- 本 ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101463261
感想・レビュー・書評
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出版区の動画より。図書館で角川書店版を借りて読む。
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このような脱力系エッセイを読んでいる場合ではないと思いつつも、現実逃避というやつで私も彼岸へ行ってしまった。本書の執筆は平成2年からのもので、バブルが弾けてからも皆が彼岸も此岸もなく生きていたように思う。それにしても、本書のほとんどが実話であるとあとがきを読んで驚いた。特に「彼岸へ」で印象的な幻覚を催す草やキノコの話だ。なお、私が最も衝撃を受けたのは、異常な早口のKが登場する「サウンド・オブ・ミュージック」であった。あと、カバー裏の著者近影の肖像がとても気になる。
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クセのある人への観察眼が素晴らしい脱力系エッセイ
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古賀政男とカーネル・サンダースに吹いた。
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冒頭に「これは小説であり架空の話だ」ということが書かれていたため、読みはじめの1章は混乱したが、いつもの通りのライトエッセイである。
「彼岸」は文字通りの言葉で「アッチの世界」「イッちゃってる人」を指す言葉なのだが、その説明なしの上に、文中でも「これは彼岸だろう」みたいな説明臭い使い方をされていて、この時点で☆2。
特に1章では、戸川純、竹中直人、大竹まことなどなど、有名人と交友関係の話が固有名詞を上げるのにいっぱいいっぱいでまとまりがないのと、その「彼岸」という言葉に引きずられた文章が続き、散漫な印象が強い。
2章からはいつものぼやきや、調べるほどに意味のわからなくなる言葉の話で楽しめるが、全体にオチが弱い。
オチが弱い一つの原因に、1本4ページのエッセイのうち、最初の2ページにわたって描かれている、しりあがり寿氏によるイラストに、オチが書かれてしまっていたりするのだな。3~4ページ目に入れればよかったと思うのだが。
同姓同名の人のあとに入居してしまった話など、稀有な体験の話など印象には残ったが、ちょっと不完全燃焼は否めない。 -
かなり昔に書かれた内容だったのですね。それでも今読んでも宮沢さんらしいなぁ、と。変わらない面白さが好きです。彼岸という時期は何かデタラメな事を言っても許される感じがするので、架空の話であろうとなかろうとそれはどうでも良いと思うんですよね。
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おもしろエッセー。暇つぶしにはなるが、何がすごいのか全くわからない。だんだん苦痛になってきた。2014.9.8
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面白いという言葉ではまとめきれない面白さ。読んでいる最中は、思考回路がすっかり彼岸に。
全くのフィクションではないだろうし、また、完璧なノンフィクションでもないだろうし。
熱なんか何度も測るから上がる…というのは、はい、ごもっとも、と思いますし、葬儀の際のこととか、昔何処かで会ったことがある話等、印象が着陸強く残っているわけです。
ぞんざいなお話を読んでからは、いちいち自分の行動が気になるようになってしまいました。 -
私は宮沢章夫のエッセーが好きで、「牛への道」とかが好きで…。と思ってたけど、宮沢章夫のエッセーの本質的なもんはこの作品だと思った。そして、この作品はエッジがききすぎていて、私は宮沢ファンとしてはまだまだ甘いと感じた。
著者プロフィール
宮沢章夫の作品





