しゃばけ しゃばけシリーズ 1 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 1621
  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101461212

作品紹介・あらすじ

江戸有数の薬種問屋の一粒種・一太郎は、めっぽう体が弱く外出もままならない。ところが目を盗んで出かけた夜に人殺しを目撃。以来、猟奇的殺人事件が続き、一太郎は家族同様の妖怪と解決に乗り出すことに。若だんなの周囲は、なぜか犬神、白沢、鳴家など妖怪だらけなのだ。その矢先、犯人の刃が一太郎を襲う…。愉快で不思議な大江戸人情推理帖。日本ファンタジーノベル大賞優秀賞。

感想・レビュー・書評

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  • "しゃばけ" シリーズ第一作。

    大店(廻船問屋兼薬種問屋の長崎屋)の一人息子、一太郎(十七歳)は、とても病弱で、過保護に育てられてきた。人ならぬ妖(あやかし)と親交を結び、兄同然の手代二人(佐吉=犬神、仁吉=白沢)も何故か強者の妖だ。

    無断外出の帰りに殺人現場に行き合わせた一太郎は、危うく犯人に殺されかける。その後、薬種問屋の主人ばかりが次々に殺される、不可解な事件が続く(それぞれに犯人は異なる)。

    妖が絡んだ事件とみた一太郎は、妖達の力を借りて事件の解明に挑む。そして、自らの出生の秘密を知った一太郎は、意を決して手代二人と共に犯人に立ち向かっていく。

    本作のキーワードは、返魂香(はんごんこう)、 "なりそこない" 。

    やや低年齢向けかな。妖が跋扈する、楽しい時代劇ファンタジーだった。

  • なんともふわふわと軽く、さらりと読み終えてしまった。
    ふむふむ、こういう時代小説の切り口もあるのねぇ。新しいわ。
    シリーズ第一作目らしいけど、人気のただなかにある時は
    気恥ずかしくて読めなかったが、少し時を経たことだしと入手してみた。
    ということで、自分に自分で読むことを許可した一冊。
    2001年度日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
    江戸を舞台に、大店の若旦那と、その若旦那を守る妖たちが登場して
    殺人事件を解決し、その間に若旦那の出生の秘密やら因縁やらも
    出てきて、そこはかとない人情ものにもなっている。
    それぞれのキャラクターの書き分けも上手く、事件性そのものよりも
    キャラどおしの絡みも読みどころ。

    まぁこの若旦那のひ弱っぷりが尋常ではなくて、情けないまでのレベル。
    思慮深く謙虚で優しくて、人間的には申し分ないのだが、ここぞという
    時に決まらない。
    でもそれは、とりまきの者たちも同じこと。
    どこかしら欠けた者たちが力を出し合っている。
    そして事件の謎と向き合いながら若旦那がじょじょにたくましくなっていくのが
    痛快なところ。
    最後なんて、ほとんど頼もしくさえ見えてくる。
    妖たちと通じる若旦那の才能に、羨望を抱いてしまったり。

    残念なことに意外にもテンポが悪く、中盤にかなりもたつく印象。
    端正な文章の時代小説ばかり読んできたせいか、「ここはいらないかな」
    などとエラそうに減点してしまった箇所もいくつかある。
    読みやすいことこの上ないのだが「血沸き肉躍る(古いなぁ・笑)」というわけでもない。

    でもこれがきっかけで、時代小説に新たなファンも増えたかもしれないし、
    良い方に解釈しておこう。
    真夏に、さらりと軽く一冊読みたい方にはおすすめかな。

  • しゃばけシリーズ第一弾。
    職場の人にオススメされたので読んでみました。

    元々時代物は大好きなんですが、単語や漢字が難しい…でもこの小説は児童文学のように読みやすかったです。10代から楽しめる内容ですね。

    キャラクターも個性豊かで可愛らしい。妖怪がたくさん出てくるのでファンタジー要素多めなんだけど、事件の謎解きをするのでミステリー小説のようでもありました。読み終わった後、すっきりとした気分になるのも好印象。

    畠中さんの小説は初めてなんですが、ほのぼのした平和な場面と緊張感のある場面のメリハリが上手いなぁと感じます。

    ただ、感動するような話でもないし、10年後も内容を覚えているかと聞かれたら絶対覚えてない…心に響く内容ではないですね。

    まぁでもとても面白かったので、次の『ぬしさまへ』も読んでみたいです。

  • 登場人物のキャラがいい。病弱な大店のおぼっちゃまと過保護な二人の手代(あやかし)たち。この手代たちが肝心な時に弱くて笑ってしまった。

  • 大切にされた「物」がなると言う付喪神。
    では付喪神になり損なった物はどうなるのか。

    街では薬種問屋ばかりが狙われ、襲われる事件が続け様に起こり、主人公の一太郎の命も狙われる。その折に手を貸してくれるのはさまざまな妖(あやかし)。
    妖怪好きにはたまらないストーリーにページを捲る手が止まりません。

    妖怪の葛藤や大店の後継という葛藤に考えさせられる、どこかホッとする時代小説。

    おすすめです。

  • しゃばけシリーズ1作目。
    一太郎いいやつだなぁ。
    あやかしとのクォーターなんだ。
    手代たちが親代わりなんだね。
    栄吉の今後に期待。
    言葉が難しかったけど、面白かったです。

  • 畠中恵「しゃばけシリーズ」1作目(2001年12月単行本、2004年4月文庫本)。
    20年も続いてる人気のシリーズと聞いて、家族の持っている本を手に取ってみた。舞台が現代でなく、江戸時代が舞台の時代ものも初めてで、ファンタジーものも初めてだ。リアル感の無い物語は自分には合わないと思っていたが、江戸ファンタジーなのに不思議と現実の社会と錯覚するぐらいに物語に入り込んでしまった。ひょっとしたら江戸時代ではあり得たかもしれないと思うくらいで、気持ちが和み、ワクワクし、面白かった。

    主人公は、廻船問屋「長崎屋」の若旦那、一太郎17歳だ。病弱でちょっと外出しただけで寝込んでしまうほどだ。しかし頭が良く、優しい心を持ち、物怖じしない強さを持ち合わせている。父親は藤兵衛52歳、元長崎屋手代の婿養子だ。人望も有り、頭も切れ、仕事も出来るが、人が良く少しトンチンカンなほど天然なところがある。母親はおたえ、江戸小町と言われた美人ながら少し浮世離れしたところもあるが、いつも一太郎の身体を心配している。祖父伊三郎と祖母おぎんの一人娘で、おぎんはまさかの妖で皮衣という3000歳の大妖だ。即ち一太郎は妖と人間のクオーターということになるがおたえも一太郎も人間であり、歳も取り死にもする。伊三郎は既に他界し、おぎんは訳あって一太郎誕生時から荼枳尼天という神に仕えていて、生きてはいるが同じ世にはいない。
    妖は普通の人間には見えないが、一太郎やおたえには見える。勿論藤兵衛には見えず、義母のおぎんが妖であることすら知らない。

    一太郎を5歳の時から支えて来たのが手代の仁吉と佐助で、二人ともおぎんが伊三郎を介して差し向けた妖である。仁吉は万物を知ると言われる白沢、佐助は強大な腕力を持つと言われる犬神だ。この時の二人は10歳の容姿で一太郎より5歳上ということになっている。妖が人間に化した姿は普通の人間にも見えるらしい。

    また一太郎には松之助という腹違いの兄がいる。藤兵衛の間抜けな的外れな勘違いの結果なのだが、色々あって松之助は赤ん坊の時に母親に連れられて藤兵衛の元を離れた。その母親も病気で他界し、義理の父親にも疎んじられて、「東屋」という桶屋に奉公に出ている。長崎屋にとって松之助の存在を語るのはタブーとなっているようだが、一太郎は密かに逢いたがっていた。

    そして一太郎には栄吉という1歳年上の幼馴染がいる。「三春屋」とういう小さな菓子屋の跡取り息子でお春という15歳の妹がいて、一太郎のことを好いているようだ。一太郎は妹としてくらいにしか思っていないようだが…。
    栄吉は一太郎にとって、親友でもあり、何でも親身になって話せる数少ない友達だ。唯一の欠点は菓子屋の跡取り息子でありながら、菓子の命でもある餡子が上手く作れなく作る菓子が不味いということだった。

    その他よく「長崎屋」に立ち寄って一太郎に世の騒ぎごとを話したりして、仁吉から菓子や袖の下を貰っていくのが岡っ引きの日限の親分こと清七親分で、一太郎の貴重な情報源だ。

    そして妖封じで有名な上野「広徳寺」の高僧の寛朝さんは人間でありながら妖が見えて、一太郎は妖封じの『護符』を買ったり、寄進したりして懇意にしている。同じく妖封じで高名な「東叡山 寛永寺」の高僧の寿真さんからは妖が切れる『守り刀』を手に入れる。今回その護符と守り刀が大きな役目をすることになる。

    おぎん、仁吉、佐助の他に登場する主な妖は、小さな小鬼の鳴家(やなり)、古い屏風が付喪神になった屏風のぞき、鈴の付喪神の鈴彦姫、貧乏臭い坊主の格好をした妖の野寺坊、振袖を着た小姓姿の妖の獺、老婆の姿をした妖の蛇骨婆、みんな一太郎の手足となって動く情報網だ。そしておぎんと昔からの知り合いの妖の見越の入道、仁吉と佐助も萎縮する大妖だ。荼枳尼天に仕えているおぎんとの連絡係もしている。
    以上が今回登場する長崎屋に関係する主な妖で、一太郎の味方となる妖だ。

    そして味方ではない妖が絡んだ殺人事件に一太郎が挑む。
    4件の奇妙な連続殺人事件が江戸の町に起こる。1件目の被害者は大工の棟梁、2〜4件目はいづれも薬種屋の主人や若主人。下手人は4件共別人で3人の下手人が捕えられた。いづれの下手人も薬を求めていた。そして求めた薬が無いと判ると殺害していた。
    1件目の大工殺しの下手人も大工の棟梁を殺した後、長崎屋に薬を求めてやって来て、無いと判ると襲いかかって来たのだが、逆に捕らえられたのだ。求めた薬は「命をあがなう奴」と言っていた。どうも4件とも下手人は違えども求めていた薬は同じようだ。そして強い匂いがするらしい。
    一太郎は4件とも同じ妖が4人の人間にとり憑いて操ったと推理する。そして鍵は最初の事件で大工道具が盗まれていたことだ。そしてその中に壊れた古い墨壺があった。道具も100年も経つと付喪神になると言う。その墨壺は付喪神になる寸前に壊れたかも知れなかった。
    どうしても付喪神になりたい墨壺の怨念、死者の魂を蘇らせる薬、そして一太郎がこの世に生を受けた経緯、この3つのジグソーパズルがはまった時全ての謎が解ける。一太郎は付喪神になりそこなった墨壺に護符と守り刀を持って戦いを挑む。
    一太郎を守る役目の仁吉と佐助が逆に一太郎に助けられることになるのも愉快だ。

    物語は連続殺人事件の謎解きを中心に進行するが、同時に一太郎の周りの人間と妖との関係を知ることに重点が置かれているのだろう。そして江戸ファンタジーの世界にようこそと言われているような気がする。
    病弱で床に伏せている時の方が長い一太郎だが、聡明で勇敢で物怖じせず、そして気遣いの出来る優しい若旦那だ。人も妖も一太郎のためには力を貸すのに惜しまない。これからどんな展開が待っているのか楽しみだ。

  • しゃばけシリーズを何作も読んでから1作目を読みました。
    何作目から読んでも面白いけど、やっぱり1作目を読むと色んな事がわかって良いです。

  • 読み始めましたしゃばけシリーズ。
    妖が出てくる歴史物とのことで、前評判通り面白かったです。

    ちょこちょこでてくる小妖怪?が可愛かった。(見た目はわかりませんが、表現が可愛い)

    シリーズものということで、今後どんな妖が出てくるのか、若だんなの一太郎がどんな成長を遂げていくのか、楽しみです。

  • prime readingにて
    なんとなく敬遠していたけれどすらすら読めて面白かった
    シリーズたくさん出てるから読んでいきたい

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著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2020年 『つくもがみ笑います』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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