晏子(三) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101444239

作品紹介・あらすじ

晏弱は死んだ。斉は偉大なる英傑を失った。幼少よりその天才を発揮した息子晏嬰は古礼にしたがって三年に及ぶ篤い服喪に入った。斉は周王朝の意志を奉じて魯の攻略を繰り返す。魯は援軍をもとめ、晋傘下の十二か国の大連合軍が魯のために集結した。襲いかかる連合軍の怒濤の駆塵。軍師も軍略もない斉軍は連合軍の猛攻をどう凌ごうというのか…。

感想・レビュー・書評

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  • ようやく晏嬰の物語が始まった。礼が重んじられた春秋時代において、自分の礼に則った行いがどのように大衆や諸国に支持されるのかを理解しているのだと感じた。決して勇名をはせることを目的としているわけではないが、そのように支持を得られているからこそ、時の宰相や国王を勇めたとしても、無事であったのだろうと思った。礼をつくしているからこそ、さらにおおきな活動ができているのだと物事の連なりを感じる。最終巻も楽しみ。

  • 感想は最終巻に記載したい。

    晏嬰の本格的な動きかと思いきや…

    箸休めではないが、こういう巻があってもいいかも。

    最終巻に期待。

  • 感想は最終巻に。

  • 【概略】
     父・晏弱の急死は、斉の国に大いなる化学変化をもたらした。息子・晏嬰は古いしきたりに則り三年に及ぶ服喪に入った。小さな小屋で霞を食むような形で父・晏弱を悼む晏嬰の姿は、斉の人々どころか当時戦いの相手であった晋の者達をも虜に。
     晏嬰の服喪による間に起きた大きな変化、その変化の渦にある斉の君公と臣下達。服喪を終えた晏嬰を待っていたのは。壮大な歴史小説、第三巻。

    2020年02月17日 読了
    【書評】
     け、決して言い訳じゃないよ!今日はたまたま電車での移動時間が長く(片道1時間の往復2時間)、PCのBIOS設定が勝手に変更された=メールも何も触れなかったから読了できたんだよ!サボってた訳じゃないからね!
     周辺の国々との闘争、国内での政乱といった形でアップテンポに進んだ第一巻第二巻と比べてこの第三巻は少しゆっくりと進んだ感があった・・・とはいうものの、第四巻につながる大いなるうねりを感じつつ、だったね。
     相変わらず至言が多い。「諫言とは?」というくだりなんか、腑に落ちまくって落ちまくって、逆に内臓が菊門から飛び出すのじゃないか?と心配になったぐらい。インターネット黎明期のテキスト文化の時代などは、肩書きや功績とか関係なく正論は正論、なんてあってさ。やたらめったらトラックバックとかうってて。もちろん、正しいことは正しいのだけど、それを真っ向からぶつけられた相手が、その論を受け入れるかどうかは、ちょっと別な話なんだよね。特にその相手にとって耳が痛い話ならなおさら。ここで「諫言とは?」ってところでは、「諫言する側の心得」が説かれててね。なるほど!と思ってしまった。
     車上では才能を発揮する荘公が、政事・・・というか、人心掌握にはてんでダメダメってのも、なんともよくある話過ぎて・・・「こいつといると面白い・ワクワクする」って、どうやったら思ってもらうこと、できるのだろうね。
     ホラー映画大好きな自分だけど、今回は「うへぇ」と思った表現、というか風習(?)を目にしてしまった。それが「醢(かい)せよ」。荘公の言葉なんだよね。醢は、しおから、らしいのだけど、人間の塩漬けのことを指すらしくてね。ここでは(荘公にとっての敵である)夙沙衛という宦官の遺体を切り刻んで、塩にひたしたものを、臣下に食べさせるという・・・殺してもあきたりないときに、そういうことをするそうな。・・・ってか、食べさせられる臣下の気持ちは・・・???踏み絵のような形で、何かを試されているのだろうか・・・。さすがにこれはちょっと「おぉぉ」となって、口の中がしょっぱくなったわ。ちょくちょく使おうかなこの「醢せよ」。エグいわ。
     さて、残るは最終巻である第四巻。手が・・・伸びる!


  • 前巻までピンピンしていたお父さんが、いきなり冒頭で死んでしまうという構成に衝撃!

    しかし、この巻、主役は晏子ではないのでは...

  • 晏嬰は三年にわたる服喪へ。斉の国は内憂外患。引き続き四巻へ。

  • アンジヤクの方が・・・・

  • 何度目かの再読。

    ー荘公にとっての真の臣下は、晏嬰しかいない。かなしいかな、荘公はほんとうに自分を敬愛してくれるものをみぬけない。

    哀しみと感動で読み進める第3巻。
    社稷の臣とはこうあるべきだと語られる一方、崔杼の悲しみが胸を締めつける。

  • 晏弱は死し、晏嬰は喪に服し、斉は迷走する。

  • 晏子の服喪から崔杼の謀反まで。

    慕われた人かもしれないけれど、晏子よりは晏弱の方が魅力的。晏子は、上の人だったらどうも面倒な感じがして。。。

  • 晏嬰〈あんえい〉は礼を尽くして単刀直入に真実を語った。簡にして要を得た言葉に感情の臭みはない。諫言の難しさはここにある。積もりに積もった感情があれば怒気や怨嗟(えんさ)となって主の人格を攻撃しかねない。晏嬰〈あんえい〉の心は晴朗(せいろう)であった。

    http://sessendo.blogspot.jp/2014/01/blog-post_4.html

  • 意外にも、ほとんど崔杼の視点で話が進む。
    そうして読んでいくうちに、妙に崔杼に肩入れしている自分がいた。
    ただただ崔杼の計略の成功を祈るばかり。

    しかし、宮城谷作品において陰謀の黒幕が終わりを全うした例がないような…

    これは急ぎ四巻を買わねばなるまい…

  • 1巻2巻に比べると格段に退屈だった。理由は明快。主人公晏子である子・晏嬰が、父・晏弱の喪に服すといって、3年間たてこもっている次期の物語だからだ。つまり晏子の痛快な戦略や説法、心意気といったものがなく、単に晏子以外の人々の政治勢力抗争が繰り広げられるだけだった巻である。次の最終巻に期待!

  • 宮城谷昌光さんとの出会いの一冊です。
    それ以来、夢中になりました。
    そんなこともあり、新鮮さも手伝い、思い出の一冊です。
    どの本から入っても、面白いと思います。
    天空の舟、重耳、晏子が私のベスト3です。

  • 晏子〈全3巻〉 (新潮文庫)
    紀元前500年 斉の国を晏弱、晏嬰の父子が他の豪族達から守っていく。斉の公、国民からも愛されていた人物 崔氏の滅亡も理解しやすい

  • 4101444234 443p 1999・2・20 6刷

  • 2巻の後半で華々しく世に現れた晏嬰に父の死が訪れる。父以上の器量、人格を備え始める晏子に幾多の苦難が待ち受ける。

  • ★2009年61冊目読了『晏子 第3巻』宮城谷昌光著 評価B+

    晏弱は苦しむこともなく病死し、息子の晏嬰の時代となる。しかし、斉は、霊公が長子の太子光を廃嫡し、愛妾の子、公子牙を後継者と決めたところから、それぞれを推す勢力の争いとなり、霊公が病死するとその争いは一気に先鋭化して、結局太子光が勝利して荘公となって斉の統治を始める。しかし、その人格の問題は、国の乱れにつながり、晋、魯その他の各国との争いに明け暮れとうとう晏弱は荘公と袂を分かつ事となる。

  • 0.5.13

  • 父安弱をなくし、喪に服す安嬰、しかもその喪の服し方は、古代の方式に、のっとったもので、この時代行なう人はいなかった
    礼儀を省みず勇力をたのむ斎王に,諫言を繰り返しついには、領地を返納し、安嬰は野に下る。しかし、斎王の暗殺を機に内乱に向かう斎を救うため再び安嬰は、立ち上がる

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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