お金とモノから解放されるイギリスの知恵 (新潮文庫 い 74-2)

著者 :
  • 新潮社
3.25
  • (7)
  • (12)
  • (32)
  • (5)
  • (3)
本棚登録 : 144
感想 : 24
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101481227

作品紹介・あらすじ

「ケチ」で「古い物好き」「頑固」と揶揄されるイギリス庶民の暮らしぶり。しかし60回を超える渡英経験をもつ著者がその目でとらえたのは、無駄を省き、古いモノを慈しみ、自分を大切にして生きる人々の姿。質素でありながらも上質な日々の流れ。そこにはかつて日本人のこころのなかにもあった価値観が脈々と生きている-「真の豊かさ」を取り戻すためのイギリス式生活のすすめ。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み


  • 60回の渡英経験を持つ著者が綴るアッパーミドルのイギリス人たちの暮らし。

    日英を比較した際、一概に善し悪しを論じることはできないが、明治以前の日本がそうであったように思う。

    バブル期以降の日本は物質社会に拍車をかけ、大量生産、大量消費に邁進してきた。

    本書で語られる全ての事柄に通じるが、国や行政のあり方自体が問題だ。

    質実剛健、質素倹約。
    かつて日本にもそうした文化が根付いていた。

    いつまで経っても、何かの不安や焦燥感に右往左往する日本人は確固たる幸福論が見えなくなってしまった。

    自律の意味が他力本願、人任せになってしまったのは悲しきことですね。

  • イギリスの事を私は今まで何も知らなかったことに読んでから気付きました。
    イギリス人の考えや生き方がとても素敵だなと思いました。

    子ども天国日本 と文章の中にあり、本当だと思いました。
    努力も我慢もしないで手に入れたものって、大切にしないですもんね。

    もう一つ、女性の生き方の違い!
    私もここ最近は良いお母さんでいなければ  という思いで常にいたけど、お母さんである前にひとりの人 母親としての人生をメインに生きなきゃいけないと思ってたけど、そうじゃなくてもいいのかも!
    って気付かされて人生が少し変わりそうです!

  • 10年以上も前の本のようなので、今読むと、日本の大量消費社会について書かれている部分もだいぶ異なる印象を受け、?と思うところがあったし、日本を悪く言い過ぎじゃないかと悲しくなるところもあった。
    気候風土の違い、歴史の違い、いろいろ異なって当たり前。
    もちろん、イギリスの、古いモノを大事にし、自然や人を愛し、楽しんで暮らしている様子、教育システム、看板・コンビニ・自販機の無い落ち着いた町並み、国への信頼、など、共感するところや憧れるところは多い。
    私自身、物欲や金銭欲をあまり持たずに生活を楽しもうとしている現在、周りから異様な目で見られるのを感じ、恥じ入りそうになることがあるが、これを読んで少し気が晴れた。

  • 渡英60回以上の経験を持つ著者がイギリスの良い所を沢山紹介しているエッセイ。

    イギリスに行ったことも無い者にとって「初めて知った!」「へ~そうなんだ~」と感心する事も多い。

    日本との比較においてはちょっと日本に対して辛口なような気もして、あ、なんだかスミマセン。という気持ちにもなるが、きっと著者にとってそれほどイギリスは魅力的な国なのだろう。

    本書の意外なオススメポイントは
    Queen(=イギリスのロックバンド)のボーカル、フレディマーキュリー氏について一部言及があること。
    フレディファンとしては思いがけず「まあ、こんなところに、こんなこと(←出っ歯について(笑))で紹介されている」と嬉しかった。

  • この本は日本の「おかしい」所をバシバシ指摘してくる。うわーなんか思い当たる所もある、いたい心が痛い。
    日本の中にいると気付かないことを示してくれていると思う。たまにはこういう本もありかな。心に余裕がある時に(笑)。
    買い物、人付き合い、健康、美容…大切なのは自分の意志だ。※

  • 9年くらい前に購入した本。そろそろ本の整理をせねばと、ブックオフ行の本を選定していて、その中の一冊に入れてました。買った覚えがあるけど、読んだ覚えがない気がして、改めて読みなおしました。イギリスと日本の違い。モノを大切にする意識の高いイギリスに対して共感したり、羨ましかったり。でも、読後は、日本のいい所をちゃんといえるようになりたいなぁと強く思いました。本文中に本を大切にしない国・日本というような事が書いてあって、ちょっとした大型古本店の批判もありました。この本もブックオフに売ろうとしたんだけど…、ごめんなさい…。でも、この本を所有したいと思ってる人もいるはず。収まるべきところに収まりますように。誰かの心の糧になりますようにと願いを込めて、旅立たせようと思います。

  • まぁ、まぁ、
    イギリス好きな人にはとても面白いと思う。
    フムフムと思いながら読みましたー。

    私も新しいものよりも、使い続けること、
    無駄なことにお金をかけないことが好きなので、
    納得しながら読みましたー。

    どんなときでもジョークを忘れない国民性がいいな♪と思った。

  • うーん。
    くだらん。
    イギリスと日本の違いを列挙しても意味なし。文化の違いには、それ相応の意味がある。そういうことを考えずにタラタラ書いた本
    イギリスに憧れるならいんじゃね?

  • なぜイギリス人はこのような行動をとるのか、と不思議に思った時にさらっと読みたい本です。
    日本人とは異なる、イギリス人の価値観・考え方が、具体的事例を通して紹介されています。

    基本的に日本の在り方を憂い、イギリスの歴史を敬う姿勢で書かれています。
    日本人が見習うべきことはたくさんありますが、そもそもじっくりと文化・教養を熟成させてきたイギリスと、ここ半世紀で急速に経済発展させた日本とでは、国の根本が違います。イギリスのようになろうと真似したところで、追いつけるはずもありません。

    私が最も参考にしたいと思ったのは、イギリスの子育てです。なんでも子ども中心にするのではなく、本人に責任を持たせ、自立心を育てるという教育方針は、子どもができたら取り入れたいと思いました。

  • 日英の文化を対比して、英の文化の素晴らしさを感じる事ができた。それで、週末はフットボールがあるんだから羨ましい。
    でも、逆に日本は日本で素晴らしい文化もあるんだなと、自分は思えた本でもあった。

全24件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

自ら取材、撮影をもとに書いたイギリスのエッセイの他、住宅論、日英文化論、恋愛など多岐にわたる。 住宅ノンフィクションでは、東京都下にイギリスで見たコテージ風の家を建てた「戸建て願望」(新潮文庫)。 「老朽マンションの奇跡」(新潮文庫)、「よみがえれ!老朽家屋」(ちくま文庫)などがある。

「2018年 『いつか一人になるための家の持ち方 住まい方 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

井形慶子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×