楽毅〈4〉 (新潮文庫)

著者 : 宮城谷昌光
  • 新潮社 (2002年4月25日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (518ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101444307

楽毅〈4〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 流浪の身であった楽毅を燕の昭王が三顧之礼で迎え入れ、歴史に残る斉との戦いへ。全四巻通しての感想は、資料の少ない中、楽毅がちゃんと息をしていて、宮城谷さんは凄いな、と。最後まで主君に恵まれない、とも見えますが、自分をまげない生き方をしたとも言えるのかも。こういう時代ですもんね。ともあれ、楽しく読みました。

  • 魏王の客として小国・燕に赴いた後、燕王の懇請によって燕に留まった楽毅は、燕王の志を輔け、燕を遥かに凌ぐ大国・斉の七十余城を降し、諸国に威名を轟かせる。燕王没後の冷遇があるから余計にそう感じるのか、燕王と楽毅との交流が清潔で心地良い。第4巻まで読み進めてきた読者も、楽毅の心をなぞったように、労苦が報われた心持ちになるのだと思う。

    史書を読み比べ、ときに最も正確であろうものを採り、ときに矛盾した記述を公正に提示しながら、物語を紡ぐ作者の文章は変わらず説得力がある。地に足をつけたうえで、華を感じさせる、読み応えのある歴史小説。

  • 楽毅という人物を知る人は、それほど多くはないと思う。この4巻の解説で、秋山駿さんも、「何一つ知らなかった」と書かれている。世の中でそれほど知られていない人物を有名にしてしまう、この小説家の力量は素晴らしい。

  • 楽毅は孫武・孫臏が兵法の由緒正しき伝承者とぞなりしか。融通無碍なる有様は、世に数多ある「孫子読みの孫子知らず」の武将と比ぶる術もなし。孫子・管仲を輩出したる超大国・斉を燕の如き弱小国が霊丘にて征したるは、兵法を礎とせし楽毅がイノベーションにして、根拠なきイリュージョンに非ず。莒と即墨をあへて攻めざるは、楽毅が武士道たり。昭王亡き後、楽毅を追放せし太子・恵王は暗君なれど、狐祥・楽間を誅せざるを見るに、未だ恵王の仁、滅せざるは救ひなりけり。我が身も弱小会社のイノベーションに向はむ。その前に孫子を読むべし。

  • 漫画キングダムから派生して、一世代前の大将軍楽穀の物語を堪能できました。

    キングダムでも有名になった、楽穀が率いた合従軍が斉を滅亡寸前まで追い込みます。

    白起や廉頗もちょっと出てきます。

  • 燕の昭王に気に入られ、燕の将軍となった楽毅の活躍を描く最終巻。

    小国である燕が超大国である斉を攻略するという図式のクライマックス。
    これはこの大作の前半部で悲劇的に描かれた、楽毅の祖国中山と趙の戦いを思い起こさせます。

    ところが今回は上司にも恵まれ、有能な部下もたくさん。
    そして何よりも、祖国を失ったがゆえに大きく成長した楽毅自身がある。
    彼の熟達した戦術が、怒涛の勢いで超大国を呑み込んでいくさまは、読んでいて圧巻でした。

    また、楽毅の上司である趙の昭王、この人の名君ぶりも印象的です。
    楽毅と昭王の上下関係は、本当に理想的ですね。
    孫子が説くように、そして秦の統一の基礎を作った商鞅と孝公が実際にそうであったように、偉業を成し遂げるには、絶妙な信頼のうえに成り立った上下関係が必須であるということでしょう。

    さて、「楽毅」は、全編を通して、戦争が描かれる作品であります。
    ですが戦争を描くことで、そこにある人間を描くことに成功しています。

    今は平和な世の中ですが、だれの人生にも、なんらかの難局があるはず。
    それを現代人にとっての戦争と呼ぶなら、この作品はその戦争を勝ち抜くための勇気をくれるものだと思います。
    大切なことは、勝ち抜くといっても、手段を選ばずに、とにかく勝てばよろしい!というわけじゃないということ。
    勝つことで信頼を得る、それがこの作品で生きている楽毅という名将の「見事な」勝ち方なのです。

    困った時、楽毅ならどうするか……??と考える。
    この作品を読めば、常に冷静に、謙虚に生きた名将が、読者にとっての戦争に、新しい活路を見出してくれるかもしれません。

  • 楽毅,完結!
    楽毅の勇名を轟かせることとなる,対斉の軍略が描かれた巻であった.
    しかし,そこから晩年まではさらっと描かれていったように感じられた.
    中山国時代の軍略を扱っている巻の方がワクワクしたし,感動したように思われたのは何故だろう.

    いや,中山国時代の経験があったからこそ,燕での活躍があったのだ.そして天才が才を発揮するには,その上に立つ者の資質・そして両者の信頼関係も非常な重要な要素だったのである.
    天才を用いる者の資質・信頼なくしては,天才も歴史に現れることができないということであろう.

  • 楽毅が孟嘗君とまみえるのは留学していた時以来で二度目のこと。中山は小国であったがゆえに楽毅は将軍となってからも順風満帆とはいえぬ苦境の連続を凌(しの)いできた。将は将を知る。孟嘗君は楽毅の孤独をすくい上げるように自らの思いを述べた。美しい名場面である。
    http://sessendo.blogspot.jp/2014/07/blog-post_33.html

  • 燕の将として仕え、斉攻略に活躍する楽毅。このところはようやく本領発揮といった感じで、すごいです。しかし彼を信頼してくれていた昭王が死んでしまう。訃報を聞いた彼の悲しみの深いこと。
    後を継いだ太子はすぐに悪意をむき出しにします。もし楽毅が帰国していたら、間違いなく殺されたんじゃないでしょうか。昭王の死が本当に惜しまれます。
    戦国七雄は秦と斉が強国でしたが、楽毅が斉を攻略して弱体化させたことで、後に秦が統一を果たすことになったのですね。
    やっぱり名将です。仕える主君に恵まれなかったのが残念。
    劉備亡き後の孔明とだぶります。

  • 感想は第1巻に

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