陛下 (新潮文庫 く 20-4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101456249

作品紹介・あらすじ

陛下、金木犀の香りに包まれて、あなたに愛されたい…陸軍中尉・剣持梓は、幼い頃から繰り返し見る幻の中で、陛下への熱い思いを募らせてきた。青年将校たちの間で昭和維新が熱っぽく語られる時代、心ひかれる存在・北一輝との交流を経て、梓は静かに"叛乱"に身を投じてゆく…。史上希有な"官能的事件"ともいうべき二・二六事件の外伝、そして甘美で衝撃的な恋愛物語。

感想・レビュー・書評

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  • 2.26事件のもの?革命に憧れる若い軍人たちの思想がなんだか空虚で可哀相に思った。夢を押し付けるでもなく見せるだけの妖艶な老人に腹が立った。
    逝く時「陛下!」っておいおいw大丈夫なのかこの小説‥‥
    解説にもあったが、皆、陛下の像を前に恥ずかしく思っていたのだという、そういうお話。

  • 2・26事件にまつわるお耽美小説。
    北一輝は義眼に”とある細工”をほどこしている、という凄まじい演出が。知的なエロスとは彼のことを言うと思った!笑
    未知のものへの恐れと崇拝が高じて、敬愛なのか恋愛なのかよく分からなくなってくる……そんな倒錯的なストーリー。なんていうか……スキャンダラスでした。

  • 二・二六事件に参加する主人公を中心に、「あの方」への忠心を超えた恋慕、娼婦との恋、同性愛・近親相姦まがい等の歪な愛を描く耽美小説。
    北一輝がかなり妖しく描かれています。
    半ばネタのつもりで手に取ったのですが、思わず一気読みしてしまいました。
    エンタメとして面白いです。

  • もう何も言うことはない。
    あの方に萌えてすいません。

  • 久世氏の作品、唯一拝読したのがこの作品だというのはかなり偏ってしまっている気がします。アットフォームなドラマの演出をされる方が、こんな小説を書くのかぁ。と驚きました。
    「陛下」は1930年代の青年将校の姿を描いた作品ですが、2.26事件を主題に沿え、あの時代に倦んだ滅びの美学、殉じることへの陶酔感が生々しく描かれています。

  • 激エロ二・二・六事件小説

  • 真面目に此れを書いてしまうのが凄いと思う・・・。ありがとうございます!226BL事件簿。

  • 心地のいい湿り感

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著者プロフィール

久世光彦

一九三五(昭和十)年、東京生まれ。東京大学文学部美術史学科卒。TBSを経て、テレビ番組制作会社を設立、ドラマの演出を手がける。九三年『蝶とヒットラー』でドゥマゴ文学賞、九四年『一九三四年冬――乱歩』で山本周五郎賞、九七年『聖なる春』で芸術選奨文部大臣賞、二〇〇〇年『蕭々館日録』で泉鏡花賞を受賞。一九九八年紫綬褒章受章。他の著書に『早く昔になればいい』『卑弥呼』『謎の母』『曠吉の恋――昭和人情馬鹿物語』など多数。二〇〇六年(平成十八)三月、死去。

「2022年 『蕭々館日録 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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