欲望 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 731
レビュー : 89
  • Amazon.co.jp ・本 (493ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101440149

感想・レビュー・書評

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  • 引用になりますが解説にて池上冬樹氏がこう綴っています。「とにかく本書は女性の官能の世界を激しくきらびやかに描いた作品である。<中略>三島文学を継承した、比類なき美しさをもつ現代文学の古典といっていいだろう。」
    私の感想を自分の言葉より端的に表現していますので感想として引用させていただきました。実に美しい物語だと思います。

  • 人を愛するときに、その人を形作っている要素が一つでも違っていたら、
    その人を愛したかどうかわからない。
    漠然とそんなことを感じた。
    主人公は、彼が性的不能でなければ、こんなに彼を愛したのだろうか。

    終盤の海でのシーンが印象的で、具体的に情景が浮かんできた。
    静かに訪れる、愛する人を失う悲しみ。

    読んだ後はしばらく余韻が消えず、ぼうっとしてしまった。

  • いつものことながら破滅的

    美しい人の脆さ

  • 恋、無伴奏に続き、欲望を読み終えて三部作を読破。
    最後の解説にもあったけど、文章がすぅっと入ってきて、ついついゆっくりと読みふけってしまうー、そんな作品でした。
    読み始めてからラストまで、とても濃密な時間を過ごした感じ。
    三部作のなかでは本作が一番好きかな。

  • 感想を書くのが難しい。
    EDである男性をどう愛するのか、また自分がEDなら女性をどう愛せるのか。なんとかその壁を乗り越えられそうな、でもやっぱり乗り越えられなさそうなもどかしい感じがしました。

  • 決して叶えられることのない欲望を持つというのが、こんなにも切なく悲しいものだとは。
    それなのに正巳に恋焦がれる類子の想いが、中学生の初恋みたいで初々しいとすら思う。
    文章が美しく、きめ細やかで、たっぷりと作品の世界に浸ることができた。

  • うーん、これは究極の恋愛ドラマよね~。

    『欲望』というタイトルからすると、ちょっとエロっぽい響きがあるけど、これはそのエロさがない。
    だって、起たない男を軸にしたストーリーなんだよ。
    インポな男に恋した『私』こと類子と、インポな男に愛された女・阿佐緒の三角関係。
    こう言葉にすると安っぽく感じるけど、これがとーっても重い内容になってるわけです。
    しかも、あの大作家・三島由紀夫の本も絡んでくるのでかなり重厚感あります。

    女の私からすると「たたない」「セックスできない」って言うことは、読んで字のごとくそんなこととしか意味しないけど、男からすると言葉以上の重みと意味があるらくしくって、それは男でもなんでもないことを意味するらしい。
    私は、別にセックスなしでも生きていける人間なので、そういうことについてはよくわからないんだけど、好きな人ができれば、「抱きたい」「抱かれたい」と思うのが普通なのかな~???
    男の視点からの恋愛感をじっくり読んでみました~。

    ただ、この本、登場人物が少ない上に、中間まで同じような調子の繰り返しでちょっと前半は退屈したけど、後半はだんだん追い上げでくる感じでとてももの悲しい話になってます。
    最後、三島の本から楓の葉がヒラリと落ちてくるシーンがとっても印象的でこの本の刹那さを印象してる気がしました。

    ただ体を合わせるだけでは恋愛じゃない。セックスをしなくても相手のことを本当に好きなのが本当の恋愛だと、ちょっとわかりました。
    体の結びつきよりも心の結びつきこそが本当の本物の恋愛だと思うけれど、それは健全な体を持ってるセックスしたことある私だから言えるのかもしれない。。。。
    正巳の悲しさ歯痒さは、たぶん一生私にはわからないのかもしれない。。。。

  • すごく意味深長な内容だったと思う。
    性と愛と肉体とは切り離して考えることは出来ないのだろうか。観念的には切り離して考えることは出来そうな気がするが、現実的には難しいようにも思える。
    一方で、自分の愛を性と言う肉体で表現したくても出来ない正己の苦悩には、現段階で共感できないのが複雑だった。きっと将来読み直すときには、また違う視点で捉えることができると思う、

  • 事故により性行為が不可能になった、学友を密かに想い、また、他方では奔放な性愛に浸る主人公。
    学生時代から、性的象徴だけが目立つ同級生との三角関係も織り交ぜながら、官能小説っていうんだろうな、こういうの。

  • 古典的な感じが香る作品。三島のせいか。

著者プロフィール

小池真理子(こいけ まりこ)
1952年東京都生まれの作家。成蹊大学文学部卒業。89年「妻の女友達」で日本推理作家協会賞(短編部門)、96年『恋』で直木賞、98年『欲望』で島清恋愛文学賞、2006年『虹の彼方』で柴田錬三郎賞、12年『無花果の森』で芸術選奨文部科学大臣賞、13年『沈黙のひと』で吉川英治文学賞を受賞。その他の著書に、『二重生活』『無伴奏』『千日のマリア』『モンローが死んだ日』などがある。
2019年1月6日から、『モンローが死んだ日』がNHK BSプレミアムでドラマ化。主演は鈴木京香、草刈正雄。

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