テーブルの雲―A book for a rainy day (新潮文庫 は 25-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101428215

感想・レビュー・書評

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  • 国文学者、林望先生のエッセイ。インターネットより少し前くらいだが、すでにコンピューターの話なども入ってくるのに対して突然、鴎外の時代に戻ったかのような文章が出てきたりするのが面白い。

    基本的に、オチは特にない柔らかいエッセイなので、気軽に読める。また、面白いとはいえ、始まりと終わりで全く違う話になったりもしない。テーマを決めたらそこからはなれないので理解もしやすいだろう。

    ところが、毎回テーマが決まっているわけでもないのか、どこか別のエッセイから寄せ集めているのか、時々はさまれる、一般論をぼんやり書いた短い文章が浮いている。

    やはりエッセイの醍醐味というのは、自分の体験を書いたものに有るのであって、一般論で説教されたくないものである。

    それはそうと、面白いのがシモネタの話。まあ、ここまで上品にシモネタを書ける人って、なかなかいないんじゃないかと思う。上品なシモネタって矛盾してますが。

    細切れで読めるので、電子書籍にも向いてます。

  • 林望先生のイギリスエッセイが面白かったので借りてみました。
    イギリスに関することは面白かったのですが日本のことや
    車に関することはあまり共感出来ませんでした。
    私はどちらかと言うと鉄道旅行ファンだし。
    多分林先生はお酒を飲めない方なのでそれもあって鉄道旅行が苦手なのでしょう。
    でも鉄道旅行だって点と線じゃないと思うんですけどね~
    そりゃあ線路に沿って走るから自分の思うままに移動は出来ませんが
    だからこそゆっくり沿線の風景や景色を楽しめるってものです。
    車でよそ見していたら事故を起こしかねませんからね、実際。
    そして自動車道よりも鉄道の方が魅力的な風景の中を走ると思う。個人的には。

  • おもしろい。おいしそう。
    林望先生の人柄に惹かれる。

  • 本を読んでいて、出会うべくして出会った、と思える瞬間がある。
    幸せなことに、この本でもそんなことがひとつ。

    それ以外に、全体を通して林さんの考えるところが滔々と書いてあり読んでいておもしろい。
    また、一日で一気読みできたのは、文章の魅力故とも言える。
    あまい/すっぱい/しほからい/にがい/からいという章立てもおもしろい。それぞれのイラストが素敵。

    このタイミングで読めたことに感謝して、☆4つ。

  • 林さんのおしゃれなエッセイ73編。
    林望のルーツがわかる。
    なるほど、文学の研究をしていたのか、イギリスでの仕事など、他の本ではわからなかったことが色々わかる。
    様々な長さの、気取らぬ短編集。共感する部分多し。

  • 「あまい、すっぱい、しおからい、にがい、からい」の五つの味に振り分けられた小さなエッセイが73本。

  • いつもながら漱石を彷彿とさせるリンボウ先生。久々にのんびりさせて頂きます。

  • 本当に素晴らしい本。短編なので、読みやすい。

  • 何につけ一過言あるハヤシセンセイ。テーマは多岐に渡るけれど、軽妙にして洒脱な文章で、するする読める。

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著者プロフィール

1949年東京生。作家・国文学者。

慶應義塾大学文学部卒、同大学院博士課程満期退学(国文学専攻)。東横学園短大助教授、ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学助教授等を歴任。『イギリスはおいしい』(平凡社・文春文庫)で91年日本エッセイスト・クラブ賞。『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(Pコーニツキと共著、ケンブリッジ大学出版)で、国際交流奨励賞。学術論文、エッセイ、小説の他、歌曲の詩作、能作・能評論等著書多数。『謹訳源氏物語』全十巻(祥伝社)で2013年毎日出版文化賞特別賞受賞。2019年『(改訂新修)謹訳源氏物語』(祥伝社文庫)全十巻。ほかに、『往生の物語』(集英社新書)『恋の歌、恋の物語』(岩波ジュニア新書)等古典の評解書を多く執筆。『旬菜膳語』(岩波書店・文春文庫)『リンボウ先生のうふふ枕草子』(祥伝社)、『謹訳平家物語』全四巻(祥伝社)『謹訳世阿弥能楽集』(檜書店)『謹訳徒然草』(祥伝社)等著書多数。

「2021年 『古典の効能』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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