楽毅(四) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (518ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101444307

感想・レビュー・書評

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  • 楽毅4冊の集大成。最後の部分をもっと詳しく知りたいところだが、中華の歴史らしい終わりに思える。何処か孟嘗君に似ている。
    楽毅が燕に迎えられ、様々な戦いに勝利し斉を滅亡まで追い詰める。しかし、大願は寸前で滅ぶ。

  • 中国戦国時代、楽毅の活躍を描いた物語の最終巻。期待していたよりもカタルシスがある展開に、楽毅という大人物の矜持や振る舞いの魅力。個人的にはそれほど読みやすい訳ではなかったですが、4巻読み通すだけの価値がある本だと思いました。

    恵まれた環境にはなく、スポットライトも当たらない、そんな状況下で考え抜き、手を尽くし、機を逃さずに、あくまで自己ではなく王のために動く。
    凄まじいまでの胆力で、本著で楽毅が策や振る舞いを間違うことは基本的にはなく、この点では親近感のある存在ではなく圧倒的なカリスマとして描かれています。
    同じ宮仕え(といってもこちらはただのリーマンですが(笑)として自分自身の今までの行動を省みさせられます。

    しかし、楽毅の方は良い上司にはなかなか恵まれないようで、現代の方がまだ常識的なのかも。不遇の時期が続いた後に巡り合った燕の昭王。この王はそこまでのカリスマ性はないものの、目的のために自分を抑えるべきところは抑え、信義を守り、楽毅と通じ合い、良い結果を生みます。
    現実的には、完璧超人の楽毅よりも昭王からの方が学ぶべきところがあるかも?…なんて書いている時点で不敬かつ不遜ではありますが。。


  • ある意味壮大な転職物語。
    上司に恵まれない、転職を考えている人にもオススメ。

  • 楽毅,完結!
    楽毅の勇名を轟かせることとなる,対斉の軍略が描かれた巻であった.
    しかし,そこから晩年まではさらっと描かれていったように感じられた.
    中山国時代の軍略を扱っている巻の方がワクワクしたし,感動したように思われたのは何故だろう.

    いや,中山国時代の経験があったからこそ,燕での活躍があったのだ.そして天才が才を発揮するには,その上に立つ者の資質・そして両者の信頼関係も非常な重要な要素だったのである.
    天才を用いる者の資質・信頼なくしては,天才も歴史に現れることができないということであろう.

  • 人〜生楽ありゃ苦もあるさ〜。
    混沌があり、上って、堕ちての楽毅の大河
    怒涛の展開で、最後の巻が一番面白うございました。

    久々にじっくり読んだーという読後感を味わった。
    しっかし中国の国名覚えにくいアルね。

  • ・人は不運故に、胆知を練り、知恵を育てる。
    ・身内優先の仁、他者への愛である義。義をきわめることで仁にせまる。
    ・他人を侮蔑すると、感情の濃度が高くなりすぎて、精神の働きを鈍化させ、人としての成長をとめてしまう。
    ・人は両眼を備えているのに、その両眼で人を見極めることができない。
    ・失敗を心の中で引きづり続けると、起死回生の機を損なう。
    ・内を修めないで、外に力を発揮することはできない。
    ・わかるということは知ることではなく、日常と非日常にいかすことでなければならない
    ・欲をたつことが、自分を守ることになる。
    ・家族だけではなく、他人のことをおもいやり、他人の心を容れて、他人のために尽くせば、自分だけでは決して会うことのできない自分に会える。

  • 02.9.16

  • 史記にも出てくる楽毅の活躍が描かれています。燕の将軍となり連合軍を率いて、斉に雪辱を晴らしますが・・・。

  • 最後の急展開は、なかなかに読み応えはありました。
    2004/11/1

著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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