ラブシーンの言葉 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 93
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101431024

感想・レビュー・書評

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  • 文学

  • ラブシーンではなく、文学作品のセックスシーンの描写を紹介。うーん、これって全体の流れや、前後の描写を併せて見ないと、セックスシーンの持つ意味は掴みづらい。本書のような断片的な解説では、あまり意味なさげなんだがなぁ…。ちなみに、いわゆる巨匠の作品よりは、官能小説のそれを切り取り、紹介・解説している割合が高いので、注意を要するかも。

  • 新書文庫

  • 何かの雑誌で見て借りたもの。エッチ系の本じゃなくても、このようにラブシーンはたくさんあるのだ。

  • 2009/10/26購入
    2012/10/15読了

  • おまっとさんでした、2005年に四月社から単行本で出ていたものが、待望の文庫になりました。

    あら、ちょうどいいわ、なんて調子で、お嬢さん、自分の恋愛の究極の場面に応用しようとか、または、今どき猫でもやらないラブレターを書こうとして、ちょっと参考に、なんて考えた、そこの男子高校生諸君、ちょっと待った、そんな気持ちで手に取ったら、火傷しますよ!

    これは、みんな大好き淫乱言葉満杯の一冊です。古今東西・老若男女の性愛に関する集大成です。

    もちろん、すべて類まれなる荒川洋治という、優れた紳士的なやさしい助平なまなざしで射抜かれた、失神寸前あるいは失神してしまったシーンばかりを集めた厳選マニア集です。

    他の人がやったら、当然ですが、みっともないこと甚だしい、ただの変態趣味の下着集め同然に陥る代物です。

    サントリーのトリス、じゃなかった、クリトリス(たまにはいいでしょ、おばさんギャグ!)の度アップ・フォトが掲載されてる講談社ブルーバックス『男が知りたい女のからだ』のことや、プルーストから話題の人・村上春樹や重鎮・団鬼六や名人・宇能鴻一郎までを網羅し、そして、パンティ、お尻、フェラチオ、射精、亀頭、ヴァギナなど、確信に触れる単語を媒介に、本質的な内容を紹介してくれます。

    ここに書くのもはばかれる、顔が赤くなる卑猥な一節を208編も集めた労作ですが、むかしも今も、これらの文学的行為(?)は所詮むなしいもの、やっぱり実際におこなうことの方が遥かに実感できるのに決まっています。


    この感想へのコメント
    1.ヨナキウサギ (2009/07/30)
    あらまあ、私、単行本をすぐに買って持ってました。
    御感想の最後はご同感にて。
    とはいうものの、文学的ことどもを知ってたほうが、実際の実感が深まるぞ、と思ったりもしたのでした。

    2.薔薇★魑魅魍魎 (2009/08/04)
    ひょっとして、弊害の方が多いかも。先行する言葉やイメージに近づけて実感を実体化させることほど愚行はないみたい。貧しい体験が豊富な知識によって、充実と誤解することほど滑稽なものはないかも。でも、そのうち、実際か虚構かわからなくなり、渾然一体化して幻想領域に突入するのは誰もが経験なさること、でしたっけ。豊富な経験の私には無関係ですけれど、なんちゃって。余計な返信で失礼しましたア~。

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著者プロフィール

荒川洋治
一九四九 (昭和二四) 年、福井県生まれ。現代詩作家。早稲田大学第一文学部文芸科を卒業。七五年の詩集『水駅』でH氏賞を受賞。『渡世』で高見順賞、『空中の茱萸』で読売文学賞、『心理』で萩原朔太郎賞、『北山十八間戸』で鮎川信夫賞、評論集『文芸時評という感想』で小林秀雄賞、『過去をもつ人』で毎日出版文化賞書評賞を受賞。エッセイ集に『文学は実学である』など。二〇〇五年、新潮創刊一〇〇周年記念『名短篇』の編集長をつとめた。一七年より、川端康成文学賞選考委員。一九年、恩賜賞・日本芸術院賞を受賞。日本芸術院会員。

「2023年 『文庫の読書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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