- Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101440200
作品紹介・あらすじ
その果てに待つものを知らず、私はあなたを求めた-。多感な響子は偶然に出会った渉に強く惹かれるが、相手の不可解な態度に翻弄される。渉に影のように寄り添う友人の祐之介と、その恋人エマ。彼らの共有する秘密の匂いが響子を苛み、不安を孕んで漂う四角形のような関係は、遂に悲劇へと疾走しはじめる。濃密な性の気配、甘美なまでの死の予感。『恋』『欲望』へと連なる傑作ロマン。
感想・レビュー・書評
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不穏な雰囲気が最初から漂っているのだけれど、幸せなオチではないと気付いてはいるのだけれど、、どうしても続きが気になってしまいました。
高校生にしてはませている響子が主人公ですが、駆け引きや計算で人付き合いしないところとか、いざという時に大人には劣るところとか(渉とうまく2人きにりなれた時の喜びようは切なかった)、、若いならではの純粋さ故の結末が衝撃でした。
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あの嵐のよるに、、、
あの日のことは忘れもしない、、、
的な冒頭から始まり、絶対に誰か殺される。
犯人はこの私が怪しい。と睨んでいたところ。まさかのボーイズラブ。
!!!!!変死体が!って話になる、、はず!!!っと、ミステリタッチの話の進み具合で、犯人についつい目星をつけてしまったよ。
よく考えたら、私読んでるの小池真理子だった。
あーいつもミステリだから、たまには恋愛モノでも、、と思って借りたんだったー!!!!!
小池真理子ならミステリって感じではないよな、、、
刑事出てこないなぁ。とも思ってたんだよね。
何度も何度も。小池真理子の本だってこと忘れて、事件の発展を願ってしまったわたしでした。 -
悲劇だなぁ。60年代の青春を舞台にした恋愛ミステリー?まず、学園紛争用語がほとんどわからなくて苦戦した。アジビラ?ノンポリ?ゲバルトローザ?始めはウィキペディアで調べてたけど面倒になってきた。そして物語のキモとなる秘密にすぐ勘づいてしまったので、物語を読み進む面白さは半減してしまった。けれど主人公響子の不良ぶってるけどお嬢ちゃんな感じが、こっ恥ずかしいような理解できるような..好きじゃないけど共感できるような。ラストにかけてはわかっていても胸が痛くなった。現代なら全然違った展開になるのかもしれないなぁ。
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結末はハッピーではなく、また嗜好は分かれるであろう作品であり、ある程度自分に余力がある時にお勧めします。
心情の描写が緻密である。
恋愛小説であり、人生とは、という小説でもある。
多感な高校性の若いゆえのゆらぎ、この年代の独特の背伸びや虚栄、自由な時間が多いゆえに内向に傾倒する気質、心情が丁寧に書かている。
ストーリー展開は、先が読めてしまう人もいるかもしれないが、まとまりの良い心地よい小説。
転機にある人は何かヒントを得られるかも。 -
若いときの恋の憂鬱でもあり燃えたぎるものでもあるエネルギーを感じるものでした。性好についてはまああの時代はという感じでした。
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何度か読んでいるがまた新鮮な気持ちで読み終えた。コインが落ちていく最後の電話。
あれが最後に見た渉の笑顔だったと思うと、切なさがこみあげてくる。渉は本当に穏やかにわらつていた。心になんの翳りもない青年のように。
結果としての別れ、後から気づく別れは寂しいものだなと思います。 -
セピア色の情景とクラシック音色が浮かんでくるような作品。
エマが少女の恋への純粋さそのものを現していて、流れのスパイスとなっていてよかった。 -
ズタズタにやられた。ラストは衝撃すぎて叫んじゃった。
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「欲望」からの「無伴奏」。
三島由紀夫が再びチラッと出てきていた。
渉と響子。美しくきれいだからこその悲しさが垣間見える
小池さんの小説は音楽が出てきたり、美しい庭の表現があったりと 頭の中できれいな情景が浮かぶ
今回も カノン、アダージョ、悲愴…と、少しかなしい曲が使われていて 話しの予感を感じさせる