しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 389
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101445038

作品紹介・あらすじ

二代目教祖の継承問題で揺れる巨大な宗教団体"惟霊講会"。超能力を見込まれて信者の失踪事件を追うヨギガンジーは、布教のための小冊子「しあわせの書」に出会った。41字詰15行組みの何の変哲もない文庫サイズのその本には、実はある者の怪しげな企みが隠されていたのだ-。マジシャンでもある著者が、この文庫本で試みた驚くべき企てを、どうか未読の方には明かさないでください。

感想・レビュー・書評

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  • 「世界でいちばん透き通った物語」
    キッカケで、手に取った…
    泡坂妻夫(あわさかつまお)先生の
    「しあわせの書」です

    mysnaviさんのお薦め本ですね
    ありがとうございました

    仕掛けありました〰️(笑)
    (最後までわかりませんでした…笑)
    こんな仕掛けを考えて作品にするのは
    結構大変だったと思いますね~
    手が込んでいて思わず、お疲れ様でした!と
    言いたくなるくらい凄かった…
    気になっていたので読めて良かったです!!


    二代目教祖の継承問題で揺れる巨大な宗教団体。超能力を見込まれて信者の失踪事件を追うヨギ ガンジーは、布教のための小冊子
    「しあわせの書」に出会った…

    41字15行組みの何の変哲もない文庫サイズのその本には、実はある者の怪しげな企みが隠されていたのだー

    マジシャンでもある著者がこの文庫本で試みた驚くべき企てをどうか未読の方には明かさないでください…という作品でした


    序盤は、超能力や霊的な感じだったり
    宗教のお話が私としては残念ながら
    ちょっと読みにくく、入り込めないように感じてしまいました…

    でも途中からは、ミステリーという感じの
    謎にもちょっとビックリしたりして…
    良かったです!

    「未読の人」の楽しみをこわさないためだけでなく、読み終わった人の楽しみを
    こわさないでほしい、ということが
    解説にあったのですが
    それにも、ああ、なるほどね…
    と、読んでわかりました~
    面白かったですね…☆

    • なおなおさん
      皆さん、こんばんは。
      えっ!?私の感想がネタバレになってると!?
      もう遅いけどごめんなさい…(*>ㅅ<)՞՞
      書くの難しいんだもん(>_<)
      皆さん、こんばんは。
      えっ!?私の感想がネタバレになってると!?
      もう遅いけどごめんなさい…(*>ㅅ<)՞՞
      書くの難しいんだもん(>_<)
      2024/04/14
    • Manideさん
      なおなおさん、説明不足でした。

      ネタバレフラグが立っていた、、、ということで、中まで見てないです。
      なので、全然、問題ないです。
      なおなおさん、説明不足でした。

      ネタバレフラグが立っていた、、、ということで、中まで見てないです。
      なので、全然、問題ないです。
      2024/04/14
    • なおなおさん
      Manideさん、ありがとうございまーす。
      ネタバレフラグ、立ってるかな…怪しいものもある……(。>ㅅ<。)ゴメンネェ
      Manideさん、ありがとうございまーす。
      ネタバレフラグ、立ってるかな…怪しいものもある……(。>ㅅ<。)ゴメンネェ
      2024/04/14
  • ヨギ・ガンジーシリーズ2作目。1・3作目を先に読んでたのでガンジー達の動向を素直に楽しみ意外に本格ミステリーな事に感動。でも何かもうちょっとあるはずだけど‥と皆さんのレビューを読んでやっと意味わかった!あぁやっぱりすごい泡坂妻夫!

    • 111108さん
      たださん

      な、な、何ですとー!
      〈新たなヨギガンジー作品〉が3つも‼︎
      今からたださんのレビュー読んできます‼︎‼︎
      たださん

      な、な、何ですとー!
      〈新たなヨギガンジー作品〉が3つも‼︎
      今からたださんのレビュー読んできます‼︎‼︎
      2022/08/19
    • たださん
      111108さん

      そうなんですよ!
      ヨギガンジーの魅力はそのままに、物語も期待に違わぬ内容で、不動丸と美保子も健在であります(^_^)
      111108さん

      そうなんですよ!
      ヨギガンジーの魅力はそのままに、物語も期待に違わぬ内容で、不動丸と美保子も健在であります(^_^)
      2022/08/19
    • 111108さん
      たださん

      レビュー読ませていただきました!
      何だか思わぬプレゼントのようで嬉しい気持ちと、最終話読むの辛いような‥
      でも、たださんのおかげ...
      たださん

      レビュー読ませていただきました!
      何だか思わぬプレゼントのようで嬉しい気持ちと、最終話読むの辛いような‥
      でも、たださんのおかげで購入を決意しましたよ。ありがとうございます♪
      2022/08/19
  • 本書は「しあわせの書」についての物語で、本書のタイトルも「しあわせの書」だ。
    物語に出てくる本と同じ秘密が隠された本を実際に読むことになる。
    (さすがに食べることはできないみたいだが、、)

    まず中身は読まずにパラパラとめくってみると、ある規則性のあることがわかった。
    そこに何か仕掛けがあるのだろうと目途をつけて読んだ。

    しばらく読み進めるが「う~ん、さっぱり秘密がわからない。」

    33ページ目で「あっ!これか?」と気づき、前のページを遡って確認。
    「こういう仕掛けがあったのか!」

    だが仕掛けは私が最初に規則性に気づいた場所とは違う所にある。
    あー、こうすることで仕掛けを見破られにくくする効果があるなぁと思う。
    よく考えられている。

    恐れ入りました ┐(´∀`)┌

    仕掛けが分かった後は、それが気になって小説の内容に集中できなかったので、個人的に1点減点して★4です。




    ### 以下、読み終わった人へのたくらみに関するネタバレ ###

    本文中にズバリ秘密が書いてあるので、読み終わるとこの本の仕掛けがわかる。
    なのに、解説の松田道弘さんは「読みおわった人のたのしみをこわさないために、作者の大きなたくらみの解説はしない」と言っている。

    本という物の特性を利用した仕掛け小説では「逆転美人」「世界でいちばん透きとおった物語」を読んだ。
    この2冊は奇抜な体験ができる"小説"だが、この「しあわせの書」は"小説"と"奇術の道具"の二つの顔を持つ。

    副題に「心霊術」とあるが、メンタルマジックの分野で「ブックテスト」と呼ばれるものがある。
    この本自体が「読心術」マジックのネタを仕込んだ道具になっている。
    そう!私でも、この本を使えば奇術師になれるのだ。
    スゴイ(⊙ꇴ⊙)

    「読みおわって仕掛けが分かった人のたのしみ」も分かりました。

  • ヨギガンジーシリーズ第二弾。
    名探偵ヨギガンジーが謎を解き明かして行く。

    ヨギガンジー一行が登場する場面はいつもぷっと笑ってしまう。肝心な場面で偶然なのかいつもさり気なくタイミング良くそこにいるのだ。今回は怪しげな人というより"おかしな人"という印象。
    物語自体はまあまあの内容。
    トリックの名手ヨギガンジーが「しあわせの書」という冊子のトリックを見抜く。
    そしてそのトリックを今度は読者が味わうってことなのかな。
    すごい。よくこんな事を考えつく。よく書けるわ〜と感心してしまった。

    この本を読んだ者は泡坂先生との約束があるので、レビューで詳細を明かせなくて申し訳ないm(_ _)m

    • akikobbさん
      なおなお先輩、ただ先輩、111108先輩、こんばんはです!(こんばんはの敬語がわからんです笑)

      私もついに読みました〜!次は袋とじです(も...
      なおなお先輩、ただ先輩、111108先輩、こんばんはです!(こんばんはの敬語がわからんです笑)

      私もついに読みました〜!次は袋とじです(もう入手済み)

      袋とじ本、確かに開けちゃうの勿体ない気がしますよね?!なおなおさんの質問に激しく首肯しつつ、脳トレのたださん、バリバリいった111108さん、それぞれの経験談を参考にします。

      読み終わったので御三方のレビューもそれぞれ改めて読ませていただいたのですが、次の書のことも気になったのでこちらにコメントさせていただきました♪夜分に騒がしくてすみません(^_^;)
      2022/08/23
    • なおなおさん
      akikobbさん、こんにちは。

      おお!読まれたのですね(^^♪
      次の袋とじ本も入手済とのこと。
      追いつかれそう……^^;
      今からakik...
      akikobbさん、こんにちは。

      おお!読まれたのですね(^^♪
      次の袋とじ本も入手済とのこと。
      追いつかれそう……^^;
      今からakikobbさんの所へ飛びまーす!
      2022/08/24
    • たださん
      akikobbさん、こんばんは。

      「しあわせの書」、ついに読まれたのですね。嬉しくなる気持ちも分かる気がします(^_^)

      あの作品につい...
      akikobbさん、こんばんは。

      「しあわせの書」、ついに読まれたのですね。嬉しくなる気持ちも分かる気がします(^_^)

      あの作品について、どんな風にレビューを書かれたのか、とても気になるので、私もレビュー読みに行きます(^o^)
      2022/08/24
  • ※注意※
    この作品を未読で興味のある方は、安易にネタバレのレビューを読まないことをお勧めします。
    一気に読書欲が失せる可能性があります。


    ヨギガンジーシリーズ第二弾は、昔読んだことがあるが、幸いにも読み始めてから、話題の大仕掛けのトリックには気付かずにいた。

    が、途中でふと気付いてしまい(再読でもすごく嬉しかった)、二度目とはいえ、この泡坂妻夫の読者を喜ばせようと思う、この心配り・・・おそらく、この仕掛けは相当の手間がかかるだろうに、それでも自ら楽しいと思うからこそ、出来るのだろうなと思わせる、その心意気には感動とともに、尊敬を覚える。

    また、物語本編は続編らしく、一作目で「ヨギガンジー」と出会った、「参王不動丸」と「本多美保子」も健在で、不動丸は今回は役立たずかと思いきや、やはり頼りになる男で、美保子はヨギガンジーのワトスン的立ち回りが、その元来優しい人柄と相まって、すごく好印象だった。

    そして、真打ち、探偵ヨギガンジーに関しては、序盤大人しいなと思っていたら、中盤以降の物語の盛り上がりとともに、徐々に本領発揮で、結局事件を解き明かしている姿には、タイトルに迷探偵なんて付けられているが、そんなことはなく、きちんと観察眼ありきの名探偵なのである。

    最後に、くどいようで恐縮だが、本書の大仕掛けのトリックについて、初めて読む方には、パズルの最後のピースがきっちりハマったような、嬉しく新鮮な驚きに、心が満たされるであろうと思われるので、安易にネタバレのレビューは、決して読まないことを、本当にお勧めします。

    • 111108さん
      たださん、お返事ありがとうございます!

      おすすめいただいてからだいぶ時間たったのに1人で浮かれててすみません!たださんやなおなおさんとお話...
      たださん、お返事ありがとうございます!

      おすすめいただいてからだいぶ時間たったのに1人で浮かれててすみません!たださんやなおなおさんとお話してたのが楽しかったので、ぜひ報告したくて‥。
      そうなんです。ガンジー、最後はちゃんと名探偵の推理披露みたくなってましたよね。
      美保子の好奇心と観察力、不動丸の貪欲かつ真面目さ、そしてガンジーのテキトーだけど真理をついてるクレバーさ。キャラで楽しみ、ミステリーで楽しみ、読後仕掛けであんな楽しみがあり‥私の中では三部作中一番でした!泡坂さんいいなぁ。

      たださんの最近の本棚で『黄色い夏の日』に私は惹かれました。ミステリー風味らしいことと、何となく懐かしさがあるのかなと思って、この夏ぜひ読みたいと思ってます♪
      2022/07/30
    • たださん
      111108さん、返事のお返事ありがとうございます。

      いえいえ、浮かれてなんて思っておりません。むしろ、なおなおさん含め、三人で語り合った...
      111108さん、返事のお返事ありがとうございます。

      いえいえ、浮かれてなんて思っておりません。むしろ、なおなおさん含め、三人で語り合った、ヨギガンジーシリーズへの情熱を、私も思い出して、感慨に浸っているところです(^_^)

      「黄色い夏の日」は、児童書にしては、結構大人な作品だと私は思ってまして、特におばあさんの小谷津さんの内面の描写に共感し、私は彼女の気持ちが痛いほど分かる気がしました・・同世代の学生が読めば、主人公に共感できるのかな? 文学的な香りもするし、幻想的な館の描写も良いし、111108さんが読んで、どのように思われるか、すごく興味があります(^o^)
      2022/07/30
    • 111108さん
      たださん、お返事の返事のお返事ありがとうございます♪

      『黄色い夏の日』は結構大人な作品なんですね。児童書読みたいと思いつつ、生々しい悩みの...
      たださん、お返事の返事のお返事ありがとうございます♪

      『黄色い夏の日』は結構大人な作品なんですね。児童書読みたいと思いつつ、生々しい悩みのは苦手で避けてしまいがちな私にはちょうどいいのかもです。読むの楽しみです。
      2022/07/30
  • 意識的に読書をするようになって、7、8年くらいかな・・・。
    それまでは「読みたい本があれば読む」という感じだったんですけどね。
    ところが、読書の優先順位をあげてみると、読みたい本が次から次へと見つかるようになったんですよ。

    私にいろいろな本を勧めてくれるお仲間さんや読書ブロガーさん。
    そして、今はなんといってもブクログでお知り合いになれたお仲間さんのレビュー。
    みなさんのおかげで楽しいブックライフをすごしています。感謝です!

    で、今回は新聞の読書欄で知ったこの本。
    初版が昭和62年ですよ!著者のお名前は見たことがあるという程度の状況です。

    新聞にも帯にも
    「この文庫本で試みた驚くべき企てを、どうか未読の方には明かさないでください」とある。

    気になるでしょ!!

    書店で見つけることができず、それでもやっぱりリアル書店で手に取りたく探しましたが、発見できず。
    結局はアマゾンにて購入。
    私、欲しいとなったら我慢できないタチで。
    つい、ぽちっと・・・。

    なんだかドキドキしながら、秘密を気づかず通り過ぎることがないように、時折読み返しながら読んだんですけど、『企て』に気づけなかった・・・。

    えっ、なんで?

    さらに、あとがきには
    「本書『しあわせの書』には、ある大きな作者のたくらみがかくされていますが、その秘密が何であるかを解説するのはさしひかえたいと思います。・・・・読みおわった人のたのしみをこわさないためにも」

    えっ?
    確認することもできないじゃないのよお・・・。

    あっ
    今、もう一度、ぱらぱらめくっていたら気づいたかも・・・。

    おやおや
    そういうことなのかしら?
    今さらですけど、星4つに変えちゃおうかな(←げんきん)

    お話は宗教団体の後継者をめぐるあれこれと、
    「しあわせの書」という刊行物に隠された謎。
    現在出版されている本と比較すると、ゆったりした文体とゆるさ。
    今の本って複雑で盛りだくさんなストーリーなんだね。


    あぁ、ブクログのみなさんとリアルにわいわいやれたらなあ・・・と今日ほど思ったことはありません!

    あぁ、しゃべりたい!
    「ねぇ、そういうことだよね」
    「いつ気が付いた?」
    などと笑い合えたら最高なんですけどね・・・。

    レビューを書かなかったら、きっと気づけずに消化不良で終わっていたに違いない。
    レビューを書いて、ごほうびをもらった気分です。

    • vilureefさん
      こんにちは♪

      この本もこの作家さんも存じ上げないのですが、めっちゃ気になるレビューです(≧∇≦)
      もやもやする!!

      おっしゃる...
      こんにちは♪

      この本もこの作家さんも存じ上げないのですが、めっちゃ気になるレビューです(≧∇≦)
      もやもやする!!

      おっしゃる通りです。
      ブクログ始めてから私の読書ライフが様変わりしました。
      みなさんに感謝です!

      わいわい、やりたいですね。楽しそう☆
      その前にこの本読まないと参加できませんね・・・(^_^;)
      2014/03/08
    • nico314さん
      vilureefさん、こんにちは!

      >ブクログ始めてから私の読書ライフが様変わりしました。
      >みなさんに感謝です!

      ほんと、そ...
      vilureefさん、こんにちは!

      >ブクログ始めてから私の読書ライフが様変わりしました。
      >みなさんに感謝です!

      ほんと、その通りですよね。
      読書を介して人とつながり、また新たな本を紹介されることの連続です。
      アクションを起こすことでと、扉が次々と解放されていくように感じます。

      >その前にこの本読まないと参加できませんね・・・(^_^;)

      いえいえ
      >もやもやする!
      とおっしゃってくださり、コメント欄で共有できて、とても楽しいです!
      2014/03/09
    • nico314さん
      まっき~♪さん、こんにちは!

      読書は本を読んでよし、読みおわってなおよし。
      みなさんのおかげで、お菓子とお茶を片手にミニミニ読書会を...
      まっき~♪さん、こんにちは!

      読書は本を読んでよし、読みおわってなおよし。
      みなさんのおかげで、お菓子とお茶を片手にミニミニ読書会を開いているかのような、
      会話(?)と余韻を楽しむことができました!
      ありがとうございます!!

      まっき~♪さん、読まれたら感想をお聞かせください。楽しみにしています。
      2014/03/09
  •  この本は、「読者の幸せのためにーー未読の人に『しあわせの書』の秘密を明かさないでください」という注意書き、いや、作者からのお願い文で始まる。購入前に読まれることの多いであろう裏表紙にも、同じ内容の一文が書かれている。読者の幸せをこれほど大事にしてくれる書物が他にあるだろうか。作家のみならずこの本の出版に関わった全ての人と、これを読んで「お願い」を守った全ての読者のおかげで、今この本を読み終えた私の幸せがある。世界よありがとう。アワツマさん神です。
     と、なにやら怪しげな宗教に入信してしまったかのような感想を書いてしまったが、物語も、とある新興宗教のお家騒動にヨギガンジー先生御一行が巻き込まれてゆくお話。そう聞くとなんだかおどろおどろしそうに感じるかもしれないが、どこかすっとぼけたやりとりを繰り広げるお馴染みの人物たちーーガンジー先生、参王不動丸、本多美保子、そしてチョイ役ながら赤染明子と山本黒静夫(この人、私の記憶違いでなければ『ヨギガンジーの妖術』でも赤染明子とUFO談義してた先生だと思うんだけど…)ーーに加えてダンディな新キャラも登場してやいのやいの盛り上げてくれるので、ケラケラ笑ったりドキドキしながらどんどん読めて、最後まで読めばきっとあなたも幸せになれます(あれ、やっぱり怪しくなっちゃう…)。

     幸せの元は「『しあわせの書』の秘密」にももちろんあるのだが、何よりやっぱり登場人物たちが良いのだ。三蔵法師と孫悟空たちみたいに師弟関係で旅ガラスな三人組がメインキャラクターとなるわけでそれぞれ個性的なんだけれども、近年当たり前に出てくる「いじり/いじられ」とか「毒舌キャラ」とか「本当は仲が良いんだけどやたら罵倒しあう関係」みたいな“刺激”に全く頼っておらず、みな言いたいことは言うけどベースは敬語だったりと、お互いを尊重し合う姿が素直に描かれているところがとても好きだ。それでいて、食やお金や色恋などにはきちんと意地汚いという人間臭さもあって、決して聖人君子にはしていない。こういう趣味や感覚の領域の匙加減がバッチリ自分好みである作家さんに出会えてしまうと、もうこの人の出すものはなんでもきっと食べられる…!みたいな境地に至ってしまいます。今後も色々読んでいくのが楽しみ。

    • akikobbさん
      111108さん、なおなおさん、コメントありがとうございます!

      どこまで何を書いても大丈夫か、難しかったです^^;
      山本黒静夫は、本当にそ...
      111108さん、なおなおさん、コメントありがとうございます!

      どこまで何を書いても大丈夫か、難しかったです^^;
      山本黒静夫は、本当にそうだったか確認はできていないんですが、赤染明子に問われて「UFOを空飛ぶ円盤と呼んだ時点でもはや未確認飛行物体とはいえない」などと理屈を述べていた会話がクスッとおもしろかったのが記憶にあり、あの人の再登場だったらいいなあと思っています。

      みなさんとキャスティング済みだったので余計に楽しく読めました!

      2022/08/24
    • たださん
      akikobbさん

      『読者の幸せをこれほど大事にしてくれる書物が他にあるだろうか』という一文に改めて、読者の為の『しあわせの書』であること...
      akikobbさん

      『読者の幸せをこれほど大事にしてくれる書物が他にあるだろうか』という一文に改めて、読者の為の『しあわせの書』であることを、実感させていただき・・マジックを終えた後の泡坂さんが、何とも言えない素敵な表情をされるそうなのですが、まさに、そんな表情が思い浮かぶような、しあわせ感満載の御様子が文章のあちこちに、感じられまして、読んでいる私も、しあわせな気持ちにさせていただきました。
      ありがとうございます(^_^)

      それから、『お互いを尊重し合う姿』と『きちんと意地汚い人間臭さ』を兼ね備えた、人間が人間であることの素晴らしさを感じさせるのは、泡坂さんの作品の素敵なところで・・・要するに胡散臭いってことでいいですかね、って、違いますね(^^;)

      それにしても、akikobbさんは、渋いところに目を向けられますね。山本黒静夫は渋すぎるけど、UFO評論家という設定が、また面白いんですよね。

      なんといっても、「ヨギガンジーの妖術」の「心魂平の怪光」での、赤染明子との、UFOなのかUFOでないのかの、禅問答のようなやり取りだけで、数ページ費やすことが出来る、泡坂さんのセンスは、流石だなと思いましたよ。

      「生者と死者」のレビュー、気長に待ちますので、ご自分のペースで是非(なおなおさんも、いらっしゃることだし)(^o^)
      2022/08/24
    • akikobbさん
      たださん、コメントありがとうございます。

      山本黒静夫、やっぱりそうですよね!あのUFO談義ものすごくツボだったんですよ…。本当に、「あのや...
      たださん、コメントありがとうございます。

      山本黒静夫、やっぱりそうですよね!あのUFO談義ものすごくツボだったんですよ…。本当に、「あのやりとりで数ページ費やすセンス」に魅了されたといっても過言ではないです。
      彼もまた、大真面目に答えているだけなのに胡散臭い(褒めてる)、泡坂さんらしい魅力のつまった人物だなあと思ってます。

      「生者と死者」、せっかく手に入れたしすぐにでも読みたい気持ちと、なんだか勿体無くてもうちょっとおいておきたい気持ちとがせめぎあってます。(なおなおさんも、そんなことあっしゃっていたような)。今だ!という時が来るのを待ってみようかと。。。
      2022/08/24
  • 「お願い。未読の人には、絶対に本書のトリックを明かさないで下さい。」(本の帯)

    帯にこんなこと書かれてちゃついつい手に取っちゃうよね。また、最初のページには、

    「読書の幸せのために
    未読の人には「しあわせの書」の秘密を明かさないでください」

    とまで書いている。ここまで押されたらもう読むしかない、という反面(こんなにハードル上げて大丈夫かよ、オイオイ)などとも思ったがね。
    さて、気持ちを胸に読んでみた。

    物語自体はいたってシンプルで、3人の探偵役(ガンジー、美保子、不動丸)が、大きな宗教団体の後継者争いに巻き込まれて、その陰謀を暴く話。どんでん返しもあり、ミステリーとしても充分読める。しかも、そんな暑い本でもなく、また話の展開も早いため一気に読めるだろう。

    が、それよりもやはり驚ろいたのは、この本の秘密である。その秘密というのが、終盤ある人物のセリフによってネタバレされるの。この秘密を知ってから、もう一度パラパラと読み返してみたら、
    おおおおぉぉ!!
    と思わず唸ってしまった。この発想はなかった。こんな細かい神業が出来るなんて...!
    作者の泡坂妻夫は、推理小説家でありながらマジシャンでもある。そんな泡坂だからこそ、こんな遊び心満載のトリックを仕掛けることが出来たのだろう。これは電子書籍じゃ絶対に出来ない、紙の本だからこそ出来るだ。紙の本ならではの良さを存分に発揮している。
    読書した、という感覚よりは、例えば遊園地に行ってアトラクション(とくに絶叫マシン)に乗った感覚に近いかもしれない。心地よい驚きと快感。
    ミステリー好きはもちろん、一風変わった本が読みたい、普段読書はあまりしない、という人にもオススメだ。ちなみに、この本をうまく使えば、友人などにマジックを見せることも可能だろう。読んだ後、きっと読書の誰もが試したくなるはずである。

  • トリックに脱帽。
    そして私はしあわせになれた。

  • のわ~っ!!凄い!!凄いとしか云いようが無い!!
    昔から評判高く、果たしてどのような仕掛が施されているか自分なりの憶測を立て、軽い気持ちで探っていたのだがこんな超絶技巧だったなんて。

    内容は確かにしっかりしているが本来5ツ星レヴェルではない。
    しかしこの本自体に掛けられたトリックとその苦労を思えば、よくまともに話が書けたなあと感服するしかない。
    いやぁ、こんなことって本統に出来るんだぁ。

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著者プロフィール

泡坂妻夫(あわさか つまお)
1933~2009年。小説家・奇術師。代表作に「亜愛一郎シリーズ」など。『乱れからくり』で第31回日本推理作家協会賞。『折鶴』で第16回泉鏡花文学賞。『蔭桔梗』で第103回直木賞。

「2020年 『秘文字』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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