国では「病気をしていても元気になって、なりたい年齢に若返る」というあたしに、「でも、小さい頃死んじゃった子供は大きくなりたいんじゃないかしら」と妙に理屈っぽい今日子さん。話すたびに、天国はどんどん込み入った事に……。短編10編とエッセイを収録。

感想・レビュー・書評

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  • 少し不思議な、静かな世界。

    SFだろうか。人工知能だったり、ウイルスだったり、少し未来の、少し不思議なお話。後書きに、東日本大震災のことが書いてあり、震災直後だったり、一年後だったりに書かれたとのことだったが、なるほどわかる気もした。ある日急に世界が終わるような、生活の色々なものが崩壊するような、それでも生きている人が何を考え、どう行動するか。ユートピアとディストピアは表裏一体かもしれない。

    「ここを出たら」語り手の正体がまさかのオチ。地震が起きたときにエレベーターに乗っていて閉じ込められたら、というのは誰しも一度は想像するのでは。

    「幻臭」将来、こういう人工知能が生活を助けてくれるかもしれない。すでにSiriやアレクサがいるし。でもわかりあえないところがあるとしたら。

  • 凄い久しぶりの新井素子。
    表題作のイン・ザ・ヘブン、つつがなきよう、あけみちゃん、ゲームはかなり面白かった。

    ゲームは特に、神様終盤、「やかましいわ!」って好きなようにしちゃっても良かったのになぁ、と(笑)
    多分信じてる人たちに対しての配慮ってところもあったんだろうと思うけど、律儀と言うか何と言うか……ww

    頭を使って話を書くって言うのと、無意識が出してくる話って、何となく判る。

  • SF短編集。久しぶりの文体が懐かしい。口調とは裏腹に死と生にまつわる話が多くて考えさせられたし、短い文章で世界に飛べるのはさすがだなぁと思うけれど、やっぱり新井素子さんの本はどっぷり世界に浸れる長編が好きだなぁ。

  • 最近よく行く某大型書店にて、新刊として平積みされていたのが、目に留まり。
    学生の頃に何冊か読んだなぁ、と懐かしくなり、そのまま購入。
    読んでみてね、「ああ、そうそう、この文体! こういう感じだった!」と(笑)。
    何ともシュールな世界ですけど、嫌いじゃないです、こういう話。

  • 201606/バラエティにとんだ短編集。お馴染みの文体で長年このブレのなさ、だけど書かれるものがその時その時の素子さんが出てて。好み大きく別れる作家さんだけど、新井素子という独自ジャンルを築いた功績は大きいよなあ。願わくばもっと早いペースで新作が読めるといいのだが。

  • 何十年振りの、素子さま!
    高校から専門学校の頃にめっちゃはまりました。あの頃と変わらぬ文体に懐かしさが込み上げます!
    素子文体の星新一風ストーリー。
    楽しく読みました♪

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著者プロフィール

1977年「わたしの中の・・・・・・」が奇想天外新人賞佳作に入賞し、デビュー。以後『いつか猫になる日まで』『結婚物語』『ひとめあなたに・・・』『おしまいの日』などを発表。1999年に発表した『チグリスとユーフラテス』が第20回日本SF大賞を受賞。

「2022年 『絶対猫から動かない 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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