オーケンののほほん日記ソリッド (新潮文庫 お 44-4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101429243

感想・レビュー・書評

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  • 2014年7月21日読了。大槻ケンヂの1995~98までの日記エッセイ。バンドマン・文筆家・テレビタレントとして充実の活動をしていたかのように見える著者だが、前年にわずらった自律神経失調症のため躁と鬱を繰り返し、また思い描いていた「熱いロッカー」と「レコード会社の意向を伺い経費を気にしつつ作曲・演奏活動する自分」に激しく葛藤する姿が「ここまで書いていいの?」と思うほどに生々しく描かれている。かつて、これほどまでに舞台裏のかっこわるい自分の姿をさらけ出したロックミュージシャンがいただろうか?ますます大槻ケンヂが好きになった。巻末には80年代、彼の高校生時代の日記も収録されており、何と言うかファンには必見か。

  • 精神の病と闘いながら、バンドの営業に芸能活動に執筆に四苦八苦し、映画にプロレスに本にただひたすら面白さだけを追求してゆく姿がこれでもかというほど事細かに記された、「のほほん日記」。
    まごうことなき、ほんとに日記。
    病気に悩まされながらも、物事に折り合いつけたり、逃げたり逃げなかったり繰り返してくうちに、ちょっとずつよくなってゆく姿が見えてくる。

    オーケンファン向けの本だとは思う。特に文化系のトークが濃ゆい、濃ゆい。私は気になるものをメモしてそのうち鑑賞したいリストを作ってるのですが、これまたメモを取るのが忙しい。

    それにしても、「全ての仕事をストレス解消の手段と考えることにしています」と心療内科の先生に話すオーケン、すばらしい、羨ましい、私もそうあらねばなぁ……と。思いました。(笑)
    実際、今現在のオーケンも、仕事の一つであるライブをとってもニコニコと、伸び伸びとされてますしね……見習いたいです。

    内容としてちょっと「おっ?」と思ったのが、エヴァについて語るオーケンですね。何ページにも渡って。
    エヴァとオーケンといえば、綾波レイのキャラクター、口調の部分が、「福耳の子供」が元ネタであるという噂とか、「何処へでも行ける切手」に出てくる「包帯で真っ白な少女」のイメージを元に貞本義行が綾波レイをデザインした……という話があるが、オーケン自身がエヴァについてたっぷりと語ってるのは珍しく感じた。
    アスカ派だそうです。
    また、筋肉少女帯ファンの方も読んでて楽しい部分がチラホラあるかと思います。特に、橘高さんの新婚ホヤホヤでオーケンがタジタジになり、「ンア~!」となってるところ、爆笑しました。(笑)
    それと、内田君……うっちーの下呂っぷり、酔っ払って大暴れの酒癖の悪さがこれでもかというほど、イメージ植え付けられますね……これもまた大変楽しいです。
    筋少凍結間際の辺りなので、バンドの派閥のようなものや事務所の亀裂や、バンドを動かすための資金問題、そのための営業活動に苦しむオーケンを見るのは心苦しい部分がありますが、日記形式のためやはりその辺りどうだったのか具体的なところがよく見てとれるので、後追いファンから見た貴重な資料になるかとも思います。

    解説にもありましたとおり、本当にオーケンは人生の、文化の先生であり、兄貴であります(私の父親と同年齢なので、第2の父と言いたいレベルです)ので、ずっと長生きしてほしいですね……影響を受け続けていたいです。

    是非お手に取ってご確認頂きたいです。

  • ブームに乗って大きくなったモノを、おんなじテンションで続けて行くのは大変だろうな。

    病に取り付かれやすい性格ってあるよな…

    星新一氏が亡くなっていた事を知った。。。

    時は気付かなくっても、進んでいるのだねぇ。

  • 人生のバイブル。筋少活動停止まで。バンドの悲哀。いつも携帯してる。

  • なぜか今更どうしてか大槻ケンジを読んだ
    何を隠そう、知る人ぞ知る伝説的バンド「筋肉少女隊」のボーカルである

    いやもうアルバム聞いてなんとなく知っていはいたけど
    ホントもうこの人はだめだな
    もう大好きになりました

    とまあ情熱的に言ったけど
    客観的に言いますと
    この本は、大槻ケンジの日記です
    紛うことなき日記です
    実は1巻飛ばしていきなり2巻からなんだけど
    1巻の最後からどうやら自律神経失調症という病気になったらしい
    なので、内容は、闘病したりレコーディングしたりライブしたり本読んだり映画観たりプロレス観たりする大槻ケンジの日々を綴ったもの

    で、何が好きかというと
    彼が好きで読んでいる格闘技の本とかオカルトの話とかちい~さい団体のプロレスとか
    そういったものの一つ一つがマニアックで
    そして、その好きなものの基準がきっと面白いかどうか、なだけという
    世間的に見てどうとか関係ない感じが
    また、彼自身の等身大の弱音吐きまくりーの愚痴吐きまくりーの熱く語りまくり―のな感じが
    好きなのです

    僕ものほほんと生きられたらいいなあ

  • 面白い。

  • 相変わらず読書はオーケン中心です。のほほん日記を読んで良かったという方はコチラも是非。読んでいない方は大槻ケンヂという人間を理解するに十分であろうこの一冊を読んでみてはいかがでしょう?病の影響もあってか非常に情緒不安定で、悩み多く、テンションの上昇下降が激しく、しかし真面目であり、適当であるというどうも憎めないキャラのオーケンが、そのまんま詰まっている一冊です。読みやすいというか、読むときに摩擦が生じないというか、つるっと一口で飲めますというか、そういったオーケンの青春時代を読みながら己の青春時代を思い返し、読んだ後はちょっと切なくなったりもします。

  • ただの日記。個人的には本編より、オマケの高校〜浪人時代の日記の方が共感できたし、面白かった。(´-,_ω-`)プッ

  • 日記
    第2作
    高校時代や浪人時代も特別収録

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著者プロフィール

1966年東京都生まれ。82年ロックバンド「筋肉少女帯」ボーカルとしてデビュー。その後もロックバンド「特撮」でも活動。その特異なキャラクターは音楽だけにとどまらず、映画、テレビ、小説やエッセイなど多岐にわたる分野で人気を集める。著作「くるぐる使い」「のの子の復讐ジグジグ」は2年連続で星雲賞を受賞。また『グミ・チョコレート・パイン』シリーズのほか『ロッキン・ホース・バレリーナ』『縫製人間ヌイグルマー』『いつか春の日のどっかの町へ』など著書多数。

「2022年 『夜の夢こそまこと 人間椅子小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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