- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101432212
感想・レビュー・書評
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第1次戦後派、第2次戦後派、第3の新人、内向の世代、そんなふうに作家や批評家たちが「文学史」として色分けされていて、新しい読み手が、その分類を口にしながら作品が読まれた時代がありました。
いつのころからでしょう、そういう分類が消えて、一人一人作家が一人で立っていている時代が始まりましたが、個人的感慨で言えば、戦後派の分類が消えたときに現れた代表選手は、やはり村上春樹と村上龍の二人、ノーベル賞の大江健三郎も分類されませんが、やっぱり、両村上かなって思います。
この作品の日野啓三は「内向の世代」として登場し、ジャーナルな、あるいは社会的な主題で書いてきて、古井由吉や後藤明生とは色合いが違う人だと思っていましたが、この作品では、いかにも内向の世代の視線で自らを見つめていると感じました。
久しぶりに読み返して、あれこれブログに書きました。覗いてみてください。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202210220000/詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
過去の記憶をイノセントに描いて振り返る様な話は、読んでいて楽しくないから自分はあまり好きではない。
が、この作品には凄みがあった。“台風の眼”という表題も素晴らしく、嵐の中心(現在)とその風雨(記憶)の対比にも非常に納得のいく内容だった。 -
重い病の中、著者の生身の体験としての「昭和」が炙り出される。わたしもこういう体験をする日がくるのだろうか・・・