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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784101426242
感想・レビュー・書評
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本当に恐ろしい事件。
当時、ニュース速報がテロップで流れたのをすごく覚えてる。
子供心にぎょっとして今も忘れられない。
実際のところ宮崎勤の精神状態はどうだったんだろう。はっきりとは結局誰も分からなかったんじゃないだろうか。
もう死刑が執行された今となっては真実が明らかになることはないけど…詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本書を読み終えて、誰も事件の真相を掴めていない事がよくわかった。
前代未聞の事件として、どうにか因果関係を結ばなくてはならない。そこで異様な数のビデオやオタク趣味に目がつけられ、喧伝され、多くのマイノリティーたちが追い詰められる事になった。
彼の人生は嘘だらけである。酒鬼薔薇聖斗にも感じた事だが、彼らはきっと、人間関係の構築、己の内面の暴露、といった方法がこどごとく下手くそなのだろう。その方法を教えるべきだった保護者も何もしなかったのだろう。
事件の姿に迫った本として実によく出来ている。だが、読み終えた時、ため息だけが漏れた。 -
取材力が半端ない
でも、結局ある事情がよく分からなかった
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2001年6月28日、東京高裁で宮崎事件における死刑判決(二審)が下った(2021年現在、死刑執行済)。
一審では宮崎被告に二度の精神鑑定が行われ、最初の鑑定結果では刑事責任能力を認めたものの、二度目の鑑定では「精神分裂病」「多重人格」とする二つの結果が出され、いずれも責任能力が限定されると指摘したものだった。結果的には、一審では最初の鑑定結果を重視し、死刑判決を言い渡すことになったが、今回の二審においても、川辺義正裁判長の「人格障害はあったが、精神障害はなく、完全な責任能力を有していた」として、弁護側の控訴をしりぞけることとなった。
さて、当の宮崎被告も事件から12年の歳月が流れ、すでに38歳となっている。死刑判決にも無表情のまま、自分の殻に閉じこもったままであったという。
『宮崎勤事件』の最終章で、著者は被告に対して「目を覚ませ、立ちあがれ宮崎君」と呼びかけている。宮崎被告が覚醒から抜け出すことはあるのだろうか?すべてが夢の中で起った事件と片付けるには、あまりに冷酷で衝撃的な内容であった。
計算され尽くした芝居の中で、いまだに役者を続けている宮崎被告とは何者なのであろう。本書を読んでも、吉岡忍『M/世界の、憂鬱な先端』を読んでもその答えは出てこない。歪んだ精神の軌跡は依然、混沌とした“穴ぐら”の暗闇の中にある。 -
小説よりかなり怖い。
そして描写に吐き気がし途中で断念するほど。
これが現実。
小説との違いをまざまざと見せつけた本です。 -
綿密な取材に裏付けられた本なので、読み応えがありました。リアルタイムで見ているはずなのに、意外なぐらいこの事件について知らなかったということがわかりました。
が、何が「塗りつぶされた」なのか、もっとはっきり言いきってほしかった・・・。ちょっとまどろっこしい思いをしました。
あと、巻末の池田小事件についての章はちょっとこじつけっぽく思いました。それはまた別の事件として考察しないといけないのでは? -
80年代後半に起こった連続幼女誘拐殺人事件の真相に迫るルポルタージュ。当時の捜査資料や精神鑑定書、宮崎と鑑定人のやり取りなどから、犯行の真の動機を探る…といった内容。
宮崎勤の事件はぼんやり知ってるくらいだったけど、今回詳細を知って、宮崎のあまりの異常さに吐き気がした。こんな奴に娘を奪われた家族の気持ちを思うとやりきれなくなります。この本では、宮崎は自分の作ったシナリオを演じていたのでは、というように書かれていましたが、そんなに深い考えで行動しているようには思えなかった。ただ衝動的にさらって殺して凌辱して、行き当たりばったりの適当な言い逃れをしているだけじゃないのかと思いました。自分でも真の動機なんかわかってないんじゃないのか。障害へのコンプレックスや、親の不仲など生い立ちに同情すべき点もあったのでしょうが、26歳のいい大人が何を言っているんだという印象しかなかった。何があろうと人を殺していい理由にはならない。 -
幼女連続殺人事件の宮崎勤死刑囚の真実を追求したルポルタージュ。
うーん…これ、ルポルタージュなのかなぁ。
いろんな資料を集めて、良く読み込んでますね、とは思うんだけど、なんかそこから読み取れる事実は、憶測でしかないし、そもそも話題や注目点が行き来するので、まとまりも構成もあったものじゃない。
読みにくくて、読後感はすっきりしなかったです。 -
他者の論評が別人の証言としてそのまま載っている。時系列に矛盾のある証言・考察をそのまま掲載(大量に)。これはもう著者に悪意があってやっているとしか思えない
数多くの取材、一般の人間が知り得ない証言、新しい視点から事件の暗部を照らし出す社会的意義は十分に感じるものの、ノンフィクションとしてやってはならない剽窃・創作が多過ぎる
悪書 -
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古本で購入。
1988~89年に埼玉・東京で起きた連続幼女誘拐殺人事件、いわゆる「宮崎勤事件」に関するルポ。
宮崎勤は何故あの事件を引き起こしたのか。
事件の真相を知る上で最も重要な動機を、捜査・裁判資料の分析や関係者への取材から探る。
著者は検察・弁護側が事件のキーワードとして挙げた「宮崎の掌の障害」「解離性家族」「敬愛する祖父の死の影響」に疑問を呈し、否定する。
著者の考える宮崎の動機、それは
「彼にとって貴重なビデオ作品を制作すること」
「ほんの少しの性的興味(彼にとってであるが)を満たすこと」
の2点である。
その根底に、
「劣等感と孤独感に苛まれる宮崎被告の強烈な自己顕示欲があ」
ったとする。
副題の「塗り潰されたシナリオ」というのは、「宮崎が完全犯罪のために書いたシナリオが警察によって潰された」ことを意味している。
すなわち「ロリコンのオタクが性的欲望を満たすために罪なき幼女を手に掛けた残虐事件」というのは、公判を維持するために仕立てられた“わかりやすい”犯行動機だった。
しかし実際には宮崎は「祖父再生の儀式」「多重人格」「ネズミ人間の出現」などの不可解な言動、精神異常のアピールによって「作られた狂気」を演じ、裁判を己に有利にしようとしていた、と言う。
このシナリオ云々、は正直なところ眉唾。
それを明かしたという警察庁の捜査員A氏というのが、どうも怪しい。A氏を含め、取材源のソースがあまりに匿名的すぎる。この本を読むなら、取材から得たという情報は話半分程度に見た方がいいかもしれない。
宮崎が精神異常を装った「詐病」というのは、おそらく間違いない。精神鑑定のやり取りで起きている矛盾を見れば明らかだ。
では動機はと言うと、宮崎の性癖はともかく、宮崎曰く“貴重な”ロリコンビデオを収集して自慢するため、というのがやはり大きかったのではないか。最初の犠牲者を誘拐する際の
「この子を盗もう。今なら盗める」
という供述が真相のかなりの部分を語っている気がしてならない。
宮崎の所業は鬼畜のそれであり、動機も犯行後の振る舞いも逮捕後の態度も、すべてが自己中心的で傲慢としか言えない。
2008年6月18日、宮崎勤の死刑が執行されている。
異常事件の起きる中、この事件から汲むことはまだあるだろう。 -
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正視に耐えない -
副題は『塗り潰されたシナリオ』です。
久しぶりのノンフィクションよ。
あの宮崎勤。
いまだに生々しい事件だったって思い出すわ~。
だって、この事件をきっかけに日本の社会が変わってしまった。
って言えるような事件だったんだもんね。
こんな異常としか言い切れないような事件が
海外じゃなくて日本でも起こるのか。
って信じられなかったもんね。
読んでみて思ったのは。。。。。
確かに宮崎勤は異常としか言いようがないわよ。
何を書いたって、何を言ったって、人間離れしすぎの異常としかいいようがない。
人間とは認めたくないほど悪魔化、猟奇怪奇化しちゃってるって思うよ。
人間って、ここまでそうなることが出来るんだ~。
って感心しちゃうくらい。
でも、彼だけを責めちゃいけない気もするのよ。
そりゃ~、罪としては彼を責めるべきだし、死刑って判決は間違っていないと
私は思うけど、
彼を作り上げたのは、周りの環境なのよね。
特に父親の存在が強かったと思うのよ。
そう思うと、可哀想かな~。って思ってもしまう。。。
それに、彼は一つの物に執着するの異常だったけど、
それって、みんなでもそういうところはあると思うのよね。
それが、私たちは正常な範囲でいられるだけで
彼は性格的に精神的にそれ以上になっちゃったってこと。
だから、裏を返せば、私たちもそうなる可能性が無きにもあらずなのよ。
いろいろ考えさせられる本でした。
でも、やっぱり殺人はよくないよ。 -
宮崎の手紙のアナグラムの緻密さと、生きているのか死んでいるのか判然としない少女の写真に戦慄が走った。寝てるだけ……だよね?
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狂気と正気の境界線の曖昧さ。
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この本の趣旨がいまいちつかめないままに読み終わった。宮崎を強烈に弾圧するわけでもなし、人権派よろしく擁護するわけでもない。事実を詳細に書き連ねるわけだが、正直、気分が悪くなる。こんなやつは、大きな臼と杵で人肉の団子にしてフナにでも食わせてしまえ。という感情が芽生えるが、この感情が魔の入り口なのだともいえる。なので罪は司法にゆだね裁判の結果を遵守しなければいけない。死刑確定後死刑執行。
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膨大な資料を基に書かれた本作は十分読み応えがある。
特に、宮崎の生い立ちや周りの環境には大いに興味を持った。
ただ、動機や事件の核心部分には触れきれていないのには少し不満である。 -
地上最大級の有名事件犯人、宮崎勤である。マスコミが取り上げた、幼女を誘拐して、骨を自宅に送り届け、さらに幼女の肉を食べたと報道したことによって、有名事件になった。
感じたことは、やはり本人の先天的なものというよりも、育った生活環境の問題であると感じた。その生活環境は代々にわたることも多く、宮崎の両親の責任といえば、それまでだがその親もまたしかりかもしれない。
社会人になった後も母親が会社に欠席連絡をしたりということが掲載されていたが、今もそういう人間は結構多いんじゃないか。いやむしろ増えているかもしれない。
最後に池田小学校を襲った宅間被告との共通点を見出しているが、やはり父親の死亡や、自殺を聞いたらスーッとしたというところが同じである。やはり親子関係に重大な問題があるのだろう、といっても親とトラブルが多い人間がみんな宮崎・宅間になるわけではないんだろうが。 -
未完成の人間なのか。この人の理性を覗いてみたい。
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連続幼女誘拐殺人事件である宮崎勤事件の公判での証言と生育歴から見たからの性癖とを合わせ、その矛盾点を突いている。心神喪失は彼の演技ではないかという仮説を検証するノンフィクション。
事件が凄惨であり、心神喪失者の犯罪として世間を騒がせた宮崎勤事件。
公判での心神喪失というのは演技によるものではないかという仮説を丁寧に説明している。
しかし、おそらく死刑が執行され、真実は闇の中となるであろう。
彼の心の闇もまた考えなければならないのだろうが、被害者が感じた恐怖と遺族が感じた感情は、心神喪失という免罪符で帳消しにすることはできないと思われる。
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