- Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101461212
作品紹介・あらすじ
江戸有数の薬種問屋の一粒種・一太郎は、めっぽう体が弱く外出もままならない。ところが目を盗んで出かけた夜に人殺しを目撃。以来、猟奇的殺人事件が続き、一太郎は家族同様の妖怪と解決に乗り出すことに。若だんなの周囲は、なぜか犬神、白沢、鳴家など妖怪だらけなのだ。その矢先、犯人の刃が一太郎を襲う…。愉快で不思議な大江戸人情推理帖。日本ファンタジーノベル大賞優秀賞。
感想・レビュー・書評
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私の琴線に触れる作品でした。
いかんせん私は妖怪ウォッチ世代――。
妖怪愛が人一倍なのは仕方がないのです。
妖怪は最高のエンターテイメントなのです。
本作に登場する「鳴家」という子鬼が最高でした。
文章だけで、可愛さが伝わってくるのだから驚異的です。
願わくば、我が家にも御迎えしたいほどの可愛さでした。
人の世には、どうにもならないことがあります。
本作の舞台である江戸では、それがより顕著でした。
家柄だったり、職業だったり、結婚だったり――。
人には真似できないほど純粋な妖怪たちと、
なんだか複雑な社会で生きる人間たち、
ときに恐ろしいほどの情念を抱くのは、果たしてどちらなのでしょうか…。
時代小説って、お堅いイメージだよなぁ…。
と、思っていた私ですが、そんなことありませんでした!
妖怪好きな人には、ぜひ読んでほしい作品です!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
しゃばけシリーズ第一弾。
職場の人にオススメされたので読んでみました。
元々時代物は大好きなんですが、単語や漢字が難しい…でもこの小説は児童文学のように読みやすかったです。10代から楽しめる内容ですね。
キャラクターも個性豊かで可愛らしい。妖怪がたくさん出てくるのでファンタジー要素多めなんだけど、事件の謎解きをするのでミステリー小説のようでもありました。読み終わった後、すっきりとした気分になるのも好印象。
畠中さんの小説は初めてなんですが、ほのぼのした平和な場面と緊張感のある場面のメリハリが上手いなぁと感じます。
ただ、感動するような話でもないし、10年後も内容を覚えているかと聞かれたら絶対覚えてない…心に響く内容ではないですね。
まぁでもとても面白かったので、次の『ぬしさまへ』も読んでみたいです。 -
なんともふわふわと軽く、さらりと読み終えてしまった。
ふむふむ、こういう時代小説の切り口もあるのねぇ。新しいわ。
シリーズ第一作目らしいけど、人気のただなかにある時は
気恥ずかしくて読めなかったが、少し時を経たことだしと入手してみた。
ということで、自分に自分で読むことを許可した一冊。
2001年度日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
江戸を舞台に、大店の若旦那と、その若旦那を守る妖たちが登場して
殺人事件を解決し、その間に若旦那の出生の秘密やら因縁やらも
出てきて、そこはかとない人情ものにもなっている。
それぞれのキャラクターの書き分けも上手く、事件性そのものよりも
キャラどおしの絡みも読みどころ。
まぁこの若旦那のひ弱っぷりが尋常ではなくて、情けないまでのレベル。
思慮深く謙虚で優しくて、人間的には申し分ないのだが、ここぞという
時に決まらない。
でもそれは、とりまきの者たちも同じこと。
どこかしら欠けた者たちが力を出し合っている。
そして事件の謎と向き合いながら若旦那がじょじょにたくましくなっていくのが
痛快なところ。
最後なんて、ほとんど頼もしくさえ見えてくる。
妖たちと通じる若旦那の才能に、羨望を抱いてしまったり。
残念なことに意外にもテンポが悪く、中盤にかなりもたつく印象。
端正な文章の時代小説ばかり読んできたせいか、「ここはいらないかな」
などとエラそうに減点してしまった箇所もいくつかある。
読みやすいことこの上ないのだが「血沸き肉躍る(古いなぁ・笑)」というわけでもない。
でもこれがきっかけで、時代小説に新たなファンも増えたかもしれないし、
良い方に解釈しておこう。
真夏に、さらりと軽く一冊読みたい方にはおすすめかな。 -
登場人物のキャラがいい。病弱な大店のおぼっちゃまと過保護な二人の手代(あやかし)たち。この手代たちが肝心な時に弱くて笑ってしまった。
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大切にされた「物」がなると言う付喪神。
では付喪神になり損なった物はどうなるのか。
街では薬種問屋ばかりが狙われ、襲われる事件が続け様に起こり、主人公の一太郎の命も狙われる。その折に手を貸してくれるのはさまざまな妖(あやかし)。
妖怪好きにはたまらないストーリーにページを捲る手が止まりません。
妖怪の葛藤や大店の後継という葛藤に考えさせられる、どこかホッとする時代小説。
おすすめです。 -
「しゃばけ」なぁ面白いらしいけどなぁと思いながらもスルーし続けていたが、古本50円の時に綺麗な文庫本があったので購入。
帰ってすぐに少し読んでみるもこれじゃない感があってしばらく放置。
そして最近になりほっこり系でも読むかと読み始めると序盤を過ぎた辺りから面白くなっていき読了。
こうゆうのも案外いけるんやなと自分の新しい一面を発見出来ました。
家鳴(やなり)のイメージがとても可愛くて気に入っていた所、しゃばけは漫画も出ているようで少し立ち読みしてみると小さい鬼の見た目で自分のイメージとぴったりでびっくりしつつもなんか嬉しかった。
次は「ぬしさまへ」らしいので少しずつでも読んでいこうかなと思います。
2021/7 -
しゃばけシリーズを何作も読んでから1作目を読みました。
何作目から読んでも面白いけど、やっぱり1作目を読むと色んな事がわかって良いです。
著者プロフィール
畠中恵の作品






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