あのころの未来―星新一の預言 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101482224

感想・レビュー・書評

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  • 星新一のショートショートを再読したくなった。
    「ボッコちゃん」のことも内容はもう「???」状態なので。

  • 星新一の物語に描かれた未来を、現代から振り返るエッセイ

    星新一への愛があり、
    そして、星新一の小説をきっかけにして、現代のいろんな問題に論を及ぼしているところが面白い

    子どもの頃星新一を読んだひとは多いだろうから、この題をつけた時点で勝ちだ

  • 動的平衡の中で紹介されていた本。読んでみよう!

    星新一の世界は単なるSFではない。未来のユートピアと悪夢。
    それを 最相 葉月が、2001年〜の世相や科学・社会と照らしあわせて 読み解いていく。
    テクノロジー先行で 人間や他のすべての生物のことを顧みない社会。
    このままでは、未来は 星新一のストーリーのようになるのでは・・・。

    「死体の気持ちになってみろ」 と違和感と怒りを感じた 

    2012/6/8 予約 6/13 借りる。6/16 読み始める。8/7 読み終わる。

    内容 :
    夢みたいな世界と悪夢のような現実はすべて彼の短篇に描かれていた。
    臓器移植、ネット社会、クローン人間…。 星新一と考える、科学と人間の望ましい姿。
    『サンデー毎日』に連載した50編をまとめる。

    著者 : 
    1963年生まれ。神戸市出身。関西学院大学法学部法律学科卒業。
    会社勤務、編集者を経て、ライターとして活躍。
    著書に第4回小学館ノンフィクション大賞を受賞した「絶対音感」など。

  • そっか、いまって、未来だな!と。星作品を少しずつ読み返してウハウハしてるけど、読み甘いところに気づかせてくれる。同人誌的な補完してくれるありがたいガイド。

  • 新書文庫

  • 中学生の頃によく読んだ星新一。
    また読んでみようかな。

  • 最相葉月『あのころの未来 星新一の預言』(2003.新潮社)を読む。

    科学ライターの著者が星新一のSFショートショートを題材に綴ったエッセイ。

    会社員から編集者、のち自立しただけあって、隠遁の心を感じる語り口です。

    元は雑誌連載ということもあり、10年前の発行当時の空気感も濃厚で、住基ネットとプライバシー、携帯メールなどの新技術への不信感と世代格差といったものも感じられます。

    余談ながら、電話世代がメールする若者を批判し、メール世代が既読スルーのLINEを批判したように、明治の読書人はラジオを批判、また古代人は文字ができることで暗記能力が衰えると批判したという話もあります。慣れ親しんだものにしか慣れ親しむことができない、固陋の心というべきでしょう。


    【本文より】
    ◯せっかくのお休みなのに、車でお金のかかる場所に行って遊び回ることは、車はもちろん、その土地の人を働かせることになるわけですから、本当の意味でのお休みとはいえないかもしれません。(中略)自分が休んでも、そのためにほかの誰かやほかの物を働かせているなら、それを休みと呼ぶのはやめませんか。本当の休みというのは、自分の時間をだれにも何にもあげない、何にも託さない、ということ。


    ◯子どもをあえてつくりたくないと思う人々の心に、未来への寂寞たる絶望感があることをなぜ想像できないのだろうか。

  • 著者が星新一はこんな本も書いていたのか!と後書きに書いていましたが、正にそのとおりでした。子供向けのSFだと思っていたものが、実は未来に対する厳しい見方からの予言だったとは思いもよらないことでした。命令をすることを禁じられたロボットへの命令。人体実験など、現代の世の中で起こっていることをいかに星が的確に予想していたかということが良く分かりました。

  • 星新一の短編をネタにしたエッセイ集。多分旅先とかで読むとはまりそう。
    「星新一 一〇〇一話をつくった人」とごっちゃにしていた。こちらは評伝

  • 科学技術が進むとホントに新しい技術が進んでくる。
    それは、SFの世界であったことが、
    現実になってきている。
    星新一がとりあげた。SFの世界は現実になり、
    そのことに対して明確な方向性を持たないととんでもないことになる。

    それぞれを拾ってみると
    その文脈の行き着く先がみえてくる。

    臓器移植 臓器貯蔵庫 臓器製造業 臓器再生技術
    豚から臓器を・・・豚人間。
    人工授精 受精卵 クーロン人間。
    脳だけをいかす技術 脳手術 記憶を埋め込むチップ。
    遺伝子の診断 ニンゲン評価。
    不老不死・・・生きながらえる。長寿の功罪。

    人間を長く生きさせる技術がどんどんと開発されていく。
    低開発国の子供やまづしい人たちが、うりとばされ、
    臓器そのものが商品になるというのは、現実のことだ。

    インターネットで、臓器が販売される時代にもなった。
    よんでいると・・何か背中がゾクゾクと寒くなる。

    ロボットがいつも間にか、2本足で歩くようになって、
    サイボーグが登場することになるに違いない。

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著者プロフィール

1963年、東京生まれの神戸育ち。関西学院大学法学部卒業。科学技術と人間の関係性、スポーツ、精神医療、信仰などをテーマに執筆活動を展開。著書に『絶対音感』(小学館ノンフィクション大賞)、『星新一 一〇〇一話をつくった人』(大佛次郎賞、講談社ノンフィクション賞ほか)、『青いバラ』『セラピスト』『れるられる』『ナグネ 中国朝鮮族の友と日本』『証し 日本のキリスト者』『中井久夫 人と仕事』ほか、エッセイ集に『なんといふ空』『最相葉月のさいとび』『最相葉月 仕事の手帳』など多数。ミシマ社では『辛口サイショーの人生案内』『辛口サイショーの人生案内DX』『未来への周遊券』(瀬名秀明との共著)『胎児のはなし』(増﨑英明との共著)を刊行。

「2024年 『母の最終講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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