囚人狂時代 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101473215

感想・レビュー・書評

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  • 100殺!ビブリオバトル No.33 夜の部 第5ゲーム [チャンプ本!]

  • 留置場、拘置所を経て刑務所で12年過ごした体験記。有名事件の犯人、正気ではない言動、派閥や駆け引きなど、知られざる刑務所内空間の実話。

    今読むと、昔のことゆえ、そういえば聞いたかも程度の事件ですが、発刊当時大事件の有名犯人たちだったことが伺えて、話題になったのも理解できます。

  • ドストエフスキーから花輪和一まで獄中記というのは面白いものだ。まあ、犯罪者の懲罰を面白がってはいけないのだろうが、その非日常性と否が応にも深まる思索が独自の面白さを生み出す。

    そう言う意味では、非日常性の叙述はボリューム十分。ほんの二十年前まで(ひょっとすると現在も?)、犯罪者や精神病患者(往々にして警察・検察に騙されて冤罪を押し付けられる)に対する非人道的な懲罰が延々と与えられているのかと思うとゾッとする。思索の独自性というか、間違ったものを客観的な視点から眺めて対照するユーモアは今一で、あとがきにも触れられている安部譲二の方が一枚も二枚も上手か。

  • ほとんどの人にとっては一生縁のない「刑務所」。怖いもの見たさもあってこの手の本はそれなりにニーズがあるのでしょう。この本の特徴は粗暴犯でも経済犯でもない、いわば思想犯による刑務所レビューであることです。左翼活動から右翼に転向、スパイに対する殺人容疑で逮捕された著者による有名無名の収容者の描写はなかなか生き生きとしておもしろかったです。(お勤めしている人からしたらそれどころじゃないんでしょうけどね。)

  • 何度も読み返して、三島由紀夫の隣に。
    図書館には閉架書庫。青学のインテリ、
    塀の中を知るのに、安部譲二の
    塀のなかのよりは、遥かに、凝縮されてた。
    自殺した。

  • 新右翼団体のリーダーにして、イギリス大使館火炎ビンゲリラ事件及びスパイ粛清事件の実行犯。懲役12年を満期まで勤め上げた筆者による獄中体験記。
    凶悪犯ばかりを収監している千葉刑務所の日常……なんてそうそう垣間見れるものじゃない。単純な好奇心に背中を押されながら一気読み。

    小説『調律の帝国』で語られたような「絶望・恐怖」は殆ど姿を潜め、囚人同士の人間関係や個人のキャラクターのようなものが前面に押し出されており、ああもうコイツしょうがねえなあ、みたいなほのぼのさすら漂う。
    しかし、塀の向こうの彼らにほのぼのしちゃうって事は、囚人達が「特殊」な人間などではなく、結構どこにでもいるニイちゃんやオッちゃんであるという事の証左。
    自分の身の回りにある何かが、ある時突然“ラスコーリニコフの斧”になったとしたら。
    そんな薄ら寒い想像すらしてしまうのも、筆者の「異常に」冷静な観察眼と筆致の為せる技か。

    巻末の参考資料「受刑者の生活心得」「守らなければならないきまり」等も興味深い。

  • テレビ等で名前を知ってる受刑者の話や囚人達のエピソードはオモロイし獄中の話も興味深い。楽しめたけど被害者が存在すると思うと少し複雑な気分になった。 とりあえず捕まる様な事は一生しないでおこうと思う。他人事やから暢気に読んでられたけど我が事やと考えると中に入りたくないわ。

  • 新左翼から新右翼へと転向し、ゲリラ事件で懲役12年を千葉刑務所で過ごした著者が綴る異色のルポルタージュ。鬱屈した刑務所の生活や「大物」犯罪者の素顔をどこかコミカルに描いている。一柳 展也のエピソードと医療房での生活が特に面白い。

  • 中が見えない塀の内側って気になるのが人情です。
    まっとうな人がなかなか見ることができない塀の中。
    この本では、刑務所の中の様子をしっかり伝えてます。
    ある意味、読者の知りたい欲求をある程度満たしてくれます。
    塀の中の日常が割りと読みやすく軽いタッチで描かれていて、
    とかく重くなりがちな「塀の中のあれこれ」が良くわかる。

  • 私は刑務所に入るのが怖い。今のところ入りそうなことはしていないし、これかもせずに生きていくつもりだけど、私は自分が暴力に弱いことを自覚しているので、こういう制度的な暴力はとてもではないが耐えられそうにない。

    この本をどう読むかは難しい。
    80年代の有名事件の受刑者の赤裸々な姿が出てくる。むき出しの暴力にさらされ、拘禁されている姿は、たしかに興味をそそられるし、怖いし、有り体に言えば興奮する。しかし、ここまで書いていいものだろうかと思う。
    昔はこういうのをなんとも思わなかったし、犯罪の実録が好きなくせになにをいい人ぶっているんだと言われればそれまでだけど、これは考えてしまう。

    しかし、隠せばいいというものでもないだろう。
    著者はそれを身をもって体験している。告発しているというのとも違うし、そういうスタンスでもない。これは必要だと思う。隠せば、よけい悲惨になってしまう。
    私は暴力が嫌いだ。また暴力に弱い。だけれども、それを抜きにして社会や制度が成り立つと思っているわけではない。

    なんともまとまっていなくて申し訳ないのだけど、なんというか、自分の世代や、今の社会では解決できないものがあるのだと思う。

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