玉人 (新潮文庫)

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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101444253

感想・レビュー・書評

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  • 宮城谷作品というと、2〜3巻におよぶ長編が多いんだけど、この『玉人』は短編集なので、初めての人にぜひお勧めしたいな。どの作品も、すごく個性的で魅力的で、最初の1ページでぐいぐい引き込まれて、あっという間に読まされてしまう。全部読んだ後、「どれも似たようなのばかりじゃん」って、がっかりすることはないと思う。登場人物は多分すべて歴史上本当に存在した人物。世界史で習ったような王朝の樹立者から、思想家、史家など、「あ、知ってる!」みたいな発見もあって面白い。

  • 女性を中心にした6つの短編です。
    何時もの重厚さは影を潜め、やや軽い仕上がりです。
    ミステリータッチあり、ややエロティシズムありと宮城谷さんの作品としては珍しい部位に入ると思います。
    やや尻切れトンボ的な作品が多く、なんだか充分に書き込めてない印象を受けました。

  • 宮城谷さんの文章を読んでると、高潔になっていく気がする。小学生の時からそう感じていて未だに以下同文。

  • 短編集。
    宮城谷さんは長編の方が好きだな~・・・

  • ★2010年31冊目読了「玉人』宮城谷昌光著 評価B+
    短編が6つ これがそれぞれにミステリー的で人生の儚さを描き出す上質の作品群である。彼の長編の作品は、ややその物語りの中で高低があり、特に前半は冗漫、後半は急ぎ過ぎで食傷ぎみであったが、この短編集では 彼の作家として力量が十分発揮されていると言える。

  • 03.8.20

  • 短編で、ミステリーっぽい。推理とかもあって、中国古代を舞台にしているのが目新しいけど普通のミステリー。面白くなくはないけど、物足りないかな。ただ、この時代背景の中でふつうに生活する人々を眺めるのは楽しい。この本の解説は私はいまいちです、解説者にはファンが多いと思うのでふせますが。えへ。

  • 宮城谷さんといえば、「介子推」「重耳」など、ちょっとひねった視点から中国史上の人物を描いた長編小説を思い浮かべるのですが、これは女性(というか男女の仲の深さ)をテーマとした6篇の短編集です。タイトルの「玉人」がいいですね。「玉(ぎょく)のように美しきひと」って、うーん、ロマンチックだわー(笑)。お話はどれも、非常に品よいセクシーさ(とはいっても軽いお色気ではないので、読んでて「うわーっ!」とじたばたしてしまうこともしばしば:笑)と謎めいた雰囲気が素敵な短編集です。ミステリーというより、不思議な運命の織りなす物語という印象を受けました。英雄はひとりも出てこず、ほんとうに宮城谷さんの作品?と思ってしまう感じですね。どの短編が好きかというのは甲乙つけがたく…まとめて楽しんでいただきたい本です。

  • 短編小説が6編の恋愛物。

  • 宮城谷さんにしては珍しく、男女の色っぽい話を6つ集めた短編集。私が今まで読んだこの作者の作品はあまり色っぽいエピソードは出てこなかったように思う。色っぽい話と書いたが、色っぽいエピソードも含まれているが、結局は古代中国を題材にして、人生観を書き出したもの。「風と白猿」はミステリー風な味付け。それも宮城谷さん的には珍しかった。【2007年4月30日読了】

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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