なりたい (新潮文庫)

著者 : 畠中恵
  • 新潮社 (2017年11月29日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101461359

作品紹介・あらすじ

誰もがみんな、心に願いを秘めている。空を飛んでみたくて、妖になりたいという変わり者。お菓子を作りたいがため、人になりたがる神様。弟を思うがゆえ、猫に転生した兄。そして、どうしても子を育てる親になりたい女─。それぞれの切実な「なりたい」を叶えるために起きた騒動と、巻き込まれた若だんなの本当の望みは? 願いをめぐる五つの物語がつまった「しゃばけ」シリーズ第14弾。

なりたい (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 前作の発刊以来、久しぶりに読んだ「しゃばけ」シリーズ。随分と巻を重ねてきたけど、ふと振り返れば、少しずつ一太郎は大人になってきたのだと実感する。「生まれ変わったら何になりたい?」難しい問いかけ。一太郎の答えは、聞いてみれば納得。
    いろんな人の「なりたい」気持ちに、驚いたり感心したりの1冊だった。

  • それぞれのなりたいもの。
    望み。

  •  しゃばけシリーズ第14作は、何やら不穏なオープニングである。神様から宿題を言い渡された一太郎。曰く、来世何になりたいのか? 冗談が通じない神様だけに、一太郎の答え次第で、世の中がひっくり返るかもしれない…。

     単行本のタイトルが『なりたい』で、全5編とも「○○になりたい」というタイトルで統一されている。いずれも無理筋の依頼ばかりだが、無下に断るわけにはいかないというシチュエーションである。一太郎を中心とした面々は、どうやって誤魔化…ではなく納得させるか、知恵を絞るというわけである。

     新薬の材料の仕入を、村の名主に打診すると、条件として「妖になりたい」と言う。そこになぜか、勘違いが絡み…という典型的なシリーズのフォーマット。一応両方とも解決なのか? それにしても、冗談が通じない佐助…。

     殺人事件の謎に迫る「人になりたい」。日限の親分が話を持ってこなければ、一太郎が首を突っ込むこともなかったろうに…。しかし、彼らが乗り出さなかったら、収拾できたかどうか…。しゃばけの世界の中で、謎は合理的に解かれる。

     今度はある裁定を求められる「猫になりたい」。長崎屋に住まう妖の思惑も絡み、何の勝負なのかぐちゃぐちゃになってくる…。お前が原因かっ!と言いたくなるが、で、そういう裁定でいいの? ま、まあ、一件落着だからいいか。

     他の4編とは一線を画す「親になりたい」。親になるのは大変だが、喜びもある。事情が事情だけに、やむを得ない結末なのかもしれないが、気持ちを思うとねえ…。遅かれ早かれ起きる事態なのだろうから、これでよかったのかもしれない。

     最後の「りっぱになりたい」は、一太郎と同年代の死が発端だった。「本人」の頼みを無下にはできない。ところが、葬儀の場でトラブルが起きて…。悲しみの裏で交錯する意図とは。死をきっかけに丸く収まった、ある意味シリーズならではの1編。

     複数の思惑が絡み合うのが、このシリーズのお約束だが、まさにお約束通りの全5編。宿題を出された一太郎の、回想という形で並んでいるが、「なりたい」という願望を描いたこれら全5編に、ヒントが隠されているのか。……。うーむ、一太郎が出した答えは、シリーズのすべての作品に当てはまるのでは。

  • 久しぶりのしゃばけシリーズ。
    文庫は年1回位でしょうか。
    前回では、何か、シリーズ終焉を迎えているような感じで少し寂しかった思いがありましたが、本作を読んでいたらまたまた、いつものしゃばけワールドを楽しめました。

    けど、最後まで、読み進めるとまた何か、そんな雰囲気が。

    でも、一太郎と、兄や、妖たちの掛け合いにほっこりしました。
    面白かったです。

  •  安定の畠中さん、というか、読むと安定して美味しいごはんが食べたくなる畠中さん(笑)
     話の展開は相変わらずのようですが、シリーズとして徐々にまとめに入っているのかな?という印象。これがきっと、あの数巻前の、ちょっとしんみりする未来のお話に繋がっていくんですねぇ。

  • 若旦那がでてのこなかった本の最後の話に繋がる話だ。若旦那の願いを叶えるために兄やたちがんばれ!

  • しゃばけシリーズは気軽に読めるからいいなー、と気付けば14弾。
    何になりたいか、て簡単に決められないよね。何にでもなれるとしたら、アレコレなりたいものはたくさんあげられるけど。最後に若だんなが出した答えはいいね。これは「来世版」しゃばけシリーズを期待してもいいのかな?まぁ、「えどさがし」でそれっぽい感じがあったなぁ。
    次はどんな話か、楽しみ。

  • 空を飛んでみたいなぁー「妖になりたい」
    忘れられた道祖神の夢見たものー「人になりたい」
    可愛い弟をずっと見守ってー「猫になりたい」
    子ができないからと離縁されたけれどー「親になりたい」
    身体の弱い跡取りが亡くなって霊になったー「りっぱになりたい」
    以上の5本。

    このシリーズ、読み始めこそ「なんでだよ」ってつっこんでばかりなんですが、1本目の途中からは世界にずっぽりはまってしまう。
    冬のこたつのような、心地よい抜けられない温かさ。
    今回あまり心配症の兄やたちは出番が長くなくて、若旦那が人や妖に頼られて相談事をもちこまれます。
    心優しい若旦那はどんなに虚弱だったとしても立派だと思います。
    いつもどおり、優しくカワイイお話たち。
    ほっこり。

  • 人それぞれ「なりたい」何かがあって皆真剣で、そして若だんなの出した答えは妖達と巡り会いたい。どんなに苦労しても探し当てると言ってもらえるなんて素敵じゃやないですか。

  • 作者は本当に文体が自然。ついついと先へ読んでしまう。
    今巻はみんなが「なりたい」もの。みんななりたいものがあるよね、そしてそのなりたいものになる為に努力したり、我を通したり、でも、若旦那もそうだけど・・・努力している間になりたいものになってるのでは・・・?そういう面があるのでは?。それがつらつらと自然に思い浮かぶような話っぷりに感嘆。

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