えどさがし しゃばけシリーズ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.83
  • (102)
  • (214)
  • (163)
  • (11)
  • (0)
本棚登録 : 1463
レビュー : 187
  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101461328

作品紹介・あらすじ

えどさがしは畠中恵さんが書かれている妖怪が登場する時代劇小説です。
少し怖いけどどこか憎めなかったり人間味のある妖怪達がおもしろおかしく登場します。5つの短編作品が収録されています。五百年の判じ絵、太郎君東へ、たちまちづき、親分のおかみさんなどが収録されています。しゃばけシリーズとして他にも発売されています。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • しゃばけシリーズ外伝。
    よかったです☆

    若だんなは出てこず、それどころか、若だんなが生まれる前の話と、若だんなをうしなった後の話もあります。
    でもこれが、それぞれ中心になるキャラを生かして、希望の持てる展開へ!

    「五百年の判じ絵」
    長崎屋の手代になるずうっと前の佐助。
    大師を失い、さまよっていた‥
    三島宿の茶屋にあった判じ絵は、佐助に何かを伝えようとしていた。

    「太郎君、東へ」
    妖怪視点ファンタジー。
    利根川の流れが変わる様子を、河童の争いなども絡めて悠揚とダイナミックに。
    河原で普請が始まり、様子を調べに行った禰々子は‥?

    「たちまちづき」
    広徳寺の寛朝に、妖退治の相談がつぎつぎに。
    出向いた先での危険な出来事とは。
    お坊さんの遭遇する事件もの。

    「親分のおかみさん」
    日限親分のおかみさんは、身体が弱かった。
    何とか元気になろうとしてはいたのだが、上手くいかない日々。そんなとき、捨て子が‥?
    ほとんど出てこない人が主人公で、視点が新鮮。
    少し強くなっていくのが良かった。

    「えどさがし」
    時代は、江戸から東京へ。
    若だんなといつかまた巡り会える日を信じて待つ仁吉たち。
    おや~あの話「明治・妖モダン」の美形さんは、やっぱり仁吉たちだったんだ!

    仁吉や佐助の気持ちを思うと、切ない‥ 胸がきゅんきゅんして止まりません。
    短編それぞれ雰囲気は違いますが、絆を感じさせますね☆

  • 久しぶりの「しゃばけ」シリーズ。
    外伝だけど、久しぶりに一部屋でワイワイ騒ぐみんなに会えて嬉しい。

    「五百年の判じ絵」
    江戸を目指していた佐助が三島宿の茶屋で見つけた判じ絵が伝えたいこととは。
    「太郎君、東へ」
    利根川が大荒れなのは最近人間が河原で普請を始めたから。坂東太郎からその理由を調べるように頼まれた禰々子は普請場で男女に出逢う。
    「たちまちづき」
    広徳寺の寛朝に妖退治の相談に来た夫婦。夫に憑いたおなご妖を祓えという。
    「親分のおかみさん」
    日限親分のうちに捨て子。
    「えどさがし」
    江戸が東京になった。若旦那とまた巡り会えると信じる仁吉たち。新聞の投書欄に気になる投書をみつけた仁吉は新聞社へ出かけるが、突然の銃声が。

    それぞれじんわりと染み入るお話。
    太郎と禰々子の掛け合いにニヤニヤしたり、安右衛門の器にビックリしたり、おさきにちょっとイラっと。
    なにより、チラリと出てきた若旦那にホッとしてまたシリーズの続きが読みたくなる。

  • しゃばけシリーズ外伝。
    今回はシリーズの主人公若旦那は出てきません。
    佐助の過去の話や、仁吉の話、そして別のシリーズの登場人物の話など、妖怪に関わる話の短編集。
    若旦那が生まれる前と後の話で、心がほんわかします。
    家鳴もかわいい。

  • 時は流れて江戸から明治へ。夜の銀座で、とんびを羽織った男が人捜しをしていた。男の名は、仁吉。今は京橋と名乗っている。そして捜しているのは、若だんな!? 手がかりを求めて訪ねた新聞社で鳴り響くピストルの音! 事件に巻き込まれた仁吉の運命は――表題作「えどさがし」のほか、お馴染みの登場人物が大活躍する全五編。「しゃばけ」シリーズ初の外伝、文庫オリジナルで登場!

  •  本作は、文庫オリジナルで刊行された、しゃばけシリーズ初の外伝である。本編にやや停滞を感じている僕に、楽しめるのかどうか。

     「五百年の判じ絵」。長寿すぎる妖は、人間に交じって生きるのも一苦労。佐助と名乗る妖が、長崎屋に辿り着く経緯を描いた1編。五百年に及ぶメッセージとは気が長い話だが、彼らの感覚では、一年が一日くらいなのだろうか、もっと長いのか? 長崎屋はそれなりに居心地がいいのか。

     「太郎君、東へ」。利根川の河童を束ねる大親分・禰々子は、利根川の不機嫌さを気にしていた。河童が溺れるくらいというから、尋常ではない。その理由とは…。うーむ、現在の東京があるのは、禰々子のおかげかもしれない。史実を盛り込んだ、なかなか心憎い1編。

     「たちまちづき」。妖退治で名高い、広徳寺の寛朝だが、こんな妖を退治しろと言われても困る。優しいが何やら頼りない、口入屋の主人が、お店の危機に打った手とは。勝手に解決しちゃった気もするが、おなじみの面々もしっかり貢献している。ベタだけど読後感爽快な1編。

     「親分のおかみさん」。日限の親分で通っている清七にも、家族がいた。彼が金子を懐に入れるのは、単なる欲ではなかったのだ。少々重い展開を予想していたが、最後はしっかり手柄を挙げたのだった。こういう人の親切につけ込む輩は、昔からいたわけである。どうか幸せに。

     表題作「えどさがし」。時代は明治。長崎屋は長崎商会と名を変え、佐助や仁吉は留まっているが、当然ながら一太郎は既にいない。妖たちは、明治の世に何を思うのか。おい、気になる終わり方じゃないかこれ。佐助や仁吉たちは、平成の世でもどこかで生きているのか。

     大人気のしゃばけシリーズだが、僕としては、畠中恵さんがどう幕を引くつもりなのかが気になっていた。最後の「えどさがし」に、そのヒントが見えたように思う。熱心なファンは気分を害するかもしれないが、長寿とは思えない一太郎である。父・藤兵衛より先に亡くなってもおかしくはない。

     かなりネタバレですみません。当面現在の形で発表するとしても、いっそ新たな若だんなを迎え、明治編にするのはどうか? 何しろ、妖は死なない。昭和編、平成編でもいい。勝手な言い分であるのは重々承知だが。

  • まず、佐助の話。しゃばけシリーズでは強いたよりになる兄やなのに、若だんなに出会うまではあんなに心が空虚だったんだなぁって。
    それから、仁吉。何があっても動じなくてスマートな兄や。と、いうイメージ。それなのにもう一度若だんなに会うために一生懸命、そしてソワソワと心が揺れ動いているのがとても新鮮。
    今までよりずーっと魅力的に見えるようになりました。

  • しゃばけシリーズ外伝。

    外伝としては、シリーズでは初かな。主役が若だんなではなく、他メンバーになっている。佐助や仁吉はともかく、河童の総大将である禰々子や寛朝和尚、日限の親分をメインにもってきているのが面白い。そして、表題作である『えどさがし』が切ない。前作から繋がる感じかな。この話のその後をものすごく読みたい。明治の時代の雰囲気で、同じ畠中作品の『明治妖モダン』を思い出した。どこかでリンクしてたのかしら。

  • 短編集で、明治が舞台の表題作のほか
    いつもの江戸時代やもっと昔やら、様々な舞台のお話が。
    どれも若だんなが主役ではないけれど、しゃばけの世界に惚れている私にはいろいろな面がみれて嬉しかった。

    いつものしゃばけシリーズ通りのおもしろさ、雰囲気。

    少しだけネタバレかも、、


    一番印象に残ったのは 太郎君、東へ。
    隅田川の治水事業のはなしで、
    歴史上の事実に妖を絡めて描き、本当にこんなことがあったんじゃないかと思えてしまう。

  • 【しゃばけシリーズ外伝】久々のしゃばけシリーズ。若旦那は出てこないけど知った人がたくさんでどれもいい話だった。若旦那がいなくても皆に繋がりがあって愛情に溢れていた。

  • 江戸時代を舞台に妖怪が活躍するファンタジー小説、『しゃばけ』シリーズ。
    シリーズの面白さに彩りを添えてくれているのが、妖(あやかし)をはじめとする、味わいのある脇役たち。
    この作品は、『しゃばけ』シリーズでは脇役として登場する妖、人物を主人公に据えた、短編集です。

    5つの短編が収められています。
    それぞれの話の中で、事件や不思議な出来事が起こり、登場人物たちがそれを解決していく姿が描かれています。

    表題の『えどさがし』などは、『しゃばけ』シリーズとは違う時代設定になっており、「妖怪を主人公にすると、こういう話も作ることができるのか」と、感心してしまいました。

    問題を解決するために、登場人物たちが助け合うシーンが多いので、読んでいて心が暖かくなりました。

    『しゃばけ』シリーズを読んでいなくても楽しめるかとは思いますが、シリーズの読者はより楽しめる、お得感のあるスピンオフ作品だと思います。

    『ひなこまち しゃばけシリーズ11』畠中恵
    https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4101461317

     .

全187件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

畠中 恵(はたけなか めぐみ)
1959年高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学(現・名古屋造形大学)ビジュアルデザインコース・イラスト科卒業後、漫画家アシスタントと書店員を経て、漫画家デビュー。そして故・都筑道夫の創作講座を受講。『しゃばけ』が第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、本作でデビュー、作家となる。
『しゃばけ』シリーズが代表作で、『しゃばけ』『ぬしさまは』はNHKラジオドラマ化された。2011年、『ちょちょら』で第24回山本周五郎賞候補。2016年『しゃばけ』シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。

畠中恵の作品

えどさがし しゃばけシリーズ (新潮文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする