寂滅の剣 日向景一郎シリーズ 5 (新潮文庫)

  • 新潮社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101464145

作品紹介・あらすじ

日向景一郎と森之助――兄弟による対決の刻は、目前に迫っていた。そのような中、彼らが暮らす薬草園に秘蔵されたある物を求め、数え切れぬほどの武士が押し寄せる。静かな江戸の町にたちまち戦国の血風が吹き荒れた。名刀を縦横に振るい、死者の山を築きながら、剣鬼たちは何を思う? 必殺ゆえ世に容れられず滅びゆく流派を継いだ、ふたりの男。入魂の時代小説シリーズ、完結篇。

感想・レビュー・書評

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  • 剣豪シリーズ第5弾、完結編。
    斬って斬って斬りまくる!

  • 筆舌にし難い
    全5巻にわたる
    因果の結末。

    貪るように読み終えた
    読了感は、
    悲しさと同時に
    なにかどこかで晴れやかさをも感じる、
    感じてしまう、
    剣豪の、男の、生き様と、別れがある。

    訣別。

    感謝を述べたい。
    このような、作品を作ってくれたことに対して。

  • 日向景一郎と森之助の親子程の年の差兄弟が宿命の名の下に勝負する過程の完結編。兄弟は同じ敷地内にある薬草園で共に焼物、叔父の道場、薬屋の用心棒を生業として生活する。薬屋が手に入れた大量の阿芙蓉(阿片)を巡り老中(水野、土井)の政治争いでこの阿芙蓉を手にしたい両老中から放たれる手練れを兄弟は斬り捨てる。過去景一郎との勝負に敗れ修行を積み兄弟に劣らない手練れとなった十郎太も薬屋で共に戦い、旧老中水野の放つ剣豪宇津井と交え勝負に勝つも手負う。焦る老中は、多勢で阿芙蓉の強奪を試みるが景一郎、森之助の2人に阻まれその流れで最後、宿命の兄弟が対峙する。最後、景一郎は、森之助に自分を重ね両断し森之助と共に自分も死した情緒的な終わり方だった。全5巻に及ぶ宿命の中で生きる剣豪小説で引き込まれて面白かった。

  • 2015/08/13読み始め
    2015/08/18読了

  • 日向景一郎シリーズ完結編。
    不器用すぎる男たちが、”滅美”に向かって突き進む。
    その突き進む間に、幕府上層部のアホみたいな権力闘争が絡み、どんどんと人が斬り殺されていく。
    こんなに死ぬ時代小説も珍しいような気がする。でも、陰惨な感じはしない。
    なかなかに楽しめました。さすが北方氏といったところであろうか。

  • 日向景一郎シリーズの最終話。20年越しの兄弟のケジメに期待し過ぎたのか、物語自体がが冗長的。だか、様々な方法で剣を研ぎ澄ませていく男たちのこだわりであり不器用さには、見事なまでに魅了されてしまう。

  • 宿命の対決と銘打っている本にありがちなラストになるのかな、と思ったら違った。理不尽な宿命に生きた弟と自分を切らせるために全てを教えた兄。
    諸橋の「なにをやればいいか、私にはわからない。剣が強くなれるはずもないが、気づくと剣しか遣えない、自分がいた。いまから、別のことを学ぶのは、遅すぎるだろうか」という一言が印象的。何を学ぶのも遅すぎることはない。

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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