恋 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (517ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101440163

感想・レビュー・書評

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  • 初、小池真理子さん。95年直木賞受賞。恋愛小説のようなミステリーのようなこの作品。
    とても魅力的な男女3人の不思議な関係。
    普通の大学生が人を殺害してしまうまでに至る流れは、学生運動の頃の時代を背景にドラマチックな世界なのだけれど、女性である主人公の心の動きは40年前が舞台であっても、私たちがかわらず共感できるもの。それは『恋』だから。
    400ページも読んでから、衝撃的な告白があり鳥肌が立ち、結末はやるせないけど感動的でした。

  • この物語のタイトルは、『恋』以外に考えられない。
    読了しての、それが最初の感想。

    今回、このお話がTBSでドラマ化されると聞き、およそ15年ぶりに読んでみた。
    主人公3人の関係はうらやましいほどに眩しく、これとははるか遠い世界に住む自分にすら、ある種の憧れを抱かせる。1人が本物の「恋」に貫かれてしまった瞬間からそれはガラガラと音を立てて崩れ始めるのだが、思い出だけは美しく、それぞれの胸の中で生き続ける……。

    人物の息遣いや風景の移り変わりがいきいきと描かれていて、読んでいる間、自分が同じ空間で彼女たちと過ごしているかのような錯覚に陥るほどだった。
    そして、自分が生まれた「昭和47年」の日本はこんな空気に包まれていたのだと、初めて“実感”させてくれた一冊になった。

  • 読めば読むほど、濃い小説だなーという感想。小池真理子は初めて読んだけど、とても濃厚で繊細な表現の作家であった。しかし、人間の中心に位置する人に恋する感情というのは本当に複雑で、衝動的で濃いものなんだなと感じた。それが、ある人は結婚、ある人は別離、ある人はもつれて殺人にまで至る。その元凶たる感情の実態を、こんなに緻密に描いた小説はなかなかないだろう。

    • christyさん
      一時期はまって読んでました、小池真理子。この本も昔読みました。この人が書く恋愛の狂気みたいなものは、迫力がありますよね。
      一時期はまって読んでました、小池真理子。この本も昔読みました。この人が書く恋愛の狂気みたいなものは、迫力がありますよね。
      2012/10/30
    • Rタさん
      christyさん
      女性の読者が多そうなイメージでしたが、男が読んでもこの何とも言えない迫力はすごい感じましたね。あまり、この類の小説は苦手...
      christyさん
      女性の読者が多そうなイメージでしたが、男が読んでもこの何とも言えない迫力はすごい感じましたね。あまり、この類の小説は苦手なはずでしたが、良かったです。ほかも読んでみます!
      2012/10/31
  • 所有している本、再読。改めてすごい話だわ。さすが小池真理子。
    1970年代、大学生だった布美子が片瀬夫婦と出会い倒錯した関係に陥っていく。布美子の恋は信太郎に対してであると同時に雛子に対してでもあり。ささやかな幸せからどんどん濃厚すぎる危うい関係に。軽井沢の別荘を舞台に描かれる美しくも異様な世界。こんなことが長続きするはずはない。そして一人の青年の出現によってこれまで絶妙に保たれていた関係が崩壊し始め、事件へと向かう・・・
    読み始めたら止まらない。布美子が片瀬夫妻を思う一途さが悲劇を引き起こす。切ないラストです。布美子はふたりに出会って人生が狂っていったけれども、それでも幸せだったのかもしれない。
    あまりにもかけ離れた世界で、自分と重ね合わせて読むことはできないけど、これぞ小説の醍醐味っていうような作品です。小池真理子ワールドを堪能。

  • 久しぶりに読書に夢中になった。
    布美子は精神的に幼すぎた。
    彼らの世界をそのまま受け止めるには若すぎて、純粋すぎた。
    大久保の言っている事が妙に私の考えと一致してしまった。私みたいなのを順応性があると言えば聞こえはいいが、道を外したらとんでもない方向へつき進んでしまう可能性がある。地獄の果てまで付いていく蠍座だから(笑)。だからこそ理性は失わずに真っ当に生きなければ。
    片瀬夫婦は布美子のような幼稚な人間を仲間にしなければ真っ当ではなくてもかしこく生きていけたような気がする。
    小池真理子さんの作品を読むのは恐らく初めてだけれど情景描写の豊かさに関心した。

  • 誰もが落ちる恋には違いない。でもあれは、ほんとうの恋だった。全編を覆う官能と虚無感。その奥底に漂う静謐な熱情を綴った直木賞受賞作。

  • 甘い恋愛の話かと思い、あえて読んでなかったのに、
    タイトルからは想像できない
    激しい
    「恋愛」のお話。恋というか、愛のような深さも感じるけど、
    けどやっぱり浮ついた恋の話なのかもしれない。
    あまりに想像を超えているので、主人公になりきれないけど、
    あまりに想像できないから
    引き込まれる。
    そんな話だった。

  • ある女の起こした悲劇的な発砲事件の、語られることのなかった全貌が、とあるルポライターが彼女から聞いた話を通じて明らかになる
    登場人物たちの関係は常識を大きく逸脱しているし、わたしは浅間山荘事件が起きたリアルな時代を知らないし、自分が物語に共感できるところは微塵もないはずなのに、熱に浮かされたように一気に読んでしまった。すごい本だと思う。

  • 再読。

    あたしが本好きになったきっかけの本。ドラマ化もあって久しぶりに読んだ。

    なんだか切ない。布美子・信太郎・雛子の関係は言葉で言い表せない。それはタイトルにも顕れてる気がする。そこらへんの恋愛小説にありがちな「恋」とは全く違うし、この一文字では物足りない気もするし、だからと言って他の言葉で表すのは難しい。

    小池真理子作品はほとんど読んでいるが、本作を読み返し、やっぱりこれが代表作で間違いないと思った。

  • 官能的な愛や人間模様の話。直木賞受賞作品。
    短編集のイメージの強い小池真理子氏だが、本作品は497ページにも渡る重厚感のある大作である。浅間山荘事件の裏で起きた女子大生の銃殺事件の全貌を描いた話、というあらすじを見たとき、「タイトルは『恋』なのに、ミステリーなのかな?」と思い購入したところ、内容は恋愛、いや、ドロドロしてるわけではないが濃厚で官能的な愛や人間模様の話だった。
    学生運動が盛んだった時代の話なので私とは35年ほど時代が違うのだが、それでもそこまで古臭いなと感じなかったのは、愛の形が不変的なものだからなのか。普段の私なら「何この恋愛模様、付いてけない、気持ち悪い」と敬遠してしまうはずなのに、本作ではこんなにのめり込んでしまうほどの愛の経験をした布美子が羨ましくも感じた。男女の愛だけでなく、人としての愛の描写が、刺激的だった。
    軽井沢のイメージが追加更新されたなぁ。

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著者プロフィール

小池真理子(こいけ まりこ)
1952年東京都生まれの作家。成蹊大学文学部卒業。89年「妻の女友達」で日本推理作家協会賞(短編部門)、96年『恋』で直木賞、98年『欲望』で島清恋愛文学賞、2006年『虹の彼方』で柴田錬三郎賞、12年『無花果の森』で芸術選奨文部科学大臣賞、13年『沈黙のひと』で吉川英治文学賞を受賞。その他の著書に、『二重生活』『無伴奏』『千日のマリア』『モンローが死んだ日』などがある。
2019年1月6日から、『モンローが死んだ日』がNHK BSプレミアムでドラマ化。主演は鈴木京香、草刈正雄。

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