- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101467214
作品紹介・あらすじ
バス・電車、デパートから駅の構内、物干し竿の宣伝まで、けたたましくスピーカーががなりたてる、この日本-。いたるところ騒音だらけ。我慢できない著者は、その"製造元"に抗議に出かけ徹底的に議論する。が、空しい戦いから浮かび上がったのは、他人への押しつけがましい"優しさ"を期待する日本人の姿だった。日本社会の問題点を意外な角度からえぐる、「戦う大学教授」の怪著。
感想・レビュー・書評
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哲学者である著者が、「スピーカー音恐怖症」という生きづらさを抱えながら、果敢に社会に戦いを挑み続ける戦闘記。この高いモチベーションの源泉は。時に傷つき、気力が回復するのに一週間かかったり、面白おかしく読める。
日本社会はなんと「実行を直接期待しない言葉」で溢れていることか。ここまで物事を整理して考えられるのは流石の一言。脱帽です。
「「自分がされたくないことは人にするな」というこのルールは社会をあらたに改革してゆこう、意識を改革してゆこうというときにはまったく役だたない。というより最大の障害として立ちはだかる。このルールは、自分と他人がおおよそ同じ考え方、感受性を持っていることを前提としており、ここにマジョリティの暴力がとぐろを巻いている」
「「音漬け社会」を解体するには何が必要か?答えは、さしあたりきわめて単純のように思われる。それは、「察する」ことを縮小し、「語る」ことを拡大することである」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本を読む直前に多様性について考える機会があったので、その視点で読むと面白い本だった。
ただの偏屈じいさんだと思って読み進めるよりかは、世の中にはいろんな考え方をする人がいてその人も含めて多様性を考えなければならない。多数決では解決しないことが多くなってきた時に、自分も含めて今の人たちはどのように考えるのか真剣に考えなければならないと思った。 -
読んでおいて損はない
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20010620
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聴覚過敏のある人が身近にいるので、その苦しみと理解のされなさが学べる。なのにだんだん笑えてくるのが中島先生のすごさ。ちなみに、うるさいのは、「日本」と「私」の両方にかかるのだそうだ。
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8/2 2012 おもしろすぎる…………………
マジメに語る著者に影響され、今後は街に出掛けるのも
危ぶまれる自分が心配。
ちょっと脱線して、「親切の押し売り」に対しても
多いに共感!!!
顔が笑えてくるので外で読めない
引続く
その後。
さらに読み進めていくと、
もはや笑えなくなってきた。
真剣にこに著者の訴えている事が
今の日本にとってとても重要な事ではないかと
思える。
「いじめ」に関して
【引用】
…他人の気持ちが「わかったつもりになる」ことをやめ、他人を徹底的に自分とは「異質な者」として見る態度をやしなうことが必要であろう。…相互に「異質」であるからこそ、そこにおたがいに安易には介入することのできない領域を承認しあい、尊重しあう態度が開けるのだ…
同意!
8/6 読了。 -
私は、今まで「みんなの迷惑になるからやめなさい」という注意に疑問を持っていたものの、それを言語化できなかった。
しかし、この本は、そのもやもやとした気持ちを解消してくれた。