信長 (新潮文庫 あ 39-2)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (567ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101482125

感想・レビュー・書評

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  • 信長は好きだ。

    この一書は、カエサルやナポレオンとの比較で信長を論じているが、元にしている資料が偏っていて素直にはうなづけないところもある。

    私には、使っている資料の是非を問う力はないが、筆者の信長贔屓が行き過ぎてるところもあるのでは?

    ともあれ、今の日本人から見ても異形の人間。信長に最後まで仕事をさせたかった。

  • 織田信長の「天才」に迫る評伝です。

    著者は、新しい秩序を創ろうとする信長の精神を描き出すに際して、プルタークのカエサル論やスタンダールのナポレオン論のほか、ヴァレリーのデカルト論のような、一見したところ信長とはかけ離れた議論を参照しています。そこには、新しい秩序を創造する信長の「個」としての強靭さを捉えようとする著者の意図があると言ってよいのではないかと思います。

    著者の本を読んだのは初めてですが、思考のスタイルが、評論家で著者と同じくフランス文学が専門の福田和也に通じるものがあるように感じました。個人的にはちょっと苦手なタイプの文章なのですが、それでも信長という人物の魅力は十分に伝わってきました。

  • 4101482128 567p 1999・12・1

  • 日本史上、もっとも非凡、もっとも独創的、もっとも不可解な男―信長。桶狭間から本能寺まで、従来の日本的な発想では理解出来なかった信長の行動を、プルターク『英雄伝』、スタンダール『ナポレオン』など、東西の古典を縦横に引いて明らかにしてゆく。並みいる世界の指導者と対比し、その比類なきスケールの「天才性」に迫る、前人未到の力業。野間文芸賞、毎日出版文化賞受賞作。

    2009.6.16読了

  • やっぱ信長はいいなぁ。
    日本の生んだ最大の天才てかんじするわ。
    大将でも単騎駈けて戦場最前線で戦うし、周りの目を気にせず思うが侭に振舞う。それでいて私欲に走ってるわけでもなし。純すぎる。
    短気だとか我侭といわれがちだけど、常に創造者で理解者も少なかっただろうからストレスはたまった事だろう。この本読んでて、命懸けで走りつづける信長には口先だけの輩、怠惰な人間は許せなかったろうとおもったけど、実際読みすすめるとその様に書かれてた。
    実際人並みの気配りもしていたとは思うけど、身近な人物になればなるほど、見過ごしすわけにはいかなくなり、厳しくもならざるをえないのは、突出しすぎた天才の解消されない永遠の悩みの種だったんでないかな。
    しかしこの活力、躁病だったんではなかろうか?
    まぁ兎に角信長は一切セコさが感じられず男らしすぎる。

    『天才は―作品において、行動において―必然的に浪費者だ、自分を蕩尽することが彼の偉大さだ・・・・・自己保存の本能はいはば外づされてゐる。ほとばしる力の圧倒的な圧力が、すべてさういふ庇ひや用心を彼に禁ずる。』

    「どういふ死に方が一番いいかといふ話になると、カエサルは誰よりも先に大きな声で『思いも懸けない死だ。』と云った。」

著者プロフィール

1930年東京生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。文芸評論家。60年に評論「小林秀雄」で第3回群像新人文学賞受賞。90年に『人生の検証』で第1回伊藤整賞を、96年に『信長』で第49野間文芸賞と第50回毎日出版文化賞を、2003年に『神経と夢想 私の「罪と罰」』で和辻哲郎文化賞を受賞。著書『舗石の思想』『知られざる炎』『内部の人間の犯罪』(ともに講談社文芸文庫)、『歩行者の夢想』(學藝書林)、『内的な理由』(構想社)、『信長 秀吉 家康』(廣済堂出版)、『信長と日本人』(飛鳥新社)、『忠臣蔵』(新潮社)ほか。

「2014年 『「死」を前に書く、ということ 「生」の日ばかり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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