- Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101453125
作品紹介・あらすじ
新宿・職安前の託老所は、居場所のない老人たちを日中だけ預かる施設。そこでは入所者の首吊り自殺が立て続けに発生していた。警察はボケを苦にした自殺と断定するが、新入りの中村きんは疑念を抱く。果してボケた老人が自分で首を吊ったりできるだろうか?これは他殺ではないのか…。日本推理作家協会賞短編部門賞を受賞した表題作を含む、連作短編集。
感想・レビュー・書評
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ある見方をすれば、これはホラー小説である。死と隣合わせの毎日に、小さな子供がうろちょろしている。笑える所もある。しかしブラックユーモアで片づけられない、片付けてはいけない。堂々巡りだが、これはやっぱり娯楽小説かもしれない。
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怖いし後味も悪いけれど、いつか歳を取る人は全員、絶対に読んでおかなければいけない本だと思う
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お気に入りの本。
人に貸したら返ってこなくなったので、2度目の購入。
今、絶版になってるらしい。
なんていうか、
悲しいけれど優しい物語。
【痴呆症】【老人介護】という問題を深く浅く考えさせられる本。
時々、ぞっとする。
昔読んだときと
違う意味で、また泣けてきた本。 -
託児所ならぬ託老所で、利用者の老人たちが次々と首をつって自殺をする話し。
ミステリ好きならばだいたい予想がつくことだけど、犯人は託老所の利用者全員。
ぼけ初め家族からも厄介者扱いされる老人たちは、迷惑をかけて肩身の狭い思いをする。
家族にも、受け入れられなく、社会にも見捨てられた老人が選ぶ選択肢としては首吊りしか残されていなかった。
そんな重いテーマにもかかわらず、どんよりとした圧迫感もなく、ただ老いとともに誰にでも迫りくる死というものをユーモアな文体で描けるのは流石鈴木輝一郎。
エンディングのオチは予想がつくものの、予想がつきながらも上手いなぁと感嘆してしまう良作。 -
かなりブラックユーモア。心打たれるものもあったが、他人事のようには思えず薄ら寒くなったのも事実。福祉の現場に居た身としては痛い。
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ブラックな笑いのなかにも温かさあり。年とってボケたら私はどうしよう?