非情銀行 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 164
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (558ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101462219

作品紹介・あらすじ

君たちはコストだ!-一人のエリートの死を前にして、経営トップは平然と言い放った。銀行は行員に人間性を認めないのか。わずか四人の行員が、ひそかに叛乱を起こす。リストラと巨大合併にひた走る上層部には、「闇勢力との癒着」という弱点が…。執筆時に、大手銀行の現役支店長だった著者が、バブル崩壊後から噴き出し続ける銀行の膿を巨細に描ききった。衝撃のデビュー作。

感想・レビュー・書評

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  • 江上さんご自身の銀行での経験に基づいて書かれた、銀行の合併に至る道や、同期の死を無駄にせぬべく、不正を糾弾するために、暴力団につながるフィクサーと、役員との癒着をつまびらかにしていく銀行内の反逆者たちの話。
    リアリティがありつつ、義理や人情も熱く描かれていて、自分の会社員時代の宮仕えの気持ちを思い出した。
    これからの日本は、どうか社内政治や裏金に集ろうとすることなく、誠実に会社や国を良くしていきたい気持ちで仕事に望む人たちばかりであってほしい。

  • うーん?
    なんかよくわからなかった。

  • 合併によって、人員削減が必要になった銀行内で、このような仕打ちは有るのだろうか?中村常務の思うがままに誰も逆らえないのか?そこで4人が立ち上がり、常務の悪意に立ち向かう。著者のみずほ銀行時代の様々な事件などが盛り込んである作品である

  • 223
    銀行の裏側。面白かった。登場人物のセリフに少し引っかかる所もあるが。

  • 銀行にいたから、面白い。

  • ブックレビューで、話題となった作品で、
    覆面作者という前触れだった。
    実は、みずほ銀行築地支店の支店長が、作者だった。
    初作にかかわらず、一気に読ませる力を持っている。

    銀行の職員たちに自信を持ってもらいたい。
    銀行の原点を問うものになっているが、・・・
    「中村常務」のしたい放題の銀行になっている。

    竹内審査部、部下進藤、広報部早川ユリ、
    同期システムエンジニア佐々木
    の4名で、暗闇をひきづりだす。

    ただ、現在の銀行の抱えている暗闇は、ただすとして、
    本当にこれから行こうとする銀行のあり方が、明らかにならない。
    「合併」することによって、何が生まれるのか?
    結局は徹底した「首切り・合理化」しか残されていないのか?

    貸しはがしの実体、中小企業にかそうといっても、
    貸すところが現実にはない。
    銀行内部の人間模様は、かかれているが・・

    銀行は、必要であるが、
    しかし、銀行の「本来の機能」とは何か?

  • 著者が現みずほ銀行の現役支店長だった頃の作品。銀行の不正や癒着、リストラ目的のいじめなどに対して義憤を感じて立ち上がった人たちの戦い。フィクションではあるものの、実際に過去に起きた銀行関連の事件も考えると個々の出来事が全くのフィクションとも思えず、銀行員にならなくてよかったとさえ思えてしまう。

  • 2011/7/27読了。

    かつて世間を賑わせた過剰接待問題や総会屋事件を、銀行の内側から見ていた著者だから書くことができる、金融機関と闇社会の関係や、脅迫、潰し、握り込みといった描写のリアリティは凄まじい。

  • 同じ銀行員として、もし、自分が同じ世界にいるとするなら、まだまだぬるま湯に浸かってる気がする。
    でも、もし、この状況に近くなるなら、熱くなる前に早く抜け出したい。
    のぼせるとか、のぼせないとか、自分にとっての幸せが何なのか考える必要があると思う。

  • 銀行内でおこる
    合併、リストラ…

    リアリティーがあり怖くなりました。

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著者プロフィール

1954年、兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。77年、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。人事、広報等を経て、築地支店長時代の2002年に『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。03年、49歳で同行を退職し、執筆生活に入る。その後、日本振興銀行の社長就任、破綻処理など波瀾万丈な50代を過ごす。現在は作家、コメンテーターとしても活躍。著書に『失格社員』(新潮文庫)、『ラストチャンス 再生請負人』(講談社文庫)、『我、弁明せず』『成り上がり』『怪物商人』『翼、ふたたび』(以上、PHP文芸文庫)、『50代の壁』(PHP文庫)など多数。

「2023年 『使える!貞観政要』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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