蜜月 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101440156

感想・レビュー・書評

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  • 何もかもお洒落だったし、この短編集のテーマというかシチュエーションが最高だった。
    辻堂環はクズだしそれにホイホイついてく女たちもどうかしてるけど、圧倒的魅力のある男性を前に人間性を捨てていく女たちの様子が楽しかった。
    似たような作りの話何作でも読みたい。
    一番最初の恭子が一番傷が浅くて健全な失恋体験なのかなと思った。
    千里と知美の関係がとても良かった。
    こういう女同士の傷の舐め合いみたいなのすごい好き。

  • 天才洋画家、辻堂環が死んだ。現在はどこにでもいるような平凡な女性6人だが、過去にそれぞれが環との蜜月に溺れた。環の自由奔放な本能のままの性愛。自分勝手で修羅場にもなりそうな感じなのに、死んだ後もその訃報に触れた女性達は環との想い出をふり返り涙する。狂おしく激しい情愛、それに反するように静かな情景の描写、小池真理子さんいいなぁ。

  • なにげない日常を過ごす6人の平凡な女たち。
    彼女たちの共通点は天才画家の辻堂環と親密やそれに近い関係を経験したことである。夭逝した環の報に接した彼女たち。それぞれがかつて環と過ごした日々が三人称で語られる。奔放でバイセクシュアルでもある環は彼女たちを翻弄し、貪欲に飲み込んでゆく。海のように。寿命を縮めたのは無邪気なあまたの恋のせいであろうか。

  • 6つの恋とはいえ、似かよっている。

  • 天才画家、辻堂環が死亡したというニュースをきっかけに、環に関わった女性達が環との思い出を語るといったスタイル。
    小池版「ニシノユキヒコ~」みたいな感じでした(どちらが先に書かれたのかは知りませんが)。
    個人的に環みたいな人に魅力を感じないので、その強烈な個性に惹かれる女性達も「ふーん」という感想しか持てなかった。
    文章はいつもの小池さんらしく綺麗でしたが、ところどころ下品な表現があって、敢えて挑戦してみたのかなあと思いましたが、その点もあまり好きになれなかった。

  • 画家 辻堂環と関わりのあった女性達の話。今では皆、平凡で幸せな生活を送っている。辻堂のみ普通の生活を送る事はなく44才で死んでいく。ずっと、母親像を追いかけて、女性と平凡な生活を送る事が出来なかった。

  • 辻堂環という一人の男性と、ほんの短期間関わりあった女性たちの話。
    環さんは、とんだプレイボーイだ!と、最初の方は思うんだけど、読み進めていくうちに、彼の孤独の深さや、刹那的に深い愛情をもつそのやり方に、なんだか可哀そうになってきてしまった。

    私はでも、こんな生き方をする人は好きではない。
    環さんが好きになった、この話の主人公たちは、もともとは、他に大切な人がきちんといたり、自分をちゃんともっていた人たちだった。
    環さんが好きになるのはそういう人たちばかりで、彼が関わることで、彼女たちは何かしらを失った。
    失わせることでしか、愛せないなんて、なんて哀しいんだろう。

  •  前までは気持ちも理解できないし、恋愛小説はあまり好きじゃなかったけど、最近読みたくなってくる。
    タイトルがあまりにも濃厚な雰囲気が漂っていたし、小池真理子は基本的におもしろいし。

    6話からなるこの本は、ある1人のなまめかしいほど美しい天才美術家の男に恋する女性たちの話。全話、男が死んだニュースをきいて、衝撃を受け、男との蜜月の季節を思い出すという内容。
    どの女性も今は普通にノーマルな暮らしをしているが、男と付き合いのあるときは、理性をコントロールできなくなり、中毒のように男にハマっていっていた。 
     破滅に向かう恋愛をする人はいるものだけど、あのおちていきそうな感じは私は嫌い。 自分がなくなる感じもキライ。
    でも、読むのはおもしろかった

  • 芸術家の感受性の強い男性の、恋愛模様。
    一般人とは違う、実家の芸術家やアーティストと呼ばれるような人種の人は、こうゆう人生を歩んでいるんだろうな。

  • 小池真理子さん、好きな作家さんです。小説でミステリーを読む様になったのはこの方がきっかけでした。この本はまたちょっと独特。激しい恋愛ストーリー。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小池真理子の作品

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