晏子(二) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101444222

作品紹介・あらすじ

太公望以来の斉の悲願、東方の国、莱の併呑。その重責を一身に負った将軍晏弱は僅か五千の兵でそれを成し遂げると宣言した。迎え撃つ莱の智将王湫は一万の精兵を束ね、虎視眈々と斉軍の到来を待ち受ける。圧政に苦しむ敵国の民。彼らの命を何よりも尊ぶ人倫の人、晏弱のとった戦略は凡百の策士には及びもつかぬ大胆なものだった。策略と計略が水面下で激しく交錯する緊迫の第二巻。

感想・レビュー・書評

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  • 口からだした言葉が、どれほど自分の胸にかえってくるか、他人の反応をみるよりも、それの方が晏弱にとっては大切であった。

  • 感想は最終巻にまとめたい。

    晏弱の機転と人柄の細かさ
    晏嬰の成長。

    姜斉の行末はどうなるか。
    晏弱の死はこれからどうなるなか。

    ますます期待したい。

  • 感想は最終巻に。

  • 【概略】
     春秋時代の中国、周王朝の下、各国が権謀術数の駆け引きをする時代、斉の霊公は斉の東側に位置する莱という国を欲していた。斉の始祖・太公望以来の悲願である。霊公はその重要な任務を晏弱に任せることとした。莱という国の、物質的な制圧のみならず、人民の心をも掌握する必要を感じた晏弱は、想像を超える戦略をとる。晏弱の計は、莱の智将を抑え、見事、完遂なるか?春秋戦国時代に名を馳せた人倫の人、晏弱、そしてその息子である晏嬰による壮大な歴史小説・第二巻。

    2020年02月17日 読了
    【書評】
     第一巻を読了し、そのまま続けて読んでしまった!止まらない(笑)
     前作に引き続き、何度も言う。小説は歴史を扱っているものとはいえ、エンターテイメントなんだよね。だからどういった化粧がされているか?それはわからない訳で。事実と真実の違いであったり、どういった演出が上乗せされているかという点を差し引いて楽しむ必要があるし、その演出等に口を挟むのは野暮だと思う。そういった要素を前提としつつも、ストーリーの展開にハラハラするし、登場人物の心の模様も、刺激的。
     前作と比較して今作は晏弱に息子・晏嬰が誕生、その成長にも目が離せない。「当事者」としての晏弱と、「父」という立場の晏弱の心情の変化、これもまた楽しみの要素として加わるのだよね。「もどかしさ」というテイストが加わって、面白くなる。ラストに「えぇ?!」ってなるけど(笑)
     さらに今回は、メモをとりたくなった言い回しがてんこ盛り。
     
    〇父というものは、どうやら、死んでからでないと、子を教えられぬものらしい。

    〇物を動かせば利が生ずるということをはじめに考えついたのは紀元前11世紀ころの商の国民であったから、商人の呼称はそこに由来する。

    〇人が鋭敏さをあらわすことは、けっきょく自身にとってなんら利益をもたらさないという。

    〇人は目にみえることしかわかろうとしないことが多い。

    〇人は目にみえるものを信ずるが、そのことにはかぎりがあり、けっきょく、人が本当に信ずるのは、目にみえぬものだ。

    〇人を祝うべきときに祝うことのできぬ人は、その悪声がおのれにふりかかってくるものです。

    ちょっと紹介するだけでも、出てくる出てくる。スピーチはストーリーで語れ、人はストーリーに魅了される・・・なんてものに通じる内容なんだよね。

     第三巻からまた大きく展開する模様。ヤバい・・・読む時間、あまりないのに・・・また手に取って読み進めてしまいそうだ(笑)


  • 「battle」と見えて、実は「war」。
    「敗北」と見えて、実は「布石」。
    二度読むと、なお味わい深い。

  • 将軍としての晏弱による莱攻略が主。それから、晏嬰が世間に鮮烈な形で登場する。そして、物語からの晏弱の退場。引き続き三巻へ。

  • 戦いおもしろい

  • 萊の平定、晏嬰の成人と、あれよあれよと話が進むが、巻末に訪れる晏弱の死はとにかく悲しい。

  • 晏弱、死す。
    残される者たちに、何を残すことか出来たのか。

  • 将軍として抜擢された晏弱が、莱を攻める。
    後半では、晏子が成人。

    策略をもって寡兵で攻める戦略に引き込まれた。

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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