わが屍は野に捨てよ―一遍遊行 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101466101

作品紹介・あらすじ

時は鎌倉時代。武門の身を捨て十三歳で出家した一遍は、一度は武士に戻りながら再出家。かつての妻・超一房や娘の超二房をはじめ多くの僧尼を引き連れ遊行に出る。断ち切れぬ男女の愛欲に苦しみ、亡き母の面影を慕い、求道とは何かに迷い、己と戦いながらの十六年の漂泊だった。踊念仏をひろめ、時宗の開祖となった遍歴の捨聖一遍が没するまでの、波瀾の生涯をいきいきと描く長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • わが屍は野に捨てて、けだものに施すべし

    武家に生まれ、一旦は僧侶としての学問を収めながら、
    還俗し、武士として戦いに明け暮れ妻帯し子すらもうける。
    また、すべてを捨てて、仏門に帰依し、一切衆生の救済に人世を捧げた僧一遍。

    生とは何か、死とはなにか? 救済とはなにか?と考えていくと、現在の宗教として確立された時宗を学ぶよりも、一遍上人そのものを学ぶことがその心に近づけるのではないかと、無学な私は考えた。
    その一遍上人の姿を描いた歴史小説。

  • 時宗は鎌倉新仏教の中でも、あまりなじみのない、私自身分からないことが多い宗教でした。
    本書で時宗の成り立ち、一遍の人柄などもよく分かります。
    諸国を巡礼する旅の壮絶さ、弟子も含めた一遍の覚悟のほどが克明に描かれています。
    文章も格調があり、良書です。

  • 鎌倉後期が舞台。小説としては退屈なスタート。僧尼が往生するあたりからおもしろくなった。今では、その辺に埋葬しつつ遊行することはできないし、こういう一団が街に現れたら、たちまち御用。平氏滅亡のころ、すでに念仏が広まっていた。そういうベースがあったからこそ、受け入れられたのだろう。それにしても死生観の違いに、想像が追いつかない。映像化したら、悲惨すぎてだれも観ない。

    解説は玄侑宗久

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