プリズム (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 122
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101451251

感想・レビュー・書評

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  • 何となく手にとった小説。たまにこんな話を読みたくなるのです。

  • 野中柊は、特徴的なふわっとした文章を書く人だなというのは知っていたのだけれど、それが優しい物語にのせられるとトゥーマッチで苦手だった。
    でもこれは恋愛もので、しかも不倫もので、彼女の文章とはちょっと一見似つかわないような内容だということで惹かれて買ってみた。

    結論から言うなら、すごく好き。
    とにかく表現の仕方に独特の色気がある。あるがままを描写するというよりもイメージを伝えようとしている感じ、日常ではなかなか見かけない形容詞を多く見かけるのもはっと息を呑むほど読み応えがある。
    文章そのものを楽しめる本であることがまず一つ。

    それから、恋愛の描き方が上品。
    不倫相手の夫の親友・高槻氏も波子も二人ともどちらかが決定的なことをするのを嫌がっていて、できることなら相手に選ばせようとし合っている、その狡い感じがどうしようもなくリアルだった。

    特に好きだったのは鍵を渡されてからの波子の葛藤。
    一度はゴミ箱に捨てて、それを拾い上げて、彼の家に行って、そんな自分を嫌悪して。
    ただ浮気ときくとまず抵抗感が先に立つが、この物語だと高槻氏に恋をしていく様子がいかにも当然のことのように感情移入できる。
    甘い言葉も決定的な台詞もなくても、波子の感情と感覚を仔細に描くだけで二人の恋がどんなものだかわかってしまう。
    文章では語られないけれど実は、ただの恋愛感情なんかじゃなくて無意識のお互いの打算と望みを反映しているあたりも嫌になるほど「あるある」でたまらない。

    ちなみに「こんなのやられたら弱いよなあ」というテクニックが高槻氏にはつまっています。女子は胸キュン必須。

    ただこの小説が抜群にいいのは、特別スポットライトが高槻氏だけに当たっているわけではなく、夫や義父母や妹や弟との関係も満遍なく描かれているからだと思う。
    彼らとの関係もそれぞれきわめて恋に近い。
    わたしは大好きな小説だし、野中さんにもっと恋愛小説を書いて欲しいと思った。

  • メロドラマみたいだな

  • うーん。
    不倫のお話。

    高槻は一体波子をどう思っていたのか。

    幸正の気持ちもわからずじまい…。

    でも、波子はきっと新しい道を切り開くことにするんだろうなーっとその後を想像できます。

    読みやすくてあっという間に読めてしまった。
    でも、不倫に救いはないわけで。

    結婚てなんだろうって思いました。

  • 文章が江國香織みたい。

    野中柊さんは絶対浮気したことあると思う。
    世の中には2種類の浮気があると思うけど(ある恋に関しての不安からの浮気か、ただの快楽からの浮気か)、その両方がうまく書かれていたから。

    浮気をする人は、そのことについて深く考えたらダメだと思う。
    深く考えたら、きっと全部を失ってしまう。
    考え出した途端、歯車がうまく回らなくなって、浮気相手とも本命だったはずの相手とも元に戻れなくなっちゃう。
    そういう怖さを知るという意味で、浮気したことない人は若い内にしておいた方がいいし、深みにはまる前に抜け出せる勘の良さや自分の中での基準を作っておいたほうがいいんじゃないかな〜

  • 好きな本。読んでとまらなくなって一気に読み終えた

  • 外科医の夫との穏やかに守られた結婚生活。自分を待ちわびていてくれる二つの実家。一見幸せで満たされた日々を過ごす波子だが、ふとしたきっかけで夫の親友、高槻と秘密の関係を持つようになり…。
    初めて読んだ作者の本。想像していたよりも意外にも心にしっくりきた。波子と夫幸正、高槻、高槻の元妻紀代美…それぞれが本当に愛すべき人のところに上手に向かっていけない、そんな中で生まれる別の愛。これは何なんだろう。ここまで身近な人間関係の中ではないにしても、ありうる話ではある。

  • あまり、この手の小説は一気読みできないタイプだけど、テンポも良くて一気読みしてしまった。

  • 非常に表現が繊細な構成の素晴らしい作品です。
    自分自身、主人公の自問に「?」を浮かべながら読んでいたのですが
    解説がまた素晴らしく、その「?」を解消すると共にこの物語の大切な点を気づかせてくれます。

  • ところどころの表現にとてもはっとさせられる。

    ただ誰もが意志を持てないというか沸き上がる感情を抑えられず、でもどこか臆病に行動に移すところが何と言うかもどかしい。
    境遇のせいにして逃げてるんじゃないわよ、と説教したくなる気分。

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