一九三四年冬-乱歩 (新潮文庫 く 20-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101456218

感想・レビュー・書評

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  • くるたんさんのレビューを見て読み始めました

    もともと、江戸川乱歩が好きなので、このタイトルですぐに読みたくなりました。

    外国人ばかりが逗留する張ホテルや怪しい娼館など
    いかにも江戸川乱歩らしい世界観、昭和の初めの
    空気感とか、大好きな感じでした…

    その中で江戸川乱歩が作品づくりに苦悩する様や
    妄想する様、ちょっとのことに怯える小心なところもすごく人間味があってより江戸川乱歩がすきになりました。

    あらためて、江戸川乱歩の作品が読みたくなりました。

  • 一九三四年、冬。スランプに陥った乱歩が身を隠すために滞在したホテルでの四日間の物語。
    怪奇小説を書きながらも怖がり、小心者という可愛らしい一面、ありとあらゆる''毛''に悩む姿、ひしめくライバルに取り残されそうな不安感といい、もう誰もが悩むような当たり前の姿が微笑ましく、なんとも親近感のわく乱歩先生だった。
    作中作の妖しさはもちろん、シンクロするようなホテルでの数々の出来事。
    まるで夢の中のような幻想的な雰囲気も味わえた濃密な四日間だった。

  • 気の利く美青年がお世話してくれるアールデコまがいのホテルなんて…
    行きたいじゃないか!

  • 久世光彦が描く幻想小説って感じかな。
    乱歩ってだけじゃなくて、久世氏の好きなものがたくさん散りばめられてる気がする…。急に楽譜挟まっちゃうのとか、久世光彦すなあ…。

  • めちゃくちゃ好きな世界観

  • 乱歩にそれほど詳しいわけではないのだけれど、これだけファンの多い作家を描いて、時代の匂い、独特な作風を再現するのがすごいことだというのはわかる。山本周五郎賞キャンペーン。

  • 2011.01.28

  •  昭和の探偵小説家、江戸川乱歩がスランプを脱すべく、ホテルにこもった数日間を描いた小説。
     美青年の中国人従業員や、探偵小説好きのアメリカ人の人妻に興味を惹かれながらも、乱歩は起死回生となるべき短編『梔子姫(くちなしひめ)』を一心不乱に書き始める。

     作者は徹底的に乱歩の実像に迫り、神経質で小心な中年作家の生態を昭和の調べに乗って赤裸々に描いていく。そして遂にはいかにも乱歩が書きそうな奇譚『梔子姫』まで創造するのだが、徐々に完成していくこの作中作が思いのほか面白く、本編よりも気になって仕方なくなる。
     実際の乱歩の妄想と作中作の描写がシンクロし始め、全体的にモノクロのトーンで進むストーリーはまるで、作者自身が見た夢のようでもあった。

  • 1/3 読了。

  • 久しぶりにぐいぐいひきこまれる小説を読んだなあと思う。乱歩は短編集1冊しか読んだことのない自分でもとても楽しめた。あまりのおもしろさに友達に勧めまくったけどヘンタイチックな表現が多々あるので、なんだかちょっと気まずいような……笑

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著者プロフィール

久世光彦

一九三五(昭和十)年、東京生まれ。東京大学文学部美術史学科卒。TBSを経て、テレビ番組制作会社を設立、ドラマの演出を手がける。九三年『蝶とヒットラー』でドゥマゴ文学賞、九四年『一九三四年冬――乱歩』で山本周五郎賞、九七年『聖なる春』で芸術選奨文部大臣賞、二〇〇〇年『蕭々館日録』で泉鏡花賞を受賞。一九九八年紫綬褒章受章。他の著書に『早く昔になればいい』『卑弥呼』『謎の母』『曠吉の恋――昭和人情馬鹿物語』など多数。二〇〇六年(平成十八)三月、死去。

「2022年 『蕭々館日録 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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