欲望 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.49
  • (55)
  • (81)
  • (184)
  • (18)
  • (3)
本棚登録 : 731
レビュー : 89
  • Amazon.co.jp ・本 (493ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101440149

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 期待以下

  • 小池真理子らしい、濃密な物語。
    阿佐緒の奔放さが切ない。能勢と主人公との交わりも、正己の秘密も。ぐいぐいと読ませるけれど、なんだか読後感はどっとくる感じ。

  • 三島由紀夫のオマージュ作品。
    図書館司書として働く類子は、かつて
    性的不能の青年、正巳に強く惹かれたいた。
    正巳が、幻想の様に美しい阿佐緒を求めていることを知っていて…

    因果の様に中学時代同級生だった三人は、
    互いの想いが複雑に絡まり合う。
    どんなに思っていても、体が結びつくことは
    無い正巳と類子。
    もしも、正巳が健康な青年であったら
    正巳は、阿佐緒を現実としての一人の女性として
    受け入れるだろうし、類子との関係ももっと
    あっさりしていただろうな~。

    阿佐緒は、袴田を父親の様に思い、妻として大事にされることを強く望んでいたのに
    美術品の様に美しさを鑑賞されるだけって悲しすぎる。

    自ら死を選んだ二人と残された人間は
    生きていかなきゃならないってことか。

  • 静かに引き込まれていった。なんというかこういう性的描写もあるのか。と思うような精神のエロスでした。

    インポになってしまったイケメンと繰り広げるなんとも複雑な恋愛小説なんだけど、特にどうってことないっちゃ、ない。ものすごい事件もないのに気がつくと周りの音が聞こえなくなるほどに本に取り込まれるような感覚。

    なんか、なんかわからないけど、不幸でも幸せでも懐かしくもないのに、なぜか目が離せない展開を繰り広げる主人公たち。

    なんだろう。なんだか性的な精神的な不思議な国のアリス感漂う、夢の中のの出来事のようなそんな一冊です。

    この人の小説。なんか気になる。

  • 三島作品は中学のときに何作か読んだのですが、その当時のあたしのできそこないの頭では理解できなかったので、この作品を読んで、もうそろそろ私 ちゃんと三島作品読んでみたいなって思いました。
    主人公が過去を思い出しながら 物語を進んでいくのですが、どんな悲しみも時がたてば 思い出になっていくんですよね。
    悲しみはずっと悲しみのまま、心に保存していたら 心がパンクしてしまうから、思い出になるように人間はなってるのかな。

  • 読みきったので一応感想。紳士・エキセントリックな美女・若くガテン系のいい男・語り手女性・そして起こる悲劇、という筋書きと設定で、同著者の『恋』の焼き直しという感じが最後まで拭えず。三島由紀夫を読んでたらもう少し楽しめたのかな?

  • どちらかといえば展開はゆるやかで。設定もキャラクターの性格も地味な恋愛小説。

    なんか、すごい。

    面白いか否かの判断をくだすでもなく、ただ漠然と「すごい」と思う。

    好きかどうか聞かれたらまたそれは別問題であって、なんていうか、言葉の使い回し、表現、考え方、などなど…すごいなって。

    構成は綺麗で読者を惹きつける。

    あとのことは何も具体的に言えません。

    ただ、「すごい」と。

    抽象的だけど、そんな感じ。

  • 美形で知的な性的不能者の熱い恋。その彼に恋する女性。ともに満たされないがゆえにとめどない欲望。そういう葛藤を味わわせてくれる小説。
    突拍子もない展開もなく、比較的淡々としてるがしっかり読ませてくれる文章だと思う。

  • 旅先で泊まった宿にあったから、という理由で手に取った。そういうきっかけがなければ読むことはなかったであろう。ということで、こういう出会いはおもしろい。
    しかしまあ~読んだ感想は、1997年って、こんな昔だったけか!?
    三島を根底においてるせいもあるのかもだけど、とりあえず出てくるキャラがみんな昭和~。そしてキャラクターが平気で作中未成年飲酒やら、飲酒運転やらしまくる描写が出てくるんだけど、こういうのって今でもあるのかな・・・?
    そして話の結末は、やっぱちょっと「ええー」と思った。なんていうのか、自分が道徳的過ぎるだろうが、実際にインポで悩んでる人だって世の中にはたくさんいるだろうに、こういう結末でいいの・・・?て思っちゃう。
    まあ、基本的には美意識とか価値観が私とは大幅にずれてる、ということだと思う。うむ、三島もマッチョもあんま趣味じゃねーんだ(笑)

  • 何だか『レベッカ』を読んでいる様な
    『痴人の愛』のナオミを見ている様な感覚に囚われました。

    (あくまでも、私の感覚ですので…!)

    人と人は色んな繋がり方で繋がる事が出来るのですね。

    だけど、やはり大切な人が居なくなってしまうのは淋しいなぁ。。


    お話の中で出てくる三島由紀夫。
    実は私読んだ事がないんですよねー。
    小さい頃、強烈に怖いイメージを持ってしまって、未だに三島由紀夫の本は手に取れず…。


    小池真理子の作品は今回初めて読んだのですが
    また他の本も探して読んでみよっと。

著者プロフィール

小池真理子(こいけ まりこ)
1952年東京都生まれの作家。成蹊大学文学部卒業。89年「妻の女友達」で日本推理作家協会賞(短編部門)、96年『恋』で直木賞、98年『欲望』で島清恋愛文学賞、2006年『虹の彼方』で柴田錬三郎賞、12年『無花果の森』で芸術選奨文部科学大臣賞、13年『沈黙のひと』で吉川英治文学賞を受賞。その他の著書に、『二重生活』『無伴奏』『千日のマリア』『モンローが死んだ日』などがある。
2019年1月6日から、『モンローが死んだ日』がNHK BSプレミアムでドラマ化。主演は鈴木京香、草刈正雄。

欲望 (新潮文庫)のその他の作品

欲望 単行本 欲望 小池真理子
欲望(新潮文庫) Kindle版 欲望(新潮文庫) 小池真理子

小池真理子の作品

ツイートする